雨の日にはなんだか気分が乗らなくて、何もしたくなくなってしまいませんか? なんとなく憂鬱な感じがして、勉強する気が起きない。そんな気持ちになったことがある人は多いと思います。平日はまだしも、せっかくの休日に雨が降っていると、なんだか損した気分になってしまいがちです。
しかし、天気がどうあれ、課題があるときやテスト前などには、勉強しなければならないことには変わりがありません。ならば雨の日でも前向きに勉強に取り組みたいですよね。
実は、雨の日ほど勉強が捗る日はないのです。
今回は雨の日に勉強することのメリットと、それを活かしたサービスを紹介します。
晴れの日より雨の日の方が、記憶力と注意力があがる
オーストラリアのニューサウスウェルス大学の研究で、雨の日の方が記憶力・注意力が上昇することが明らかになりました。
実験では、店の中に小物を複数設置し、客が店から出てくるたびに、店の中に何が置いてあったのか質問しました。すると、客の回答の正答率は、雨の日の方が晴れの日よりも3倍ほど高かったそうなのです。
この結果から、雨天に起因する暗い雰囲気や気分により、私たちの記憶力や注意力は上昇することがわかりました。
雨の日は、気分はなんとなく憂鬱でも、外に遊びに行けるわけでもないため意外と勉強に集中できる、というイメージがありませんか? 実は、このイメージは正しかったのです。
環境音により、集中力があがる
アメリカのイリノイ大学の研究によって、無音~50デシベル程度しか音が聞こえない静かな環境よりも、70デシベル程度の雑音に囲まれた環境の方が、人間の脳は効率よく働くことがわかっています。
皆さんのなかにも、家で静かに勉強するより、少しざわざわしているカフェやファミレスの方が、集中して勉強できるという人はいるでしょう。
ちなみに、雨の音で70デシベル程度というと、住宅街で聞くやや強い雨の音と同じくらい。
雨の日に雨音を聞きながら勉強をすることは、効率よく学習する助けとなるのです。
勉強におすすめの雨音サイト
以上のような研究結果により、雨の日ほど勉強が捗る日がないことがわかりましたね。
ただ、梅雨や秋の長雨の時期でもない限り、雨が毎日降るということはありえません。そのせいか、インターネット上には作業用BGMとして雨音が聞けるという便利なウェブサイトが存在します。
今回はその中から、私の個人的なお気に入りを3種類紹介しましょう。
■ Rainy Mood
こちらは室内で雨の音を聞いているという設定で、雨音が流れてきます。
シンプルに雨の音しか存在しないため、他の何も耳に入れず集中したいという人にはぴったりです。
■ JAZZ and RAIN
雨の音にジャズが加わったのがこちらのサイトです。
雨音だけでは少し寂しい、何かに乗りながら集中したいという人におすすめです。
ジャズはインストゥルメンタルなのかボーカルなのか、好きな方を選択することができます。
■ Rainy Cafe
ジャズの代わりにカフェの雑音が聞こえます。
個人的にはリラックスかつ集中できる環境として最適だと思っているのが雨の日のカフェなので、私が特によく利用しているサイトです。
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脳の働きから考えると、意外にも、気分が晴れやかな時よりも雨で少し沈んでいる方が良いのです。
確かに、私の過去の勉強を振り返ってみると、雨の日には集中して勉強していたような記憶があります。
みなさんも雨の日には無理して外出せずに、家のなかで雨音を聞きながら、まったり作業に励んではいかがでしょうか。
(参考)
Forgas, Joseph P., Liz Goldenberg and Christian Unkelbach (2009),"Can bad weather improve your memory? An unobtrusive field study of natural mood effects on real-life memory," Journal of Experimental Social Psychology, Vol.45, pp.254-257.
Mehta, Ravi, Rui (Juliet) Zhu and Amar Cheema (2012), "Is Noise Always Bad? Exploring the Effects of Ambient Noise on Creative Cognition", Journal of Consumer Research, Vol. 39, No. 4, pp.784-799.
上田麻理, 豊田信之, 岩宮眞一郎 (2005),「雨音が視覚障害者の歩行に及ぼす影響」, 日本騒音制御工学会秋季研究発表会講演論文集, pp.245-248.