人の認知に訴えかけるとうまくいく、不調をきたした人間関係を改善する意外なコツ【中野信子『カリスマの言葉』第12回】

「人間関係が最近あまりうまくいっていない」と感じながらも、さしたる原因も見当たらない……というとき、もしかしたら意外なところに原因が潜んでいるかもしれません。

脳科学者の中野信子さんによると、それはあなた自身の「外見」が原因である場合があるそうです。あるエピソードとともに、人の認知や判断に大きな影響を与える外見の大切さについてご紹介します。

【格言】 あの人があなたのことを大事に扱ってくれないのは、 あなたの身なりに問題があるからかもしれません

新潟県上越市の道路沿いに、高さ50センチほどの真っ赤な鳥居が建てられています。じつはこの鳥居、宗教的な意味はなくゴミの不法投棄に悩んだ地域の人たちが自主的に建てたものです。

ゴミを捨てようとしたときに神聖な鳥居が目に入ることで、「そんなことをしては罰が当たる」という気持ちになるのを期待したと言います。

実際に、この鳥居によってゴミの不法投棄は減ったそう。もともと神聖であるかどうかに関係なく、「神聖です」という印をつけるだけで人はそう判断するということです。

このことが証明しているように、外に現れているかたちは非常に大事なもの。きちんとした身なりをしていれば、「きちんとした人だ」と大切に扱われ、逆であれば粗末に扱われます。

人は案外、内面など深く見てはいないのです。

【プロフィール】 中野信子(なかの・のぶこ) 1975年、東京都に生まれる。東京大学工学部卒業後、同大学院医学系研究科修了、脳神経医学博士号取得。脳科学者・医学博士・認知科学者として横浜市立大学、東日本国際大学などで教鞭を執る。脳科学や心理学の知見を生かし、マスメディアにおいても社会現象や事件に対する解説やコメント活動を行っている。レギュラー番組として『ワイド!スクランブル』(テレビ朝日系/毎週木曜コメンテーター)『英雄たちの選択』(NHK BS プレミアム)『有吉ゼミ』(日本テレビ系)、近著に『サイコパス』(文藝春秋)、『ヒトは「いじめ」をやめられない』(小学館)などがある。

Photo◎佐藤克秋

*** かつてアメリカでも「割れ窓理論」という、ある建物の窓ガラスを割れたまま放置していると、他の窓も次々と割られていく現象が実験で報告されています。その例を見てもわかるように、人は「外に現れているかたち」に大きな影響を受けながら判断をくだしているのですね。

もし、最近「人間関係がぎくしゃくしているな」と感じているなら、他人のなかに原因を探る前に、まず自分の外見をていねいにチェックすることからはじめてみてはどうでしょうか。不調をきたした人間関係が解決するかもしれません。

■中野信子さん『カリスマの言葉』一覧はこちら nakano-ver1

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