運動が脳の前頭前野を活性化させるという学説が広まり、最近はジョギングやジム通いに励むビジネスパーソンが増えています。前頭前野は仕事力を高めてくれる大切な場所。同じ理由で読書を取り入れている方も多いでしょう。でも、実は、ネコと遊んでも同じ効果があるのです。

脳の前頭前野について

前頭前野」は脳の前頭葉の前側にある領域のこと。この部分が活性化されると、記憶力・集中力・判断力が向上するといわれています。前頭前野はワーキングメモリや、計画、推論、高次な情動、動機づけ、それに基づく意思決定のほか、社会的行動、葛藤の解決などを担っている場所です。

ちなみに、「ワーキングメモリ」は作業記憶・作動記憶とも呼ばれる、情報を一時的に保持し処理する能力のこと。会話や読み書き、計算などの基礎となります。つまり、この部分がうまく働かないと知的かつ理性的な行動ができなくなってしまうのです。

だからこそ、この前頭前野を鍛えようと運動に精を出すビジネスパーソンが増えているのですが、たまにはネコなんかに癒されてもいいかもしれませんよ。なぜならば、その行動も脳の前頭前野を活性化してくれるからです。

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ペットとの生活が脳の前頭前野を強化する

ネコのツンデレで脳が活性化

東京農業大学農学部バイオセラピー学科動物介在療法学研究室准教授の内山秀彦氏ら研究グループは、人が動物とふれあった際の脳の変化を、「光イメージング脳機能測定装置」を使って調べたそう。すると、イヌよりもネコとふれあったときのほうが、2倍近く脳の活動が高まったのだとか。しかも、ネコが言うことを聞いたときではなく、聞かなかなかったときのほうが、より脳が活発になったそうです。

この研究対象のネコやイヌを飼っていた経験の有無、好き嫌いの程度などは分かりませんが、活発に動いた脳の領域は、先述した前頭前野という場所です。

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ネコと暮らすと死亡率が減る!?

また、アメリカのミネソタ大学の研究によれば、ネコと暮らすと、暮らさないよりも心筋梗塞などで亡くなる確率が40%も低くなると分かったそうです。4000人を超える男女を「ネコと暮らしているグループ」と「ネコと暮らしていないグループ」でおおむね半数に分け、13年にわたって追跡調査した結果です。

そのほかにも、メルボルン大学のハーディー博士がドイツやオーストラリアなど数か国で行った調査によると、ペットと暮らしている人は、ペットのいない人に比べて、病院に通う回数が15~20%も少なかったそうです。同氏の試算では、これによりドイツが約7500億円、オーストラリアが約3000億円の医療費削減効果があるのだとか。

これについて内山秀彦氏は、このように語っています。

人はストレスを感じると恐怖や不安に関与する脳の扁桃体が反応します。それが長く続くと反応が過剰になり、強く持続的なストレス反応が起こるため、心筋梗塞や脳卒中などの引き金となるそう。その扁桃体の興奮を抑えるのが、ネコとふれあうと活発に活動する前頭前野というわけです。

飼い主に必要な条件とは

しかし、「動物は苦手だが、脳を活性化してくれるならペットを飼おう!」という発想はおすすめしません。日本動物愛護協会では「飼い主に必要な条件」として、以下の10項目を挙げています。ペットを飼うということは、「命を引き受ける」ことなのです。

1.ペットを飼える住宅に住んでいる
2.家族全員からペットを飼う合意がある
3.動物アレルギーがない
4.ペットの寿命まで飼育する覚悟がある
5.世話をする体力があり、その時間もつくれる
6.高齢になったペットの介護をする心構えがある
7.経済的負担があることを考慮している
8.しつけと周囲への配慮ができる
9.引っ越しや転勤の際にも継続飼育する覚悟がある
10.飼えなくなった場合の受け皿も考えられている

でも大丈夫ですよ。もしも上記の10項目をクリアできず、ペットを飼うことができないとしても、ネコや動物たちとふれあえる方法はたくさんあります。

アニマルカフェやロボットでもOK

「ネコカフェ」や「イヌカフェ」のほか、「うさぎカフェ」から「鳥カフェ」、「爬虫類カフェ」に「ペンギンのいるBAR」まで、昨今はさまざまなアニマルカフェがオープンしています。飼うことは難しいという方は、アニマルカフェに足を運んでみるのもいいかもしれません。

また、本物のように毛がフサフサしたネコやイヌのロボットも発売されています。過去にペットを飼育していた人や、ネコ好き、イヌ好きの人を対象にした測定ではありますが、こちらでも前頭前野が活性化すると確認されています。

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たまには動物に癒されながら脳を活性化して、記憶力・集中力・判断力を向上させてしまいましょう!

(参考)
ケンカツ!|【なぜ猫に癒されるのか】ネコと暮らせば心筋梗塞の死亡率が下がる!脳が活性化すると実験で判明
信濃毎日新聞松本専売所|新聞の音読|子どもの脳力を伸ばす
脳科学辞典|前頭前野
児童・生徒のワーキングメモリと学習支援(広島大学)|「ワーキングメモリ」とは
公益財団法人 日本動物愛護協会|飼い主に必要な10の条件
WIRED.jp|脳を活性化する猫のペットロボット セガトイズ