「要約ができる人は、勉強もできる」と言っていい2つの理由。

勉強に役立つ「要約」のやり方2選01

「頑張って勉強しているのに、頭のなかがごちゃごちゃして覚えられない……」
「資格試験の勉強は、難しい用語が多くてわからないことだらけ……」

そんな悩みを抱えているなら、いつもの勉強に「要約」をプラスすることをおすすめします。今回は、要約が勉強に役立つ理由と、効果的な要約の方法を詳しく解説しましょう。

「要約」は勉強に最適なメソッド

勉強に要約を取り入れることが学習効果アップに役立つ理由を、ふたつ紹介します。

要約すれば「理解度」が高まる

要約を通して複雑な内容を「整理」すると、より「理解」しやすくなります

経営コンサルタントの原田虔一郎氏によれば、紙幅や字数に制約のある状態で要約するトレーニングを重ねれば、「複雑な情報を整理して要点を理解する力」がつくとのこと。加えて、思考力や判断力も向上するのだとか。

原田氏いわく、業務連絡であれトラブル解決であれ、仕事の生産性を上げるには “核心をつかむ” ことが大切。そこで必要なのが “内容の整理” です。それをせずして仕事にあたっても、重要なことを見極めるのに時間がかかったり、重要でないことを重要だと思い込んだりして、ミスや遅延につながりかねません。ゆえに、要約力は、さまざまなビジネス能力の基礎と言えるのだとか。

原田氏は仕事の文脈で要約の重要性を説いていますが、情報を整理し理解することが勉強においても重要であることは、言うまでもありません。

勉強に役立つ「要約」のやり方2選02

要約すれば「記憶」しやすくなる

要約を通じ「アウトプット」することで、「記憶」しやすくなるというメリットもあります。

教育事業運営などを行なう株式会社カルぺ・ディエム代表の西岡壱誠氏によると、記憶はインプット時よりもアウトプット時に脳内で定着するとのこと。

たとえば、テキストを読んだら、章ごとに内容を要約して、紙に書いたり人に説明したり。そんなふうにアウトプットする際には、内容をかみ砕き、自分なりの言葉で説明できるレベルにまで納得する必要があります。こうした能動的な勉強が、記憶の定着に効果的なのだそうです。

要約ができる人は、必ず成績を上げられる――西岡氏はそう断言しています。それほどまでに、要約は勉強において重要な役割を果たすのです。

【おすすめ要約法1】「軸ノート」をつくる

ここからは、実際の勉強に使える要約のテクニックをふたつご紹介しましょう。

ひとつめは軸ノートです。これは、あらかじめ自分で設定した軸に沿って、講義やテキストのメモをとるというもの。『東大生のノートから学ぶ 天才の思考回路をコピーする方法』著者・片山湧斗氏が紹介する方法です。

手順は次のとおり。

  1. ノート上部へ日付とテーマを書く
    いつ、何を勉強したかを明確化する。
    例:「8/1『公務員試験過去問 民法Ⅰ』20~30ページ」
  2. 軸を決め、テーマの下に書く
    情報整理の基準となる軸を決め、矢印線を引く。基本は横軸1本。それに縦軸1本を加えた2軸でもよい。
    例:「重要度」「年代」「出題頻度」
  3. 軸に沿ってメモをとる
    講義やテキストの内容を、軸に沿ってメモしていく。

なぜこの軸ノートが要約に役立つのかというと、情報の差別化ができるからです。片山氏いわく、ノートを見返すだけで「どの情報が重要なのか」がひとめでわかるので、その部分をまとめれば要約を簡単に完成させられるとのこと。

たとえば、筆者は下記のように、映像作成のソフトウェアについて学ぶ際に軸ノートを作成してみました。横軸を「重要度」、縦軸を「使用頻度」と設定して線を引き、それらを基準にメモをとっています。

勉強に役立つ「要約」のやり方2選03

この軸ノートをもとにすると、次のような要約ができあがりました。

レイヤーの合成はアルファチャンネル・アルファマットを使って行なう。なかでもリニアカラーキーや、トラックマットレイヤーを使った方法が代表的。

今回の学習では知らない専門用語が多く出てきたものの、軸ノートを活用すると、どれが重要なのかをうまく見極めて簡単に要約することができました。重要度や使用頻度の高いキーワードに注目できたおかげで、いままで難しいと感じていたテキストの内容がスラスラ頭に入ってきたのです。

軸ノートを使った要約を繰り返せば、講義やテキストの核心部分を的確に見抜けるようになるはず。要約の精度とともに学習内容の理解度も高められますよ。

勉強に役立つ「要約」のやり方2選04

【おすすめ要約法2】20字で要約する

もうひとつおすすめするのが20字要約というテクニック。『すべての知識を「20字」でまとめる 紙1枚!独学法』著者の浅田すぐる氏が提唱するものです。

用意するものは、B5サイズ以上の紙1枚のペンだけ。手順は次のとおりです。

勉強に役立つ「要約」のやり方2選05

  1. のペンでマスを書く
    • テーマ(+日付)、目的を書くマス
    • キーワードを書くマス
    • 要約を書くマス
  2. のペンで目的を書く
    最上段左から2番めのマスに「P?」と書く。Pは「Purpose(目的)」の略。その右隣のマスへ、赤で勉強の目的を書く。
  3. のペンでキーワードを書く
    勉強した内容のキーワードを書き出す。目安は8マス以上
  4. のペンで思考を整理する
    キーワードをもとにメモを書き込みながら、赤のペンで考えを整理。印や囲みでグルーピングする、線でつなぐ新たなキーワードを空きスペースに書くなどする。
  5. のペンで20字にまとめる
    要約用のマスの冒頭に、緑で「1P?」と記入。すなわち「1Phrase=ひとこと」で考えを整理できたら、20字に要約して赤で書く。

浅田氏によると、「20字」で要約すべき理由は、20字あれば伝えたい内容をなんでも表現できるから。また、20字ほどの短さであれば、いつまででも覚えていられるからです。その代表例として浅田氏は俳句を挙げています。

たしかに、長く語り継がれる名句には情景が見事に凝縮されていますし、子どもの頃に習ってから大人になったいまでも覚えている俳句はいくつもあるでしょう。これが、何百字にも及ぶ長文だったらとても覚えていられないはずです。

そこで筆者も、宮沢賢治による短編小説『よだかの星』を読み、そのテーマを考察するために20字要約を活用してみました。

勉強に役立つ「要約」のやり方2選06

20字要約を行なうと、内容を自然とかみ砕きながら勉強することになったので、確実に理解度がアップしました。

初めは、たった20字に収めるのは難しいと感じたのですが、別の言葉への言い換えや語順の入れ替えを試すとよいという浅田氏のアドバイスを実践。助詞や接続語も減らしました。結果、難しい内容でもたった20字に要約でき、覚えやすくなりました。

なお、目的は、勉強する前に必ず書いておくのが大事だと思います。そうすれば、「目的を達成するには、どこを重点的に勉強すればいいんだろう?」と常に意識しながら情報を整理できるからです。あなたもぜひ取り入れてください。

***
要約は練習を重ねれば重ねるほど、スムーズかつ的確にまとめられるようになります。今回ご紹介した方法を使って、ぜひ勉強効率を高めてくださいね。

(参考)
原田虔一郎 (2004), 『40字要約で仕事はどんどんうまくいく―1日15分で身につく習慣術』, アーク出版.
脳の学校|第245号 脳の整理整頓~頭のゴチャゴチャを整理しよう~
東洋経済オンライン|マンガ!東大生の「最強の勉強法」は要約である
ログミーBiz|メモをとるコツは「軸」と「粒度」 現役東大生が指南する、時短の情報整理術
ビジネス+IT|仕事の質が劇的向上、トヨタの社員が行っている「紙1枚」仕事法
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【ライタープロフィール】
藤真 唯
大学では日本古典文学を専攻。現在も古典文学や近代文学を読み勉強中。効率のよい学び方にも関心が高く、日々情報収集に努めている。ライターとしては、仕事術・コミュニケーション術に関する執筆経験が豊富。丁寧なリサーチに基づいてわかりやすく伝えることを得意とする。

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