あなたの学びは「使える知識」に出来ていますか? "深く、速く、実用的に" 学ぶための勉強法講座

試験に合格したり資格が取れたりしたのに、勉強した内容をすっかり忘れてしまった経験はありませんか? あるいは、ちゃんと勉強したはずなのに、いざ思い出してみようとすると実はあまりよく理解できていなかったことに気付く、なんてことはないでしょうか?

せっかく苦労して勉強するわけですから、学んだ知識はしっかり身に着けて、仕事や生活の中で生かしていきたいものですよね。

今回は、勉強したことを完璧に自分のものにするための勉強法についてお話ししたいと思います。

全体の大きな流れに注目しよう

資格試験に早く合格したいとき、手っ取り早く良い点数を取ろうとして、いきなり問題集などに手を出しがちになると思います。確かに、最終的には合格点を取らなくては元も子もありませんので、問題集や過去問を解くことは重要です。しかし、問題集を使って一つ一つの問題を解くことによって勉強するスタイルは、細かい知識を得ることはできても、体系的な知識を学ぶことには適さないのです。

細かい知識を学びはじめる前に、これから学ぶ内容の全体像を知っておきましょう。そうすれば、細かい部分はその流れの中の一部になるわけですから、前後と結び付けて勉強することができ、非常に理解しやすくなります。

また、細かい知識だけを学んでも、その知識どうしが結びつかなければ、最終的に自分が何を勉強しているのかわからなくなってしまうことすらありえます。ですから、この知識は全体像の中のどこに位置するのか、把握することが重要になってくるのです。

このように全体の流れを把握するところから始めれば、解いたことがない種類の問題に出合ったときでも、前後の流れから論理的に正答を導けることが多くなり、点数を得ることにも役立ちます。

では、どのようにして全体像をとらえたらよいのか。方法はシンプルで、教科書やテキストといった、網羅型の参考書をしっかりと読めばいいのです。まず、さらっと(数日程度で)でいいのでテキストを1~2周通読し、おおざっぱに全体を把握しましょう。次に、章や節ごとに要約を行いましょう。要約のコツは、

1.章や節ごとにキーセンテンスを抜き出す。 2.キーセンテンスを自分の言葉に置き換えてみる。 3.自分の言葉で置き換えたキーセンテンスを組み合わせ、文章を作る。

キーセンテンスというのは、その章・節のなかで一番重要な一文のこと。論理的な文章であれば、冒頭部分や段落の第一文目である可能性が高いので、見つけやすいと思います。

要約は、できれば元の文章の1/4以下になるようにしましょう。要約が完成したら、週に何回かそれを読み返して復習しましょう。こうすることで、全体の流れを頭の中に完全にインプットすることができます。

積極的にアウトプットしよう

次に、手に入れた知識は、どんどんアウトプットしましょう。ある研究によれば、知識はアウトプットしているときに記憶として定着することが分かっています。

アウトプットの仕方としては、実践的なものであるとなお良いでしょう。モチベーションが上がるのでお勧めですよ。例えば、簿記を勉強したのであれば、家計簿をつけてみる。プログラミングを学んだのなら、簡単なアプリやゲームを作ってみる。TOEICであれば、英字新聞を読んだり英語で日記をつけてみたりする、などです。

もちろん、問題集を解くのも重要なアウトプットですので、忘れず習慣的に行いましょう。他にも、自分はこんなことを勉強した、と友達に話してみるのもいいかもしれません。自慢にならない程度に……。

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分かりやすい言葉で説明できるようにしましょう

勉強したことをさらに定着させるには、自分の学んだ知識を、わかりやすい言葉で説明できるようにしましょう

ここで重要なのは、学んだことをそのまま説明するということではなくて、その知識を、専門家以外の人(中高生、友達、親など)に話しても理解してもらえるようなレベルで、自分の言葉(もしくは図など)で表現するということです。ですから、できるだけ平易な言葉を使い、専門用語や熟語、多義語などは使わないようにしましょう。聞く人によってAともとれるしBともとれる、といった文章ではよくありません。学んだ内容を、誰が聞いても理解できるレベルにまで落とし込むことがポイントです。

もし仮に説明するような相手がいなかったとしても、将来的に自分が忘れてしまったときに思い出せるように、未来の自分へ向けて説明するつもりでドキュメント形式にまとめておいても良いでしょう。

このプロセスを経ると、自分自身の理解を深めることもできますし、自分がまだよくわかっていなかった点を洗い出すこともできます。難しい用語や概念が出てきたときには、ぜひとも、中高生に説明するための言葉や方法を考えてみましょう。

*** 今回のポイントは、 ・焦らずまずは全体の流れをつかむ、ということ。 ・章ごとに要約し、理解を深める、ということ。そして ・わかりやすい説明をするための準備をしておくこと。この3点です。

これらに気を付けて勉強すれば、学んだことはいわゆる「死んだ知識」にならず、「生きた知識」として自分の血となり肉となるでしょう。ぜひ意識してみてくださいね。

(参考) 学校法人産業能率大学総合研究所|資格の鉄人:第 12 回 間違いだらけの勉強法 Washington State University|How to Write a Summary UNSW AUSTRALIA|Reading for Understanding: The SQW3R Method Annie Murphy Paul著,日経サイエンス編集部訳(2016),「テストで学ぶ」,『日経サイエンス』2016年2月,47巻,2号,pp.92₋99.

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