賢さは “たった数分” の積み重ねでつくれる。「1日10分」の勉強を10日間続けてみた

「1日10分」の勉強を10日間続けてみた結果01

「通勤電車に乗る時間はまあまあ長いけれど、正直、電車のなかだけでもぼーっとしていたい。勉強なんてできない……」
「仕事が忙しく、とても疲れている。帰宅後にがっつり勉強するのは無理……」

このように毎日仕事がいっぱいいっぱいで、勉強までしていられないと感じる人は多いかもしれません。

でもご安心ください。勉強にかける時間は必ずしも長くなくていいのです。今回は、プロフェッショナルたちの知見をもとに、1日たった数分の積み重ねで効果を実感できる勉強法を3つご紹介します。勉強を無理なく習慣化できるうえに、記憶力も高まりますよ。筆者の実践例もあわせて、ぜひ参考にしてみてください。

プロフェッショナルたちがすすめる “超短時間” 勉強法

たった数分の勉強でも、その内容を記憶に残すことは可能です。勉強のプロフェッショナルたちがすすめる、超短時間でできる効率的勉強法を紹介しましょう。

1.「思い出しながら」本を読む

「本を読む」というスタイルで勉強することが多いなら、「思い出しながら」本を読んでみましょう。

トレスペクト教育研究所代表の宇都出雅巳氏は、「本を読んでいる途中に、読んだ内容について『思い出す』ことを意識的に行う」ようすすめています(引用元:All About|「読書の内容をすぐ忘れてしまう人のための記憶術」)。

その理由は「読んだ本の内容を忘れない」ための「最も効果的な行動は『思い出す』こと」だから。その脳のメカニズムを、宇都出氏はこう説明します。

思い出せることは、あなたがすでに知っていることと結びつきやすかったり、強く印象に残ったりしたことです。

これらを思い出すことによって、繰り返しによる記憶の強化が起こり、忘れにくくなります。

(引用元:All About|「読書の内容をすぐ忘れてしまう人のための記憶術」

つまり、本を読んだだけでは不十分だということ。読んだ内容は、思い出すというプロセスによってやっと記憶に残せるのです。

本を読んでいる途中に「思い出し」の作業を挟む――これを実践するとしたら、たとえば、「1ページ読んだら本を閉じ、そのページの内容を思い出してみる」というのはいかがでしょう。これなら、たった5分しか読書に割けないような場合でも、実践可能。ただなんとなく5分間本を読んで、その内容をさっぱり忘れてしまう……というより、格段に意味のある読書ができますよ。

2. スマートフォンを活用「マイクロ・ラーニング」

超短時間で行なう勉強「マイクロ・ラーニング」もおすすめです。

マイクロ・ラーニングとは、1回につき5分程度、長くて10分以内という小さな勉強を、1日に数回行なうスタイルのこと。Webコンテンツなどを利用します。

スマートフォンを使ったマイクロ・ラーニング用の学習プログラムを提供するExcedo(エクセド)の、サイモン・ウィリアムス氏は、マイクロ・ラーニングの利点について次のように説明しています。

(マイクロ・ラーニングで)1日3回ほど勉強して、合計15分の学習を習慣化すれば、長期的なスパンで学習を生活に取り込むことができます

(引用元:EdTechZine|マイクロ・ラーニングってどんな学習法? すき間時間の活用だけではないメリット カッコ内は編集部にて補った)

スキマ時間を活用できるので、忙しい人でも勉強習慣がつけやすいと言えそうですね。さらに、

数分で終わる教材であれば復習にも取り掛かりやすいので、学習内容が定着しやすくなります。(中略)5分ほどのプログラムを繰り返し学習することで、長期的には記憶保持率を8割以上キープできます

(引用元:同上)

とも。前項で紹介した「思い出し読み」と同様、短時間の勉強を繰り返すことで記憶力アップに貢献するのです。

日常的に触れているスマートフォンで行なうマイクロ・ラーニング。これなら、記憶力を強化しつつ、楽な気持ちで勉強に取り組めるでしょう。

3. 寝る直前に「5分間暗記」

あなたがいつもSNSをチェックして過ごしている、寝る前の時間帯に最適な勉強法もあります。それは、弁護士の平木太生氏がすすめる、寝る直前の5分間暗記

具体的なやり方は以下のとおりです。

  1. 「寝る前に覚えるべき定義・論証・英文などを必死に覚え」
  2. 「その状態ですぐに寝て」
  3. 「朝起きたら真っ先に前日の夜に覚えたことをノートに書き出す」

(カギカッコ内引用元:東洋経済オンライン|寝る前の「5分間暗記」が試験勉強に効果的なワケ

平木氏いわく、「記憶のゴールデンタイム」である「寝る直前5分に覚えたものは、睡眠とともに『短期記憶』から『長期記憶』に変換されやすい」(引用元:同上)。実際、平木氏自身もその効果を体感したそうです。

資格をとるために必要な知識や、仕事で使う専門用語など、覚えておきたい・忘れたくないことは、寝る前のたった5分を活用すれば、効率よく暗記することが可能。覚える知識は1日1個でも、1か月続ければ30個。短時間の勉強も、積み重ねれば多くの新たな知識を手にすることができますよ。

なお平木氏によると、勉強のあとは「スマホは見ないですぐ寝る」べきだとのこと。余計な情報を脳に入れないことが大切なのですね。

「1日10分」の勉強を10日間続けてみた結果02

1日10分の勉強、実際にやってみた

今回筆者は、前章で紹介した手法を取り入れながら、1日10分間の勉強を10日間続けてみました

学生である筆者。基本的には9時から18時頃まで大学におり、勉強するのが本分ではありますが、予習・復習や暗記の作業は、空き時間をうまく見つけて行なわなくてはなりません。そこで、移動中の電車内や授業の合間のスキマ時間を組み合わせて、10分間確保することとしました。

たとえば、通学電車のなかでは、授業で扱う文献を1〜2ページずつに短く区切って読んだあと、どんな内容だったのか頭のなかで思い返す作業を行ないました。前出の宇都出氏がすすめていた、「思い出しながら本を読む」という方法です。

また、大学内で教室を移動する際のわずかな時間にも学習できるよう、その日の授業で共有する疑問点や感想を前日までに用意しておき、授業直前までスキマ時間を使いながら読み返して、自分の伝えたいことに不自然なところがないかをチェックするなどもしました。少しでも時間ができたら繰り返し読み、記憶の定着を狙いました。

「1日10分」の勉強を10日間続けてみた結果03

実際にスケジュールを立てて取り組んだ様子

1日10分の勉強を10日間やって得た効果

実践してみて感じたことを、以下にまとめます。

1. まとまった時間がなくても勉強できるようになった!

これまでは「机へ長時間向かうこと」が勉強だと考えがちで、それ以外のやり方に苦手意識を感じていました。しかし今回の実践を通し、場所を選ばない、スキマ時間で行なうような勉強にも、前向きに取り組むことができました。

たとえば、学校や図書館といった学習環境が整った場所でしか勉強できなかったところを、移動中や家で歯を磨きながらなどの「ほんの数分・数十秒の時間でも勉強はできるんだ」と考えられるようになり、勉強へのハードルが下がったのです。

そのおかげで、「自分の生活には、勉強できる時間がこんなに埋もれていたんだ……!」と気づくことができ、日々の時間の使い方を改善するきっかけになりました。

2. 自分なりの「短時間勉強のスタイル」を見いだせた

初めのうちは新しいやり方に慣れることに精一杯で、勉強自体はすぐに飽きてしまっていました。机に長時間向かうスタイルが当たり前だった筆者にとって、時間が短すぎるとかえって集中できないような感覚があったのです。

しかし、この勉強スタイルを受け入れることができてからは、集中できるようになりました

というのも、短時間の勉強をしばらく続けるうち、文章を読むスピードや、内容を思い出すペースを自分なりにつかめるようになり、自分にとって効率的なやり方がわかったからです。

今回筆者は、1日で合計10分になるように数回に分けて勉強しましたが、5分を1回にしたり10分を1回にしたり、回数を増やしたりと、自分に合った時間設定はいくらでもできると思います。みなさんもぜひ、模索してみてください。

***
勉強のプロフェッショナルたちもすすめる、短時間勉強法をご紹介しました。ぜひ、スキマ時間での学習を日々の生活に取り入れてみてくださいね。

(参考)
All About|「読書の内容をすぐ忘れてしまう人のための記憶術」
宇都出雅巳著 (2016), 『「1分スピード記憶」勉強法: 「記憶したがる脳」になる』, 三笠書房.
Towards Data Science|How Microlearning Can Help You Improve Your Data Science Skills in Less Than 10 Minutes Per Day
EdTechZine|マイクロ・ラーニングってどんな学習法? すき間時間の活用だけではないメリット
東洋経済オンライン|寝る前の「5分間暗記」が試験勉強に効果的なワケ

【ライタープロフィール】
YG
大学では日韓比較文学を専攻し、自身の研究分野に関する論文収集に没頭している。言語学にも関心があり、文法を中心に日々勉強中。これまでに実践報告型の記事を多数執筆。効果的で再現性の高い勉強法や読書術を伝えるべく、自らノート術や多読の実践を深めている。

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