トップ3%の一流も実践。社会人の「1日15分」勉強が周囲に圧倒的な差をつける理由

「1日15分」の勉強が周囲に圧倒的な差をつけるワケ01

「仕事に役立つ勉強をしたいけど、どのようにやればいいのかわからない」
「平日は仕事で忙しいので、なるべく短い時間で勉強したい」

こうした悩みをもつ人に紹介したいのが、1日たった15分の超短時間勉強。「本当に15分だけでいいの?」と思うかもしれませんね。でも大丈夫。今回はみなさんに、15分で勉強効率を爆上げする方法をご紹介します。

1日「15分」を勉強へ充てるべき理由

15分の勉強が効果的である理由をふたつ紹介します。まず、人間が高い集中力を維持できるのは15分程度だという点。もっと長いあいだ集中できそうに感じる人も、なかにはいるでしょう。しかし精神科医の樺沢紫苑氏は、脳をものすごく使いながら集中すると、せいぜい15分くらいしかもたないと伝えています。

実際、『絶対に忘れない勉強法』などの著書をもつ明治大学教授の堀田秀吾氏は、学生の集中力を保つため、講義中に「15分間隔」で話題を変えるようにしているそう。集中力を維持できないまま長時間勉強するより、15分間きっちり集中力を保って勉強するほうが、効率的なのですね。

加えて、1日15分の勉強は、じつは周囲に圧倒的な差をつけることにもつながります。日本経営教育研究所代表取締役を務めた故・石原明氏は、一流の人間になるために、若いうちから毎日15分を使ってひとつのテーマを勉強することをすすめています。

石原氏によると、トップ3%になれるビジネスパーソンとそうでない人を分ける要素は教養(=仕事以外の分野で自分自身を魅力的にできる知識)なのだそう。石原氏いわく、知識を吸収したり意見を深めたりして教養を育むには長い年月が必要で、15分でもいいから毎日続けて勉強するのが大切だとのこと。一流になれるような人には、やはり勉強の習慣があるのです。

たしかに、1日15分の勉強でも積み上げていけばかなりの量になるもの。1カ月で約7時間半、1年で約90時間も勉強できることになります。1回90分の大学の授業で換算してみると、1年で授業60回分もの勉強量に相当しますね。

これだけの時間を、自分が興味をもっている歴史や語学の勉強、あるいは達成したい目標のための勉強に費やせれば、雑談力が上がって上司や取引先とのコミュニケーションが円滑になったり、専門知識がたくわえられて仕事で実績を出せたりして、自分への評価を高められる可能性があります。石原氏の言うように、トップ3%の成功者に仲間入りすることもできるかもしれません。1日たった15分勉強するだけでこんなにうまくいくなら、とてもお得だと思いませんか? 

「1日15分」の勉強が周囲に圧倒的な差をつけるワケ02

15分の勉強をするべきタイミング

生活スタイルによっては、15分という短時間でさえ確保することが難しいと感じる人もいるはず。そこで、比較的自由になりやすい朝と夜に着目し、それぞれに適した勉強方法をご紹介しましょう。自分に向いていそうなほうを選んで、ぜひ実践してみてください。

朝は「耳を使った勉強」を

通勤時間にただぼーっとしているだけの人、あるいはついスマートフォンばかり見てしまう人は、通勤中の15分で「耳を使う勉強をしてみてはいかがでしょうか。

『一流のパフォーマンスアップ習慣: できる自分に瞬間で戻れる!』の著者である医学博士の裴英洙(ハイ・エイシュ)氏は、新聞を読む代わりにラジオを聴く、参考書を読む代わりにポッドキャストを聴くなどの勉強法をすすめています。

裴氏によれば、朝、特に通勤中の電車では、小さな文字を読むといった目を酷使する作業を避けたほうがよいのだとか。というのも、仕事前に目を使いすぎると、眼球の筋肉が凝り固まって脳の情報処理スピードや正確性を下げ、仕事へ悪影響が出てしまうからです。

耳を使う勉強なら、眼球を使いすぎることがないうえ、脳の適度な働きが促され、午前中の仕事のパフォーマンスを高められるとのこと。また、脳科学者の加藤俊徳氏は、「聴く」という行為により脳の聴覚系に関わる部位を刺激すると、脳全体の活性化にもつながると伝えています。

ただし、耳を使って勉強する際は、15分以上電車に乗る場合でも、15分経った時点でいったんやめるようにしてください。集中力の限界を超えると脳に負担がかかり、仕事に悪影響が出かねないためです。

「たったの15分ではキリが悪くなってしまう」と心配する必要はありません。旧ソ連の心理学者ブルーマ・ツァイガルニク氏が示した「達成できなかった事柄や中断している事柄のほうが、達成できた事柄よりもよく覚えている」というツァイガルニク効果によって、勉強内容が強く印象に残ります。「続きが気になるからもっと勉強したい」と、習慣化にもつながりますよ。

夜は「暗記の勉強」を

朝の仕事前にはあまり勉強したくないという人は、就寝直前の15分で「暗記の勉強をしてみてはいかがでしょう?

“記憶のスペシャリスト” として記憶力日本一に輝いた経験をもつ池田義博氏は、日中に得た情報よりも、就寝直前に得た情報のほうが記憶として整理されやすいと言います。

池田氏によれば、日中に得た情報は時間が経つにつれてバラバラになってしまい、脳で記憶をつかさどる海馬が、それらをひとつの記憶として統合するまでに時間がかかるとのこと。一方で、就寝直前に得た情報は、まだバラバラになっていない状態。そのため、夜に勉強するほうが、睡眠を通じて情報を整理・記憶しやすくなるのだそうです。

就寝直前の勉強も、集中力の限度に合わせて15分きっかりで終えることをおすすめします。また、15分だけなら「勉強しなくちゃ」というプレッシャーも過度に感じなくてすむでしょう。たとえば英単語や世界史、資格試験に必要な専門用語などの暗記に、サクッと15分程度で取り組んでみてください。

「1日15分」の勉強が周囲に圧倒的な差をつけるワケ03

15分の勉強をより充実させるコツ

15分間の勉強をもっと充実させる、簡単にできて効果的なコツもご紹介します。それは、タイマーを設定すること。

前出の樺沢氏によれば、タイマーを設定して時間をきっちり計るようにすると、集中力をいっそう高めることができるのだとか。限られた時間でタスクをこなさなければならないという極限的な状況で、「ノルアドレナリン」と呼ばれる神経物質が分泌されるからです。

また、脳科学者の茂木健一郎氏は、ノルアドレナリンとともに分泌される「ドーパミン 」がやる気を高めてくれると伝えています。時間を制限することで脳にプレッシャーがかかり、ドーパミンが放出されて、脳の情報処理のスピードも上がるのだそうです。

たった15分間の勉強であっても、タイマーを使って時間を意識すれば、そうでないときよりも集中して勉強に取り組めるはず。通勤中や就寝前の勉強が難しければ、まずは起床直後や始業前、入浴中などの15分などでもかまいません。ぜひ時間を計って勉強してみてください。

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忙しい社会人にすすめたい「15分間勉強法」について解説しました。勉強時間は長ければ長いほどよいわけではなく、たとえ短くても質を高めることは可能です。最後に紹介したタイマーを使う方法とともに、15分の勉強時間をより充実させてみてくださいね。

(参考)
石原明 (2013),『トップ3%の人だけが知っている仕事のルール』, 中経出版.
ITmedia エンタープライズ|毎日15分、1つのテーマを勉強する
新刊JP|頑張って勉強してるのに、結果が出ない人の「落とし穴」
堀田秀吾 (2021),『絶対忘れない勉強法』, アスコム.
Panasonic BUSINESS|ちょっと立ち読み〜ビジネスに強くなる本 第74回「脳のパフォーマンスを最大まで引き出す 神・時間術」樺沢紫苑 著
裴英洙 (2018),『一流のパフォーマンスアップ習慣: できる自分に瞬間で戻れる!』, 学研プラス.
PR TIMES|ラジオを聴くと“頭がよくなる”!?脳科学者・加藤 俊徳氏が、世界で初めてラジオ聴取と脳の成長の関係を検証
UX TIMES|ツァイガルニク効果
東洋経済オンライン|「寝る直前の勉強」が記憶に効くこれだけの理由
タウンワークマガジン|集中力の限界は90分? 集中できないときに試したい効果的な休憩方法と勉強法
茂木健一郎 (2010),『脳を活かす勉強法』, PHP研究所.

【ライタープロフィール】
YG
大学では日韓比較文学を専攻し、自身の研究分野に関する論文収集に没頭している。言語学にも関心があり、文法を中心に日々勉強中。これまでに実践報告型の記事を多数執筆。効果的で再現性の高い勉強法や読書術を伝えるべく、自らノート術や多読の実践を深めている。

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