夏のあいだ、充実した時間を過ごされましたか? 仕事から離れて、思いっきりリフレッシュできたでしょうか。
もしかすると、せっかくの学びの機会を逃してしまったと、後悔している方もいるかもしれません。夏季休暇の過ごし方次第で、ビジネスパーソンは大きく差がつくといいます。
でも、それならこの先、週末や帰宅後の時間を利用して、効率よく遅れを取り戻してはいかがでしょう。そのための方法を3つ紹介します。
【ライタープロフィール】
Shinya
大学では経済学を専攻。集中力があり、長時間、長期間にわたって勉強し続けることが得意。現在は、資格試験に向けて効率的な勉強法の情報を収集中。心理学にも関心があり、コミュニケーション力の向上を目指してさまざまなメソッドを学び、実践している。
最短ルートを見つける
学びの最短ルートを見つけることは、学習を効率的に進めるための最大のコツです。
特に、資格試験やスキルアップを目指すビジネスパーソンにとって、ゴールに向かう道筋を明確にすることは、時間と労力を節約するにあたり不可欠でしょう。
そこで、まず、やるべきことは、現在の自分の実力を客観的に評価することです。試験や資格の要求レベルに対して、自分の強みと弱みを洗い出し、どの分野でギャップがあるのか明確にするのです。
そうしなければ、具体的な方法などわかりえないはず。スタディーハッカー 代表取締役社長の岡健作氏によれば、
そもそも「メソッド」とは、すでに明確になっている「課題」を解決することに特化した手法のことです。だから、そもそもの課題がわからないのに、メソッドを選ぶことはできません。
とのこと。また、
自分が何につまずいているのかを考えることで初めて、具体的な解決策が見えてくるようになります。
(引用元:STUDY HACKER|勉強で “メソッド” に取り組む前に必ずやるべきこと。「○○」を正しく把握すれば勉強は自然とうまくいく)
と伝えています。
そうであれば、焦って頭に詰め込むより、まずは模擬試験を受けたり、過去問題を解いたりしてみてはいかがでしょう。弱点が浮き彫りになり、どこに重点を置いて学習を進めるべきか、見えてくるはずです。
また、そうやって苦手な科目に多くの時間を割くのもひとつの手ですし、逆に、得意な分野をもっと突き詰めて、得点を稼ぐ戦略も考えられます。こうした選択が、夏季休暇で学びに差をつけられたビジネスパーソンが歩むべき、最短ルートになるのではないでしょうか。
そして、残された時間を考慮し、学習計画も再構築しておくべきでしょう。
- どれだけの時間を勉強に割けるのか
- どの時間帯に最も集中力が高いのか
- どのくらいのペースで進められるのか
といったことなどを、現実的に考えてスケジュールを組むことが重要です。
自分の学習特性を見つめる
また、社会人として学ぶなら、自分の特性や限界を再確認することも重要です。そうすることで学びの効率がよくなり、挽回しやすくなるからです。
たとえば、朝早く起きて勉強するのが得意な朝型タイプもいれば、夜の仕事終わりに集中力を高められる夜型タイプもいますよね。
こうした朝方・夜型の傾向はクロノタイプと呼ばれ、社会人の生産性にも影響することから注目を集めています(参考元:東京医科大学 精神医学分野 産業精神医学支援プロジェクト|早起きは三文の損: 朝型人間の夜ふかしと、夜型人間の早起きが生産性低下と関連)。
ニューヨーク・タイムズによれば、世界で多くの企業が従業員のクロノタイプを特定し、それに応じたスケジュールを奨励しているとのこと(Thrive Global のシニアエディター兼コミュニティマネージャー Rebecca Muller 氏のコラムより)。
もちろん、それは従業員が、最高の仕事をするためにほかなりません(参考元:Thrive Global|Here’s How to Find the Hours When You Work Best)。
とすれば、自分がどのタイプか把握しておくことで、学習を効果的に進められるのではないでしょうか。よくわからない人は、クロノタイプ診断ができるサイトを利用してみるといいかもしれません⇒(VOCE(ヴォーチェ)|【クロノタイプ診断】あなたは朝型?夜型?「体内時計のタイプ」を知ろう)
また、自分の学習のモチベーションが高まるタイミングや、その持続方法を理解しようとすることも大切です。目標を立てることで意欲が高まる人がいる一方で、学びの成果がすぐに見えるかたちで確認できると、やる気が続く人もいるはず。
学生時代も含めると、ビジネスパーソンはすでに多くの経験を積んでいます。過去の自分の傾向を振り返ることで、「そういえばあのときはうまっくいったな」などと、自分に適した学習スタイルに気づくことができるのではないでしょうか。
それに、自分の学習特性を理解することは、同時に自分の弱点を知ることにもなるはずです。自分が避けるべき状況や時間帯を把握し、それをふまえて学習計画を立てることで、無理なく効果的に学びを進めることができると考えられます。
自分のリズムに合わせた学習方法や、モチベーションを持続させるための小さな工夫を見つけることで、長期休暇中の遅れを挽回し、自信をもって学びを進めることができるでしょう。
影響されやすさを逆手に取る
夏季休暇に学習が思うように進まなかったビジネスパーソンは、もしかすると周囲の影響を受けやすいタイプかもしれません。休暇中などで周りがリラックスしていると、ついつい自分もリラックスモードに入ってしまうのです。
であれば、逆に周りが仕事や学習に取り組んでいると、自分もやらなければという意識が働く可能性があります。このような性質を上手に利用すれば、学習効率を飛躍的に上げることができるでしょう。他者の存在が、学習にプラスの影響を与えることを意識してみるのです。
たとえば、同じ目標をもつ友人や同僚と一緒に学習することで、互いに刺激を与え合い、モチベーションを高めることができるかもしれません。オーストラリアのトーレンス大学で健康・教育分野の学生募集責任者を担う Alastair Gaban 氏は、次のように述べています。
Friends on campus keep you motivated and reduce procrastination
(キャンパスでの友人は、あなたのモチベーションを保ち、先延ばしを減らしてくれます)
Gaban 氏によると、2014年に行なわれた南オーストラリアの研究では、ひとりで勉強した学生よりも、友人と一緒に勉強した大学生のほうが、23%も多く合格していることが示されているそうです。
(参考および引用元:Torrens University Australia|The 5 Big Benefits of Studying with Friends (including how it could save you money) ※和訳は筆者が行なった)
それなら仲間と一緒に勉強すればいいし、無理なら図書館やカフェ、コワーキングスペースなどに出向き、同じような目的をもつ人がいる環境に、身を置くのもひとつの手です。
そうすれば夏季休暇に学習が進まなかった人も、周りに影響されて、学習に集中しやすくなるかもしれません。
有料の教材やコースに投資することで、覚悟を決めるのも効果的です。金銭的な投資をしてしまえば、「無駄にしたくない」という気持ちが働き、学習に対する真剣度が増すのではないでしょうか。
そんなときは、「せっかくお金を払ったのだから、もったいない!」と言ってくれそうな人とよく関わり、上手に影響されてみてください。
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休暇中に学びに差をつけられた、と思うとつい焦ってしまいますよね。まずは一呼吸おいてから、よろしければこの記事の内容を参考に、限られた時間のなかで学習効率を最大限に引き上げましょう。
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