自らの仕事に楽しさややりがいを感じられているかどうかは、人生自体の幸福度に大きく影響してきます。
現代社会では、仕事にやりがいを見出せない、フラストレーションを感じながらも日々の仕事に耐えている、というスタンスの人が多いかもしれません。しかし逆に、仕事で結果を出すビジネスエリートは、その仕事に楽しさを感じているからこそ、いい仕事ができるのです。
では、仕事に楽しさややりがいを感じられている人には、どんな秘密があるのでしょうか。3つの視点から分析してみました。
1. 日々「異質な考え」に出会おうとしている
同じような毎日を繰り返している。いろいろな場所に行って新しいことにトライしている。あなたはどちらに当てはまるでしょうか。
私たちが仕事にうんざりする原因は、同じことばかりに向かうことで視野が狭くなり、新しい刺激や価値観に出会わないことかも。株式会社三越伊勢丹ホールディングス社長を経て、現在は日本空港ビルデング株式会社社長の大西洋氏は、単調な日々を送る人々に警鐘を鳴らしています。
目の前の仕事に集中しようとすればするほど、つき合う人も、ふだん自分の周りにいる人や自分と同じような人間に偏りがちなものです。そして、知らず知らずのうちに会社や業界の論理にとらわれて、それが絶対的な基準になっていく。すると発想も、従来の枠組みを出ない限定的なものになってしまうのです。
(引用元:PHPオンライン衆知|[仕事を楽しむ] 異質なものを受け入れて積極的に変化を求める ※太字は筆者が施した)
代わりに大西氏がすすめているのは、「自分とは異なる人たち」に出会うこと。そうすることで、新たな価値観や考えを吸収できるのです。
古い友人や友人の友人に限らず、SNSで交流のある人など、自分とは違うフィールドで生きている人は探せばたくさんいるはず。そういった人々を、ぜひ思いきって食事に誘い、語り合ってみてください。新しい価値観や考え方に出会い、それまでとは違う見方や発想のもと、仕事に取り組めるようになるかもしれませんよ。
2. 「内発的モチベーション」を高めている
仕事でほめられたり、給料が上がったりすれば、仕事に対するモチベーションが上がり、やりがいも感じられるようになるはず。このように、外からの影響で上がるのが「外発的モチベーション」です。
しかし注意すべきは、自らが何かを達成し、楽しさややりがいを感じることで上がる「内発的モチベーション」も上げなければ、すぐに気持ちはしぼんでしまうということ。内発的モチベーションを上げるのが大事だと話すのは、やまなmental care office代表であり臨床心理士の山名裕子氏です。
テレビ番組に呼ばれる機会があるのですが、時に「心理学の専門家」という自分の範疇を超えたコメントを求められることがあるのです。
範疇外のことなのではじめは躊躇するのですが、思い切って「やらせてください!」と言うようにしています。この言葉でスイッチが入り、範疇外のことも「調べなきゃ」「勉強しなきゃ」という気持ちになれるからです。
(引用元:ダイヤモンド・オンライン|自分にスイッチを入れる魔法の言葉 ※太字は筆者が施した)
外発的モチベーションの要因である「他人からのいい評価」を受けるには、まず成果をあげて内発的モチベーションを高めなければなりません。そして、この内発的モチベーションを高められるかどうかは、自分自身にかかっているのです。
そこで大切なのが、経験がなかったり苦手としていたりすることでも、それらをチャンスと考えて「やらせてください!」と挑戦する姿勢でしょう。たとえば、上司が「このプレゼン誰かお願いします」と募ったとき、思いきって「やらせてください!」と手を挙げてみてください。そうして、自らのやる気を刺激するのです。
結果を恐れず挑戦する姿勢こそ、仕事を楽しくするコツであり、仕事がデキる人になるために必要なものだといえるでしょう。
3.「申し訳ない」という言葉を封印している
ネガティブな思考で消極的に仕事に取り組んでいては、日々が楽しくないだけでなく、いい成果をあげることもできません。しかし、優しく謙虚な人ほど自分を下げてしまい、仕事にも自信を持てていないことが多いもの。
株式会社ハートランド代表で、『もういい人になるのはやめなさい』などの著書がある潮凪洋介氏は、日本人に多い謝り癖について、次のように述べています。
「いい人」は卑屈になりがちです。卑屈になると、謝罪する必然性がない場合でも「申し訳ない」と言ってしまいます。
理由もなく「申し訳ない」と言うのは、惨めなことと認識してください。(中略)プライドを持つための第一歩として、正当な理由のない「申し訳ない」は封印しましょう。
(引用元:プレジデント・オンライン|仕事がデキる人ほど適当に手を抜いている-実は「几帳面」はわずらわしい存在)
すぐに謝っていると、知らずに卑屈な姿勢で仕事をするようになってしまう。そう潮凪氏は指摘します。他人を気遣うつもりでも、謝罪の言葉は自分の価値を自分で下げてしまうのです。
もちろん自分が悪いときには謝るべきですが、お願いをするときや、ミスをフォローしてもらったときには、ぜひ「ありがとうございます」と感謝の言葉を述べてください。自分が、嬉しい・よかったと感じての感謝の言葉は、自分の価値を高め、相手にとっても「必要としてくれている」と信頼できます。
「申し訳ない」を封印し、プライドとポジティブな姿勢を大事にすることが、仕事場でやりがいを失わずに自分らしく活躍するうえで大切なのです。
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今回紹介した3つの内容すべてに共通するのは、能動的に生活をして刺激のある日々を送るという点でしょう。「仕事を頑張らなければ」と強迫観念を持つ必要はありません。自らのやる気を呼び起こすために、チャンスや刺激を探すように心がけてみてください。
(参考)
PHPオンライン衆知|[仕事を楽しむ] 異質なものを受け入れて積極的に変化を求める
ダイヤモンド・オンライン|自分にスイッチを入れる魔法の言葉
プレジデントオンライン|仕事がデキる人ほど適当に手を抜いている-実は「几帳面」はわずらわしい存在
【ライタープロフィール】
武山和正
Webライター。大学ではメディアについて幅広く学び、その後フリーのWebライターとして活動を開始。現在は個人でもブログを執筆・運営するなど日々多くの記事を執筆している。BUMP OF CHICKENとすみっコぐらしが大好き。