〇〇を無視したら勉強はやり抜けない! 社会人の「残念すぎる学習計画」4パターン

勉強に挫折する人の残念な学習計画4パターン01

「資格試験に向けて学習計画を作成したが挫折してしまった」
「計画通りに勉強が進まず、モチベーションが下がってしまう」

このように悩んでいるビジネスパーソンは、学習計画の立て方を見直すとよいかもしれません。今回は、働きながら東大入試に合格した人や、社会人向け勉強法指導者など、ビジネスパーソンの勉強に精通する人たちが注意を促す「残念な学習計画」を4パターンご紹介しましょう。

【1】長期的すぎる学習計画

かなり先の試験日から逆算して、長すぎるスパンで学習計画を立ててしまう人は多いことでしょう。しかし、『30代で人生を逆転させる1日30分勉強法』著者で税理士の石川和男氏は、長いスパンでの綿密な学習計画は立てるべきではないと指摘します。

というのも、長期戦の勉強だと、モチベーションを維持できないから。石川氏いわく、モチベーションは、勉強すると決意して計画を立てているときが最も高く、その後は徐々に低下していったり、やる気に波が生じたりするのだそうです。

これは脳科学の観点からも正しいと言えます。脳神経外科医の菅原道仁氏によれば、脳には本能的に、エネルギーを節約したがる性質があるのだとか。新しく勉強を始めようとしても、達成までに時間がかかる(つまり、エネルギーが必要になる)計画だと、やる気に関わるホルモンである「ドーパミン」が継続して分泌されにくいそうです。

ではどのように計画を立てていくべきなのでしょうか。『30代サラリーマンが1日1時間で東大に合格した 「超」効率勉強法』著者でサラリーマン東大生の松下佳樹氏のやり方がきっと参考になるはずです。

それは、具体的な学習計画は、1週間単位で考えるという方法。松下氏がこの方法をすすめる理由はふたつ。ひとつは、これ以上長いスパンにすると「時間があるときにやればいい」と勉強をあと回しにしがちなため。もうひとつは、急な飲み会や会議といった予定が入っても、週単位なら調整しやすいためです。

松下氏いわく、「1週間=5日」と考えて、5日間トータルの勉強量で学習計画を立てるのがコツだそう。「平日5日間でテキストを100ページ読む」「今週は5日間で2科目分の過去問を解く」という具合です。松下氏自身、5日間で予定の勉強量をこなせなかった場合は残りの2日間で消化し、こなせた場合は「ご褒美」として2日間を休みに充てていたそう。これなら、モチベーションも維持しやすいでしょう。

とはいえ、最終的に達成すべき目標を見据えておくことは大切です。やる気には波があることを見越して、モチベーションが高い最初の段階では、「計画」ではなく「目標」を立てておきましょう。「東大に合格する」「行政書士の資格をとって独立する」といったレベルの目標をあらかじめ明確にしておくことで、気分がのらなくなったときに自分を奮い立たせるきっかけになりますよ。

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【2】毎日均等に長時間を割り振る学習計画

「1日2時間勉強する」などと毎日均等に、かつ長時間の勉強時間を割り振るのは、挫折の原因になりかねない――『一流の学び方』著者で社会人向けに勉強法を提案する清水久三子氏はこう述べます。

なぜなら、特に勉強を始めたばかりの人にとって、毎日長時間の勉強を継続すること自体が難しいから。「残業があって」「ハードワークで疲れたから」と、決めたとおりに勉強できない言い訳をすることで、徐々に勉強から遠ざかってしまうのです。

そこで清水氏は、確実に長時間確保できる日を「集中的に学習する日」とし、そのほかの日は「最低限できればよい日」にするという計画の立て方をすすめています。たとえば、土日は1日5時間、ノー残業デーは1日3時間と集中的に学習して、それ以外の日は1日15分で良しとするのです。

極端に言うと「最低限できればよい日」については1日30秒、テキストを眺めるだけでもかまわないとのこと。「忙しいから」「疲れているから」と言い訳できないくらいにまで、ハードルを低く設定するのがコツだそう。

清水氏によると、まったく勉強できない日が生じるより、わずかでも勉強をしているほうがモチベーションの糸が切れず、結果的に学習の成就率が高まるそうですよ。

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【3】いまの実力を無視した学習計画

「100問解けるだろうと見込んでいたが、予想以上に時間がかかって70問しか解けなかった」

このように、いまの自分の実力を正しく把握しないまま学習計画を立てると挫折する――。そう説くのは、東京大学大学院を修了した株式会社プラスティー教育研究所代表取締役の清水章弘氏です。理由はもちろん、計画通りに達成できない日が続いてしまうから。

そこで、いまの実力を知るために、各タスクにかかる時間を計測してみましょう。これは、資格スクエア代表で『資格試験に「忙しくても受かる人」と「いつも落ちる人」の勉強法』著者の鬼頭政人氏が提案する方法。

たとえば、次のタスクの所要時間をストップウォッチやスマートフォンで計測してみてください。

  • テキストを10ページ読むのにかかる時間 → 例:15分
  • 苦手をノートにまとめるのにかかる時間 → 例:10分
  • 10個新しい用語を覚えるのにかかる時間 → 例:20分
  • 過去問を20問解くのにかかる時間 → 例:20分

ほかにも「長文問題を読むのにかかる時間」や「アプリの一問一答にかかる時間」など、新しい学習を始めたらそのつど計測する癖をつけましょう。また習熟度によってタスクの所要時間は変わるので、定期的にデータをアップデートするとよいとのこと。

鬼頭氏自身もかつて、勉強にかかる時間を計測し、そのタイムをもとに1日の学習計画を分単位で決めていたそうです。

仮に、上述のタイムに基づいて朝6~7時の勉強計画を立てるとしたら、

「6時~6時30分:テキストを20ページ読む」
「6時30分~6時50分:過去問を20問解く」
「6時50分~7時:苦手をノートにまとめる」

といった具合に決めるのです。タスクの所要時間を把握するだけで、学習計画の精度はぐんと高まり、達成が容易になりますよ。

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【4】「計画は狂う」と想定していない学習計画

「勉強を途中でやめてしまう人は、『学習計画は変えられないものだ』と硬直的に考える傾向にある」と、鬼頭氏は言います。一方で勉強をやり遂げられる人は、「学習計画は狂うもの」と考えるので、進捗が遅れても柔軟な対応ができるそうです。

計画の遅れに柔軟に対応するための、最も簡単かつ効果的な方法は、バッファ(予備時間)を用意することです。鬼頭氏の場合は、日曜の17時以降は新しい勉強をせず、予備時間に充てていたのだそう。特定の曜日に絞らず、「毎日22時以降は予備時間にして、進捗が遅れている場合には勉強する」とルール化することもできるでしょう。いずれにしても、進捗の遅れは早めに取り戻すことが重要だと鬼頭氏は説きます。

また『深夜12時過ぎまで働くサラリーマンでも難関資格が取れる勉強法』著者で、自身も行政書士などの難関資格を多数保持する山田浩司氏は、「1週間でやるべきことは、その週のうちにやり遂げるべきだ」と言います。やり残しを翌週にもち越すと、翌週の時間を圧迫してしまい、それが積み重なると最終的に計画が破綻する恐れがあるからです。この考え方は、先にお伝えした「1週間=5日」と考える計画法と同じですね。

進捗の大幅な遅れを防ぐことは、モチベーション維持の観点からも大切です。前出の菅原氏によると、ドーパミンを分泌させるには、きっかけとして「できる」と自分自身で思うことが重要なのだそうです。逆に「できる」と思えないほど進捗が遅れてしまうと、ドーパミン分泌が妨げられる可能性があります。そうならないためにも、学習計画にはバッファを組み込んで、こまめに遅れを取り戻せるようにしておきましょう。

***
学習計画のつくり方を変えるとスムーズに勉強が進み、高いモチベーションを維持できます。ぜひ、ご自身に当てはまるパターンを参考に計画を見直してみましょう。

(参考)
リクナビNEXTジャーナル|資格を取る!と決めたら、こう計画せよー「資格の大原」講師が熱弁
松下佳樹 (2021), 『30代サラリーマンが1日1時間で東大に合格した 「超」効率勉強法』, 彩図社.
菅原道仁 (2018), 『なぜ、脳はそれを嫌がるのか? 』, サンマーク出版.
清水久三子 (2017), 『一流の学び方―知識&スキルを最速で身につけ稼ぎにつなげる大人の勉強法』, 東洋経済新報社.
清水章弘 (2013), 『ビジネスでも、資格取得でもすごい効果! 現役東大生がこっそりやっている、頭がよくなる勉強法』, PHP研究所.
鬼頭政人 (2016), 『資格試験に「忙しくても受かる人」と「いつも落ちる人」の勉強法』, 大和書房.
東洋経済オンライン|その「勉強計画」が君にとって無意味なワケ
ITmedia エンタープライズ|バッファ管理で、想定外のトラブルを乗り切る――スケジュール管理の手順を図解する
山田浩司 (2015), 『深夜12時過ぎまで働くサラリーマンでも難関資格が取れる勉強法』, 幻冬舎.

【ライタープロフィール】
かのえ かな
大学では西洋史を専攻。社会人の資格勉強に関心があり、自身も一般用医薬品に関わる登録販売者試験に合格した。教養を高めるための学び直しにも意欲があり、ビジネス書、歴史書など毎月20冊以上読む。豊富な執筆経験を通じて得た読書法の知識を原動力に、多読習慣を続けている。

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