いま30代の83%が学びたいのは “あの知識”。「1日15分」でできる社会人必須分野の勉強法

30代社会人がお金について学ぶ方法01

最低労働時間を撤廃し「週休3日制」を導入すると発表した大手メーカーのニュースは、日本社会に大きなインパクトを与えました。場所や時間にとらわれない柔軟な働き方が多くの企業で模索され、ビジネスパーソンを取り巻く環境は大転換期を迎えています。

週休3日制が導入されれば、個人の余暇時間は一気に増大します。人生100年時代を生き抜くための学び直し「リスキリング」が注目されるなか、「増えた時間を有効に活かすには、何に取り組めばいいのだろう……?」とお悩みの方も多いはず。

週休3日制を効率よく学習の味方につけるコツを、ビジネスナレッジの定額制動画学習サービス「GLOBIS 学び放題」の調査をもとに解説します。

週休3日で学び直しの機運高まる。「30代の4人に1人」が学習に前向き

週休3日になったら何がしたいですか――。いよいよ現実味を帯びてきたそんな質問に対し、多くの人が、趣味や健康維持といったQOL(クオリティ・オブ・ライフ)向上に時間を費やしたいと回答しました。増えた時間でまずはライフワークバランスを充実させたいという、忙しい現代人の本音が垣間見えます。

その一方で、「副業」を挙げた人も3割を超え、「ビジネスに関する学習」がしたいと回答した人が2割強にのぼる結果に。

休日が1日増えることでの収入面の不安や、先の長い人生をふまえ、自立したキャリア形成への関心が高まっていることがうかがえます。

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(グラフ引用元:株式会社グロービス|GLOBIS 学び放題、「社会人のビジネス学習実態調査」を実施 週休3日制導入での学び直しニーズ、TOP3は「マネー・ファイナンス・投資」「PCスキル」「会計・財務」

さらに年代別に見ると、30代では4人に1人(24.1%)が「学習」をしたいと答えており、学びへの意識が他の年代より高いこともわかりました。

30代の83%が「お金」について勉強したいと回答。金融リテラシー向上に意欲

30代が「学びたいこと」として挙げたのは、「マネー・ファイナンス・投資」が最多で46.1%、次いで「会計・財務」が37.1%でした。つまり、30代のなんと約83%もの人が「お金」に関心を寄せていることが明らかになったのです。

その背景には、30代のキャリア形成への意識と、資産形成や運用に対する世間全体の機運の高まりがあるようです。ビジネススクールのグロービスで財務・会計を教える、森暁郎(もり・あきお)さんに解説してもらいました。

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(グラフ引用元:同上)

森さん
「キャリアのスタートラインである20代では、まずは置かれた環境で日々の業務にひたすら取り組む人が大半でしょう。経験を積み30代になると、冷静にその先のキャリアプランを考える人が多くなります。転職はもちろん、組織内でのジョブチェンジや新規事業立ち上げといった新たなチャレンジをしようという人が、30代で急速に増えていくのです。GLOBIS学び放題を受講する多くの30代を見ても、学び直しへの高い意識を感じます」

30代はキャリアの重要なターニングポイントなのですね。そんなキャリアを考えるうえで切っても切り離せないのが、ビジネスにおけるお金の話。

森さん
「たとえば、転職を検討しているので、対象企業の成長性を確認したい。変化の大きいビジネス環境における、自社の安全性を確かめたい。新規事業を始めるにあたり、経営的視点が必要になった――このように、20代の頃はなんとなく乗りきれていた「お金や経営」に関する知識に真剣に向き合わないといけないのが、まさに30代なのです

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(画像引用元:GLOBIS 学び放題|成長性分析

ビジネスパーソンとして脂ものり、さらにキャリアをステップアップさせたいという多くの30代にとって、お金の知識は必須だというわけです。加えて、世のなかの機運の高まりも、学習意欲を後押ししているそう。

森さん
「いま日本は、国全体で若者の資産形成を促す動きを強めています。たとえばNISAやiDeCoといった制度を整備して税制を優遇し、長期的な投資で資産をつくりましょうとアピールしているのです。こうした動きは、『先行き不透明な未来に対して個々人で備える必要がある』という国からのメッセージともとらえられます。そうした機運の高まりに30代が敏感に反応しているというのも、今回の調査結果から読み取れると思います」

ビジネスパーソンとしての学び直しに加え、一社会人としてもマネーリテラシーを高めたい。そんな二方向からの関心が、「お金について学びたい」と答える人が30代で顕著に多かった背景にあると言えるでしょう。

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効率的に学習するには、一点集中型より「毎日15分の分散方式」が効く

週休3日が導入されれば、学習に時間を充てる人が確実に増えるだろうと森さんは断言します。では、増えた時間で効率的に学習するには、どういったことを意識すればいいのでしょうか。

森さん
「週休3日制は学びへの意識が高い30代の方々にとって、確実にリスキリングのいい機会になるでしょう。ただ、会社からの要望やプライベートとのバランスなど、24時間すべてが自由時間になるケースはほとんどないことも容易に想像できます。すなわち、『いかに時間を有効に使うか』という意識が大切です。

そこでおすすめなのが、生活上のルーティンに学びを取り入れること。通勤電車で学習する。ジムで走りながら学習する。風呂上がりに髪を乾かしながら学習する。こういった具合に、日常に学習時間をあらかじめ組み込んでしまえば、効率的かつ継続的に学びを深めていくことができます」

また、休日が1日増えたからといって、その日だけに学習時間を集中させないほうがいいようです。

森さん
学習時間は1日15分でもいいので、とにかく毎日続けることを心がけましょう。『そんなに短くて大丈夫?』と思うかもしれませんが、むしろ15分というライトな区切りがあることが学びには重要です。たとえば、15分で1社だけと決めて財務分析をしてみるとか、動画を1章だけ視聴する。こうして区切りをつけながら学ぶと、達成感が得られやすいうえ、”積み残し” 感がなく満足度も高まります。

いきなりフルマラソンは誰だって走れません。まずは15分の筋トレを継続すること。それが確実に力になり、圧倒的な差になります」

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お金の学び方で大切なのは「継続」。身近で気楽なことからスタートを

ではいざお金について学ぼうと思ったら、いったい何から始めればいいのでしょうか。

森さん
最も効率が悪いのは、ボリューム満点の200ページの決算書をいきなり読み始めるといった、無茶な学び方です。分厚い経済書なども同様。慣れないことに無謀な方法で手をつけてしまうと、大抵のケースではうまくいきません。そして『やっぱりお金の勉強は苦手だ』というレッテルを自分自身に貼って “蓋” をしてしまう。そんな勉強は、逃げ出す口実をつくるだけで、まったく身になりません。

ベストは、身近で気楽なことから始めることです。内容もいたって簡単なことからスタートしましょう。先ほども言いましたが、まずは15分。簡易的な財務分析などからやってみることが大切です」

気楽な勉強から始めるには、無料の分析ツールの利用もおすすめだそう。たとえば財務分析ツールのひとつ「バフェット・コード」では、企業名を入力するだけで、株価の値動きはもちろん、業績推移や財務健全性などの項目ごとにグラフが表示され、企業の財務状況がひとめでわかります。知らない単語やデータを少しずつ検索しながら、手探りでも分析していくと、かなりの知識が身につくのだとか。

森さん
「最初のうちは、情報を眺めているだけであっという間に15分が過ぎ去ってしまうと思います。ただそれでも日々継続し慣れてくると、同じことが10分でできるようになり、5分でできるようになる。そのころには、あらかじめ仮説を立ててデータを見られるようになっているでしょう」

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個人のマネーリテラシーを高めるには「家計簿アプリ」がベスト!

資産形成に関心を抱き、個人としてお金を勉強したいと考える人におすすめの学び方も教えてもらいました。

森さん
家計簿アプリを使ってみてください。銀行口座やカード情報、電子マネーと紐づけておくと自動で入出金を記録してくれる優れものです。自分が今月黒字だったのか赤字だったのか、現金が増減するタイミングがいつなのか、資産がどのように変動しているのかが、感覚ではなくデータで理解できます。

さらにはそれがグラフや表で表示されるので、ビジュアルでもわかりやすい。資産が増えることのほとんどない銀行預金でお金を休眠させつつ、ATMでは利息の何倍もの手数料をとられている――そんな『無意識』のお金の動きも克明に記録されます」

さらに家計簿アプリのなかには、証券口座をひもづければ、保有している個別株や投資信託の増減までもがリアルタイムで一括管理できるものもあるそう。

森さん
「資産分布を眺めると、自身の運用のスタイルがアグレッシブなのかコンサバなのか、ありありと浮かび上がります。保有する資産価値が透明化され、日々上がり下がりする光景を目の当たりにすれば、これまでお金への意識が低かった人でも、いまある資産をどう増やしていくべきかということにも、おのずと意識が向いてくるでしょう」

投資や資産運用にネガティブな印象をもち、苦手意識からこれらを避けてきた人も、まずは自分の資産の見える化からトライするといいのかもしれません。

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30代は野球でいうとまだ3回。お金の知識をつけて「長い試合」に備えよう

諸外国と比べて金融リテラシーが低いとされる日本。2022年度からは高校の家庭科の授業で金融教育が始まりましたが、30代から学びをスタートさせても充分意義はあります。

森さん
「人生100年時代において、30代はまだまだ序盤。野球でいえばまだ3回といったところです。これから形勢逆転することも、まったく違ったゲーム展開にもっていくことも可能です」

1日たったの15分でも、積み重ねていけば必ず大きな力になる――このことを念頭に、ぜひあなたも有意義な学びでキャリアの可能性を広げてみませんか。

(記事協力:株式会社グロービス)

(関連動画:GLOBIS 学び放題)
アカウンティング基礎(前編:財務三表編)
アカウンティング基礎(後編:財務分析編)

(参考)
株式会社グロービス|GLOBIS 学び放題、「社会人のビジネス学習実態調査」を実施 週休3日制導入での学び直しニーズ、TOP3は「マネー・ファイナンス・投資」「PCスキル」「会計・財務」
読売新聞オンライン|日立製作所、1日の最低勤務時間を廃止へ…「週休3日」の働き方も可能に
読売新聞オンライン|高校で投資教育始まる 金融庁の教材には何が書いてあるのか

【プロフィール】
森暁郎(もり・あきお)
慶應義塾大学経済学部卒業 コロンビア大学経営大学院修士課程修了

三和銀行(現三菱UFJ銀行)入社。国内及びニューヨーク支店にて、シンジケートローン、買収ファイナンス等の営業及び審査業務に従事。MBA取得後は、General Electricに入社。営業・マーケティング分野のグローバルなリーダーシッププログラムに参画しながら、大型の買収案件等を担当。その後、事業会社のベネッセに転じ、新規事業開発室長として、教育・介護分野での買収や戦略出資を進めるとともに、全社横断の新規事業開発制度を構築、具体案件のインキュベーションを担当。現在はグロービスにて、英語のビジネススクール及び企業研修の事業開発・推進を担当。

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