「読書なんてしなくても特に困らない」からこそ、読書をすれば圧倒的に優位に立てる。

「ビジネス書を読んでも、実践に活かせない」「結局、本なんて役に立たないのではないか」

そんな風に思ってしまったことはありませんか? でも、もちろん本がなんの役にも立たないわけはありません。もしそうなら、こんなにもたくさんの本が書店に並べられることはないでしょう。

大切なのは、読んだ本の「活かし方」をしっかりと身につけておくこと。それさえできれば、世の中にある無限とも思えるノウハウはあなたのものになります。

「知らない武器」の存在を知るための読書

「本なんて読んでも無駄だ。実践で学ぶべきだ」という人がいます。確かに、本からだけでは学べないこともたくさんありますが、それは「本が無駄だ」ということと同じことではありません。本からしか得られないような知識もありますし、そもそも本の内容を活かせないのは読者が活かし方を知らないだけだという可能性さえあります。

ただ、実は本から知識を得なくても、たいていのことはなんとかなってしまいます。みなさんのまわりにも「1年に1冊も本を読まない」なんて人もたくさんいるでしょう。彼らだって、普通に日常を過ごしているはず。何も困ってはいなさそうです。でも、それこそが落とし穴なのです。本の重要性は「知らなくてもなんとかなるけれど、知っていると圧倒的に差をつけられる知識」が収められているということなのです。

たとえば、勉強法。勉強法について真剣に学んだり知識を得ようとしなくても、普通はなんとかなります。学校で基本のやりかたを教えてくれたり、塾などでもう少し細かく具体的に習ったりしますから。勉強法について、曖昧でうっすらとした知識しかないとしても、特に困ったりはしないはずです。

でも、もし勉強法についての本を数冊読み、最新の教育工学や記憶のメカニズムについての知見を得るとどうなるでしょう。効率があがるはずですよね。 たとえば、「何度も書いておぼえなさい」としか言われなかったた英単語の覚え方も、本を読めば「忘却曲線」やその活かし方、覚えるのに効果的な時間帯、音読の効果やそれが有効な場面など様々なことを知ることができるはずです。

「何度も書く」という方法しか知らない人が非効率な方法で時間をかけて覚え、すぐに忘れてしまう一方で、忘却曲線を活かした勉強法など効率的な方法を取り入れた人が短期間で長期にわたって忘れにくい記憶を手に入れるということが起こります。

「知らないままでなんとかなる」という状況はいちばん怖いものです。いまの状況に問題がある、ということに気がつくためには外部からの知識が不可欠なもの。そしてその外部からの知識を得るためには、本はとても効果的なツールです。周りの人に聞いたり、インターネットで情報収集しても良いけれど、本のようにまとまった形で知識を仕入れることは難しいことでしょう。

本を読むことは、「今まで存在すら知らなかった武器を手に入れること」であり「いまの状況に問題があることに気づけるようになること」なのです。

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読書を活かす効果的な方法

読書の価値がわかったところで、実際に本の知識を実践にうつすためのひとつの方法をご紹介します。 例として、資格試験勉強中のビジネスパーソンが「読書によって『忘却直線に沿って勉強する』という方法を知り、それを行動に移すまで」を3ステップで説明しましょう。

ちなみに、「忘却曲線」とは、心理学者のヘルマン・エビングハウスが行った実験結果をグラフ化したもの。実験により、何かを記憶した直後は急激に忘れ、そのあとは緩やかに忘れていくことが確認されています。これは、復習を行うタイミングによって、記憶の効率があがるということを示唆しています。

1.30分の制限時間つきで読む

読書の習慣がない人にとって、そもそも「本を読む」ということそのものがハードルの高いものです。まずは、少なくてもいいので、時間を決めて読み始めましょう。最初は15分とか30分でも構いません。まずは読書を習慣にしてしまうところから始めます。

たとえばあるテーマについて、3時間程度で読み終える本が3冊あるとします。全部で3時間×3冊で、9時間の読書時間がかかることになります。一度に9時間と考えると大変ですが、1日30分の読書時間をとれば18日で3冊の本を読み終えることになります。

同じテーマについて、3冊も本を読めば基礎的な知識については頭に入り、理解もすすんでいるはずです。このステップで、「資格試験に合格するための勉強法」について多くのことを学び、18日前とはまるで違う効率的な勉強ができる状態になっていることでしょう。

もういちど言いますが、コツは制限時間を設けること。読書は「継続的に行うこと」が重要で、「継続」のためにはハードルを下げておくことが重要です。欲張らずに、まずは習慣化そのものを目標にするくらいでいきましょう。

 

2.自分の身に置き換えてみる

次に、本から得た知識のどの部分が、何を自分にもたらしてくれるかを考えてみましょう。「考える」というプロセスです。

漫然と、ただ受け身で知識を入れているのではただの「勉強法マニア」に陥りかねません。今回の目的は、実践するということですから、なにを取り入れられるか熟考しましょう。この「考える」というプロセスを省くことが、読書を役に立たないものにしている原因です。

この場合、「忘却曲線に沿って勉強する」という内容を、自分の生活リズムや学習内容にあてはめ、どのように実行していくかできるだけ具体的に考えていきます。「忘却曲線に沿って勉強する」ということは、1日後、1週間後、1ヶ月後に復習を行い記憶を長期にわたって保持するということ。これを資格試験の日程や記憶すべき内容などを考慮しながら、プランニングするのです。そのプランが現実的で、実行可能なものであればあとは行動に移すのみです。

 

3.具体的な行動をひとつだけ変える

さあ、いよいよ行動です。プランに沿って行動を変えましょう。あまり欲張っていちどに多くを取り入れるのは失敗の元です。いまの学習量をいきなり大幅に増やすとか、いろいろな方法を同時に取り入れるとか、そういう無理は避け、ひとつずつ確実に実行をしてください。

「忘却曲線にもとづき、1日前の復習も行う」というところから始めます。1週間後には、その部分の復習をもう一度行うことになるはずですから、マークをつけておきましょう。大胆な変化より、着実な変化を心がけてください。

本から得た知識は、外から得た知識。急に取り入れると拒否的な反応がおこることもあるでしょう。 また、一時のモチベーションの高まりにまかせてスタートダッシュをしてしまうと、三日坊主の大きな原因になります。大切なのはモチベーションより習慣化、いつも「やる気満々」でなくても、きちんと習慣化に成功すれば、毎日続けることはできます。

 

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「本なんて机上の空論」という意見もあります。しかし、机上の空論にしてしまっているのは、それを実践に移すための方法を知らないから。今回は、本の知識を実践に活かすための方法をコンパクトに紹介しました。実践を意識した読書で、本をスキルアップの味方にしてください。

 

(参考) 斉藤英治著(2006), 『王様の速読術』, ダイヤモンド社. 本田直之著(2006), 『レバレッジ・リーディング』, 東洋経済新報社. バーンワークス株式会社 | ニュース・コラム|ハンマーしか持っていなければすべてが釘のように見える Wikipedia | 忘却曲線

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