脳が疲れたら言ってみて。とても短い「4つの言葉」で、余裕が生まれて気分が軽くなる!

カフェで頭を抱えるビジネスパーソンあるいは学生。脳疲労に陥っている

人間関係などの日常的なストレスや、情報過多社会で生じるストレスにさらされ、人々の脳はとても疲れているそうです。今回紹介する4つの言葉で、脳の緊張を和らげてあげましょう。

1.「肩に力が入っていますよー」

脳疲労という概念は、1991年に九州大学名誉教授の藤野武彦氏によって提唱されました。過度のストレス状態が続き、脳内での情報処理や伝達などが十分にできなくなってしまう状態を指すそうです。藤野氏によると、不安こそが「脳疲労」最大の原因なのだとか。

また、順天堂大学医学部教授の小林弘幸氏は、重篤な病を引き起こしかねない “不安の放置” に警鐘を鳴らし、不安対策として「肩の力を抜く方法」を学ぶようすすめています。

一方で行政書士の松﨑豊氏は、“モタさん” の愛称で知られる精神科医・随筆家の斎藤茂太氏が残した、こんな名言を紹介していました。

「苦労から抜け出したいなら、肩の力を抜くことを覚えなさい――」

(引用元:【マイベストプロ埼玉】 - 朝日新聞|終活へ~中高年のための生き方名言291 「老いへのケジメ」 斎藤茂太(モタさん/医学博士)の言葉 -「ケジメ」の実行が「生涯現役」となる

このように、肩の力を抜いて不安を緩和することが、苦労や脳疲労からの脱出を助けるなら、ときどきは「肩に力が入っていますよー」と、親切な隣人のごとく自分に語りかけるのもいいかもしれません。

実際にやってみたところ、肩に力が入っていること――いわゆる緊張をともない何かに集中しすぎていることを客観的にとらえられたので、状況を改善しやすくなりました。

2.「考えるな、感じろ」

千葉市にある「ありす薬局」は同サイト内のコラムで、脳疲労の主な原因のひとつに「情報過多」を挙げています。パソコンやスマートフォン、タブレットなどを使用しているかぎり、私たちの脳には不可抗力で莫大な情報量が入ってきてしまいます。それらの処理が追いつかず、脳がパンク状態になると、脳疲労が引き起こされるのだとか。

前出の藤野氏は、不安こそ脳疲労の最大の原因だと述べました。情報過多社会は人々に、「速く処理しなきゃ」「まだたくさんある」「見逃していないだろうか」「ついていけない」「どうしよう」などといった、不安をもたらす要因とも言えます。

とはいえ現代に生きるビジネスパーソンが、この状況から逃れるのは不可能です。だからこそ、時には映画史に残るカンフーアクションの傑作『燃えよドラゴン(1973)』で、主役のブルース・リー氏が言ったセリフ――「考えるな、感じろ」という言葉を自分に投げかけてみてください。目の前の情報を、考えすぎることなくパッパパッパと直感&直観で取捨選択していくイメージです。

そう述べる根拠は、オランダ・ラドバウド大学教授で心理学者のダイクスターハウス氏らが行なった、中古車を使った実験にあります。(これがお買い得かどうか)考える時間をたっぷり与えられたグループより、考える時間を奪われたグループのほうが、正しい答えを出せたのだとか。考える時間が限られたことで不要な情報が排除され、重要な情報だけに集中できたのではないかと、研究者らは分析しているそうです。

ブルース・リー氏が放ったセリフ「考えるな、感じろ」と、上記の研究を例に挙げた、明治大学教授で言語学者の堀田秀吾氏は、情報過多な時代をストレスフリーで生きるには、ひらめきの「直感」と、経験の積み重ねが培う「直観」が大事だと伝えています。考えすぎは禁物ですね。

直感&直感で情報を選別している人物のイメージ

3.「まいっか」

臨床医として日米で長いキャリアをもつ精神科医の久賀谷亮氏は、著書『ロスの精神科医が教える 科学的に正しい 疲労回復最強の教科書』(SBクリエイティブ)のなかで、脳に負荷を与え続けているデジタル社会の「脳疲労」が、もはや深刻な状態であると告げています。脳にはもう余裕などないとのこと。

久賀谷氏によれば、そうしたなかでも苦難を乗り越えられた人々が、ふと口にしていたのは「まいっか」という言葉なのだとか。この言葉が示すのは完全主義からの脱却であり、いまの自分を受け入れたことでもあると同氏は言います。完璧であることを求めなければ、脳が鎮まって余裕も生まれるとのこと。

同じく精神科医の樺沢紫苑氏も自身のYouTubeチャンネルで、「まっ、いいか!」と声に出して言うことで、完璧主義的な感情が打ち消され、気分が軽くなると伝えています。

「ま、いいか」が口癖の若い実業家

4.「楽観は、客観だよね?」

最後は再び、モタさんこと斎藤茂太氏による次の言葉を参考にします。

「――楽観的になりたいなら、客観的になることだ」

(引用元:【マイベストプロ神戸】 - 神戸新聞社|ちょっといい言葉<181> 「楽観的になりたいなら、 客観的になることだ」

ストレスや情報過多で、脳が疲れている自分に「もっと楽観的になれ」と言い聞かせても、なかなか簡単にはいきません。しかし、まるで他人事のように「楽観は、客観だよね?」と自分に問いかけてみれば、違う視点に切り替えるスイッチになるのではないでしょうか。

上記の言葉を紹介している臨床心理士の岸井謙児氏によれば、哲学者アラン(エミール=オーギュスト・シャルティエ)は「悲観主義は気分、楽観主義は意思」と説いたとか。「あーあ、情報インプットしすぎ。今日はもうやめやめ!」などと自分を客観視して行動につなげ、意思をもって楽観的になりましょう!

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脳が疲れたらぜひ言ってみてほしい4つの言葉を紹介しました。ただ、短い言葉を発するだけです。ぜひお試しくださいね。

(参考)
【マイベストプロ埼玉】 - 朝日新聞|終活へ~中高年のための生き方名言291 「老いへのケジメ」 斎藤茂太(モタさん/医学博士)の言葉 -「ケジメ」の実行が「生涯現役」となる
【マイベストプロ神戸】 - 神戸新聞社|ちょっといい言葉<181> 「楽観的になりたいなら、 客観的になることだ」
SankeiBiz|【社長を目指す方程式】非常事態下だからこそ…“戦略的”気抜き・いい加減のススメ
ありす薬局|脳の疲労は危険のサイン?脳が疲れることでどのような症状を招くのか解説!
TSUTAYA(2011),『OTONA TSUTAYA 365』,カルチュア・コンビニエンス・クラブ株式会社.
新刊JP|精神科医が伝授。余裕のない毎日で疲労した脳の中にスペースを作り出す方法
日刊ゲンダイヘルスケア|直感&直観が大事!「考えるな、感じろ」は侮れない
YouTube|たった一言で「完璧主義」を直す方法【精神科医・樺沢紫苑】
東洋経済オンライン|「肩に力が入る」生活こそ不調をもたらす根本原因
AMC健康成分ラボ|Vol.02 脳疲労の解消が健康回復の鍵

【ライタープロフィール】
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