“紙1枚” で学びが圧倒的に深まる! 「20字インプット学習法」がすごい。

20字インプット学習法-11
「よく本を読み、セミナーにも参加しているが、内容をすぐ忘れてしまう」「展示会で業界の傾向をつかんで報告しろと言われても、情報が多すぎてまとめられない」と悩んでいる方はいませんか?

あるいはシンプルに「学んだことを身につけたい」という方に、浅田すぐる氏が提唱する「20字インプット学習法」を紹介します。

忘れる理由・忘れないために必要なこと

ベストセラー『トヨタで学んだ「紙1枚!」にまとめる技術』の著者・浅田すぐる氏は、学んだことを忘れてしまう大きな理由として、

“学習を消費としてとらえているから”

と述べます。どんどん読んで、どんどんセミナーを受け、どんどんネットから情報を収集している状況は、まさに「消費型」の学習。「消費型」を、「投資型」に変えていかなければならないとのこと。

「消費型」の学習を「投資型」の学習に変えるためには、次の3つが必要なのだとか。

  • 目的の明確化
  • 思考の整理 
  • 端的な要約

上記3つを実践可能にしたのが、「20字インプット学習法」です。同氏の著書『すべての知識を「20字」にまとめる 紙1枚! 独学法』に詳しく紹介されています。

20字インプット学習法-01

ちなみに、『すべての知識を「20字」にまとめる 紙1枚! 独学法』における「20字インプット学習法」は、修行の始めの【初伝】です。【初伝】の次の【中伝】は「アウトプット力を高める学び方」、【中伝】の次の段階の【奥伝】は「仕事にすぐ活かせる学習」。20字インプット学習法に慣れたらチャレンジしてみてください。

20字あれば伝えられる日本語

では――

●【なぜ要約が必要なのでしょう?

学びを深めるために要約が必要なのは、要約の行為がかみ砕いて学ぶことにつながるからです。逆に言えば、インプットしたはずの情報を自分の言葉で要約できない理由は、目的もなく、ただ受動的に知識を詰め込んだにすぎないからです。

●【なぜ20字なのでしょう?

要約の文字数を20字に限定する理由は、日本語なら20字あれば伝えたい内容を表現できるからです。20字でじゅうぶんに要約できると浅田氏が語る根拠のひとつは俳句。「五・七・五」に句読点を足せば20文字になりますね。

浅田氏は学生時代、字数制限のある記述問題を解くテクニックとして、「40文字以内ならポイント2つ、60文字以内ならポイント3つ」と学んだそう。浅田氏が学んだ受験テクニックも、20文字がひと区切りであることを示しています。

20字インプット学習法-02

「20字インプット学習法」とは?

浅田氏の説明をもとに、「20字インプット学習法」を簡単に説明すると、以下のとおり。

  1. 思考整理を繰り返して、考え抜く
  2. 考え抜いて本質をつかむ 
  3. 本質をつかんで、端的に表現する

上記の3ステップにより、インプットした情報を長く記憶でき、仕事などで活用しやすくなるそうです。もちろん、要約力や思考整理力を鍛えることにもつながります。

「20字インプット学習法」:3つの制約と禁止事項

「20字インプット学習法」のコツは、次の3つの制約をかけて学ぶことです。

制約1:紙1枚に
制約2:枠(フレーム)を書いて
制約3:テーマを決めて埋める

もしも、学んだことを紙1枚に書けと言われたらどうなるか? ――情報の本質を見出すために、「つまり?」「ひとことで言うと?」「要するに?」と考え抜くことでしょう。

「20字インプット学習法」に必要なものは、以下の2つだけです。

必要なもの1:緑・青・赤3色のカラーペン
必要なもの2:1枚の紙

ちなみに、浅田氏が推奨するのはB5サイズのノートですが、A4サイズでもOKとのこと。色を変えるのは、視覚的に見やすくするためです。

ただし、次のとおり禁止事項もあります。

禁止1:メモ帳は小さすぎるのでNG
禁止2:パソコンでの作成は脳が活性化しないのでNG

上記の注意事項を踏まえ、さっそく筆者も「20字インプット学習法」を実践してみます!

20字インプット学習法-03

※カラーペンは、赤・青・緑が一緒になった3色ボールペンでもいいと思いますが、上の写真のような「中字・極細ペン」も、太さを使い分けられ便利なのでおすすめです。100円ショップで買えますよ。

手順1:フレームを作成する

筆者の場合は、手元にあったA4のレポート用紙の裏にフレームを作成していきます。フレーム作りは緑のペンで行うとのこと。

できました! 

20字インプット学習法-04

もちろん表計算ソフトを使ったほうが速く作成できます。しかし、定規を使い、測り、計算して線を引く作業は脳を活性化させますし、とても簡単な作業なので、フレームも手書きするのがおすすめです。

フレームの原本は保管し、コピーしたものを実際に使います。

なお、浅田氏の著書『すべての知識を「20字」にまとめる 紙1枚! 独学法』を購入した方は、個人の学習用として活用する場合に限り、フォーマットをダウンロードすることが可能です。

手順2:テーマを決める

フレームが完成したら、日付とテーマを記入します。本から得た情報をまとめるのなら、テーマは本のタイトルでOK。緑のペンで書き込みます。

浅田氏によると、学びたいテーマは何でもよいのだそう。まずは慣れることが大切なので、興味関心のおもむくまま選べばいいとのこと。

筆者は今回、日本を代表する文豪のひとり・芥川龍之介の『トロッコ』を選んでみました。

芥川賞受賞作家でお笑い芸人の又吉直樹さんが、本好きになるキッカケとなった作品であることから、近年『トロッコ』は注目を浴びています。中学校の国語の教科書に採用されていますが、大人も楽しめる作品なのだとか。 

20字インプット学習法-05

手順3:目的を明確にする

フレームのなかの「P?」は、 purpose(目的は?)を意味します。筆者の場合は短編小説『トロッコ』を学ぶ目的を書きます。

浅田氏によれば、目的がハッキリすると、不要な情報をバッサリ捨て、より必要な情報だけをピックアップできるとのこと。 とても重要なので、目的の記入は赤ペンです。

 筆者は「なぜこの作品が大人の心にも響くのか(を)つかむため」としました。『トロッコ』は、心理描写が優れた小説として知られていますが、「心理描写がすごいよ」だけでは本質をつかんだとはいえません。

浅田氏によれば、目的を忘れずに本を読むことが重要なので、明記した「目的」をチラチラ見ながら読書するといいのだそう。では、目的を意識しながら『トロッコ』を読みます。 

20字インプット学習法-06

手順4:キーワードのピックアップ

次に青ペンで、目的の達成に役立つキーワードを書き出し、情報の整理を行います。思い出しながら、あるいは本をパラパラめくりながらでもOK。

ただし、高い集中力を維持するため、あるいは情報量が多すぎて混乱しないように、次のルールを守ります。

  • キーワードのピックアップは10分以内で行う
  • キーワードの書き出しは16個で強制終了

また、16個のマスをすべて埋める必要はありません8個以上埋められたら十分とのことです。 

筆者の場合、以下のようになりました。

20字インプット学習法-07

手順5:グルーピング

そして次が、「考えをまとめる」段階です。同じような意味の言葉に〇をつけたり、線でつないだり、グループにしたり、いくつかの言葉に共通するキーワードを空きスペースに書き込んだりします。 考えをまとめる工程を赤ペンで行いながら、とにかく考え抜きます。

20字インプット学習法-08

手順6:20字にまとめる

こうして徐々に考えがまとまってきたら、最後にとうとう20字にまとめる段階に入ります。もちろんまとめにも赤ペンを使用します。書き込むのは「1Phrase:ワンフレーズ」を意味する「1P?」の部分。つまり、ひとことで言うと? の部分です。

マス目は23文字分あるので、多少の過不足は許容されます。 筆者の場合は以下のようになりました。 

20字インプット学習法-09

なぜ小説『トロッコ』が大人の心にも響くのかをつかもうと、「20字インプット学習法」で考え抜いた結果、『トロッコ』が描くような誰にでもある「幼少時の思い出は、ままならない人生の縮図」(20字)であるから、と本質を見出したわけです。

「20字インプット学習法」をやってみた感想

今回初めて「20字インプット学習法」にチャレンジしてみましたが、短くてわかりやすい情報源を選んだにもかかわらず、とても難しく感じました。

もちろん10分ルールは守りましたが、キーワードのピックアップを何度もやり直し、グルーピングもすぐグチャグチャになってしまうので、何度も書き直すことに……。筆者の場合は、グルーピングしながら要点を別紙に箇条書きしたところ、まとめやすくなりました。

いずれにせよ、おかげで「よく咀嚼(そしゃく)し、考え抜いて学ぶ」のニュアンスが、少しだけつかめた気がします。

20字インプット学習法-10

浅田氏いわく、最初はなかなか難しいけれど、「20字インプット学習法」を繰り返すことで感覚がつかめてくるとのこと。感覚がつかめれば、長く難解な書籍や、複数の情報をまとめること、セミナーの内容を要約することもいずれは可能となるでしょう。規模の大きな展示会だって、上司に聞かれたら「3点に要約すると、〇〇〇、〇〇〇、〇〇〇でした」と、的確に答えられるようになるはずです!

「20字インプット学習法」の注意点

「20字インプット学習法」を行うにあたり重要なのは、「正しいかどうか」ではなく「役に立つかどうかである、とのことです。

“本質をつかむ” ことは、目的にたどり着くことであり、真理にたどり着くことではありません。もしも筆者が、目的にたどり着くことをしっかりと意識せずに『トロッコ』を読んでいたら、要点をまとめるどころか、終点がわからず今もさまよっていることでしょう。

目的を達成できたか」「役に立つかどうか」の判断基準で、20文字に要約する体験を増やすことが大切です。

***
「20字インプット学習法」を繰り返すことにより、頭の中だけで物事を要約するハイレベルなことも可能になるそうですよ。 ぜひ初めての方は筆者のように、気軽に入りやすいテーマから始めてみてくださいね。

(参考)
浅田すぐる(2018),『すべての知識を「20字」にまとめる 紙1枚! 独学法』, SBクリエイティブ.  
朝日新聞デジタル|芥川賞・又吉直樹さん「将来はいつも怖かった」 

【ライタープロフィール】
StudyHacker編集部
皆さまの学びに役立つ情報をお届けします。

会社案内・運営事業

  • スタディーハッカー

    「STUDY SMART」をコンセプトに、学びをもっと合理的でクールなものにできるよう活動する教育ベンチャー。当サイトをはじめ、大学受験の予備校「学び舎東京」「烏丸学び舎」や、英語のパーソナルトレーニング「ENGLISH COMPANY」を運営。
    >> HPはこちら

  • 学び舎東京

    烏丸学び舎

    東京・京都に校舎を構える個別指導の予備校。勉強に過度な精神性をもちこまず、生徒1人1人に合理的な勉強方法を提示することで「東大・医大に合格できた!」「3ヵ月で偏差値が15上がった!」などの成果が続出。
    >> HP(東京校舎)はこちら
    >> HP(京都校舎)はこちら

  • english company

    就活や仕事で英語が必要な方に「わずか90日」という短期間で大幅な英語力アップを提供するサービス。プロのパーソナルトレーナーがマンツーマンで徹底サポートすることで「TOEIC900点突破」「TOEIC400点アップ」などの成果が続出。
    >> HPはこちら