予習、授業、復習。このサイクルを守ることが、学力をつけるには必要です。予習で疑問点を把握し、授業でその疑問点を解決し、復習で知識を定着させる。このサイクルで最も重要なのが、復習であると言われています。
しかし、効果的に復習をするのはとても難しいということを、多くの人が感じてきたことでしょう。「エビングハウスの忘却曲線を意識して、タイミングよく復習しよう」「憶えたいことをもう一度インプットするには寝る前15分が最適」と聞いては、実践してみた人は少なくないと思います。
たしかに、これらの方法は効果的でしょう。しかし、非常に手間がかかります。そのため、勉強することが増えていくうちに復習サイクルを保つのが難しくなったり、復習に力をいれるぶん、新しく知識をインプット・アウトプットする時間が短くなったりしてしまいます。
そこでこの記事では、筆者のようにずぼらな人間でも簡単に取り組める、「A4のコピー用紙を使った超効率的な復習方法」を紹介しましょう。
なぜコピー用紙?
最初に、コピー用紙を使って復習するメリットをお伝えしましょう。
1. 圧倒的なコストパフォーマンス
なんといっても、1枚当たりの値段が安いのがメリットです。事務用品店に行けば、500枚入りを400円ほどで買うことができます。ルーズリーフを使った復習法も世のなかにはありますが、ルーズリーフは100枚で300円ほどしてしまうもの。性能も対して変わりありません。それに比べコピー用紙は、とてもコストパフォマンスが高いのです。
2. 自由度が高い
コピー用紙は、線も枠もない真っ白な紙なので、文字のサイズを好きに変えたり、図形を自由に書いたりできます。無地のコピー用紙なら、罫線などを気にせず、スピーディーに情報を書き写すことができるのです。
コピー用紙をどう使う?
コピー用紙の利点がわかったところで、次に使い方を見ていきます。これが、効率的な復習を行なうのに大事な準備段階です。
ここで新しく用意してほしいものは、先ほどのコピー用紙と、クリアファイル(科目の数だけ)。用意できたら、その日に新しく学んだことをコピー用紙に書いていくだけです。
コピー用紙を使って復習を効率化するには、3つのポイントを押さえてください。
1. 片面だけ使う
このことが、実際に復習をする段階できわめて重要になります。詳しくは次の項目で紹介しましょう。
2. 覚えたいポイントは、1枚につき1つに絞る
たとえば、「政治の形態」というテーマの授業で、自由主義・民主主義・独裁主義の3つが説明されたとします。そうしたら、1枚の紙には「自由主義」と話題をひとつだけ書くのです。コピー用紙はたっぷりあります。惜しまず、ポイントごとに分けて書きましょう。
3. できるだけ簡潔に書く
このコピー用紙は、復習の際に見直すことになります。そのとき、すぐに内容が理解できるよう、できるだけ簡潔に書きましょう。先ほど、1枚の紙にテーマはひとつだけと書きました。ひとつに絞ってもさらに項目が分かれるなら、1枚にまとまるくらいの量になるよう、情報を分割しましょう。また、用紙には、通し番号を振っておいてください。
効率的な復習の手順とは?
さあ、ここからが復習の本番です。クリアファイルを使って用紙をまとめ、復習する手順を紹介しましょう。
クリアファイルの使い方
やり方はシンプル。ひとつの科目にひとつのクリアファイルを用意し、通し番号の順に上から重ね、用紙をクリアファイルに入れていくだけです。
復習の手順
まず、ファイルに入っている紙をすべて取り出し、上から順番に見ていきましょう。内容をぱっと思い出せないもの、まだ理解できていないものを見つけたら、その紙を抜き出してください。
ファイル中の紙を見終わったら、抜き出した紙を一番上にして、ファイルにしまいましょう。こうすると、インプットが不正確な部分、つまり復習の優先順位の高い情報が上に来るのです。
あとは、優先順に従って復習を行なうだけ。
コピー用紙を使って復習するメリット
優先的に復習すべき内容がはっきりしているので、テスト前などに重点的に見直すべき部分が一目瞭然です。時間をかける必要のない箇所に時間をかけ、本当に復習が必要だった箇所を復習できなかった、という事態を防げます。
また、コピー用紙の入ったクリアファイルさえあればいいので、かさばりません。1枚のコピー用紙にポイントがまとめられているので、時間のないときでも「とりあえずこの1枚だけ」と復習できます。とても効率的ですね。
さらに、紙には通し番号が振ってあるので、復習が終わったら番号順に戻せばいいし、連続した内容を確認するのにも役立ちます。
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授業の復習だけでなく、資格試験の勉強などにも使えるのではないかと思います。
勉強時間は限られるもの。この、まったく新しい方法を使い、優先順位の高いものから集中的につぶして、実りある復習をしてみてはいかがでしょうか。
(参考)
野口悠紀雄(1993),『「超」整理法 情報検索と発想の新システム』, 中央公論社.
野口悠紀雄(2015),『「超」集中法 成功するのは2割を制する人』, 講談社.
高橋政史(2011),『すべての仕事を紙1枚にまとめてしまう整理術』, クロスメディア・パブリッシング.