みなさんは、普段から本を読んでいますか? 先日、第155回芥川賞と直木賞が発表されたことで、その作品を読んでみようと思っている方も多いと思います。しかし、これを機にもっと本を読んでみようと思っても、“新しい本を選ぶ”というのは少々骨の折れる作業で諦めてしまうこともあるのではないでしょうか。
私は、東野圭吾さんと宮部みゆきさんが好きなので彼らの作品はたくさん読んでいますが、他の作家の作品が読みたいと思うことが多々あります。
ただ、名前も聞いたことがない小説の中から1冊を選ぶというのは、決め手に欠けて容易ではありません。迷った挙句に何も買えない、ということもしばしば。
そんな新しい本選びもちょっとコツを掴めば気軽に、そして簡単にできるようになるのです。今回は、迷わない本選びの方法をお教えします。
読書=実体験
「読書なんてめんどくさい」と思っている方、ちょっと待ってください。読書には、脳を刺激して活性化させる効果があるのを知っていますか?
アメリカ・ジョージア州のエモリー大学の研究によると、人は小説を読んでいる時、その主人公と同じ体験をしているかのように脳が反応しているのだとか。 例えば、主人公が怒りを覚える場面で脳は怒りを覚え、達成感に満ち溢れている時は達成感を感じているということ。つまり、読書の数はそのまま体験の数につながるのです。
近年、スマホが普及してからというもの、出版業界の売り上げは減少傾向にあり、本を読まない人が増えています。 スマホから得る情報というのは、片手間に見られるように短くまとめられているものがほとんどで、読書をした時に得られる脳の体験をすることは難しいのです。
読書をして主人公に感情移入することが、そのままあなたの体験となり、糧となるのです。
本屋に足を運ぼう
ネット検索することはとても便利なので、本を探す時もまずは検索からという方も多いのではないでしょうか。 しかし、こと新しい小説を探したいのであればネットは使うべきではありません。なぜなら、ネットの検索で得られる選択肢は有限のものだからです。
例えば、「推理小説 おすすめ」というワードで検索すると、おすすめの小説をまとめたようなサイトが出てくることが多いのですが、この方法だと世間で話題になっているものにしか触れることができません。
ゆえに、ネットの検索では未知の作品に出会うことはなかなか難しいのです。
それに対し、本屋には見知らぬ作品がずらりと並べられています。もちろん無限とまではいきませんが、あれだけの情報の中から選べば、あなたの知らない世界がそこにあることは間違いなしです。
先ほど述べたように、未知の小説はそのまま未知の体験へとつながります。本屋へ行くことは、未知の体験を得るための必須事項なのです。
たくさんの中から1冊を選ぶ方法
しかし、本屋の中には知らない作品が多すぎます。いざ選ぼうとするとどれも決め手に欠けて、なかなか選び抜くことができません。そういった場合は、どう選んだらよいでしょうか?
私がおすすめする方法は、「作家の頭文字を決めてしまうこと」です。
人間は、情報が多すぎても少なすぎても決断力を欠いてしまうといわれています。そして、一番決断しやすい数というのが、7±2個の範囲だそうです。候補をこの程度の数に絞ってあげると選びやすくなります。
本屋では作家ごとに50音順に並べられているので、例えば「き」から始まる作家の本を選べば候補がぐっと絞られますよね。
作家を決めたら、次にその中から1冊を選びます。この手順を踏むと、簡単な決断の繰り返しで1冊の本にたどり着くことができるでしょう。
好きな作家の作品ばかり読んでいると、同じジャンルの本を読むことになりますよね。私は推理小説が好きなのでそればかり読んでしまうため、飽きてしまうことがあります。 そんな時は、意識してジャンルを変えて、好きなジャンルのマンネリ化も防ぎましょう。
また、この選び方は本に限らずあらゆる物選びに使えます。プレゼントを買う時、ゲームを買う時など、迷った時は決断しやすい個数に候補を絞ってあげるとよいでしょう。
*** いかがでしょうか? 新しい本を読むこと、そのハードルはもう取り払われたも同然です。 最近では、Kindleや楽天Koboなど電子書籍リーダーが充実し、電子書籍化も進んでいます。本屋でお気に入りの1冊を見つけたら、電子書籍で購入するという方法もあります。また、電子書籍を貸し出すなど設備が充実した図書館も増えてきたので、購入でさえハードルが高いという方は、図書館で借りるところから始めてみるのもいいかもしれませんね。
(参考) NTTコム リサーチ|日本人の読書離れは進んでいるのか カラパイア|人は小説を読むことで、脳に長期的な影響を与えることが判明(米研究) 日経ウーマンオンライン|選択肢を○個に絞ると人はストレスなく買い物できる