“つかみのうまさ” は最大の武器だ。プレゼンの第一印象を左右する「話しはじめ」のテクニック。

いつもプレゼンテーションの前になると、「今日は説得できるだろうか」「自分の話に興味を持ち、耳を傾けてくれるだろうか」「途中で飽きられてしまうのではないか」といった不安が心の中に広がり、落ち着かなってしまう……。

そんな方にお伝えしたいのは、最初の「つかみ」が良好であれば、その後の不安が解消するということ。プレゼンテーションは始まりが肝心だといいます。「話しはじめ」の基本的なテクニックと、始まりの“ひと工夫”についてご紹介しましょう!

なぜプレゼンテーションは始まりが肝心?

日経ビジネススクールで講師を行っている、ショーケース・ティービー 取締役COOの永田豊志氏は、プレゼンテーションの導入部分で、大半の人々がその提案に対する姿勢を決めるといいます。

もしも、最初の時点で聴衆の気持ちが離れてしまうと、後々その人々を話に引き込んでいくのはとても困難なのだとか。服装や身なりが人の第一印象ならば、「話しはじめ」はプレゼンテーションの第一印象ということです。

それに話し手も、最初に聞き手が好感触であれば、その後の不安や緊張が解けていくというもの。リラックスこそ最大の武器となるはずです。したがって、プレゼンテーションを行うなら、まずは「話しはじめ」のテクニックをしっかりと習得すべきなのです。

「話しはじめ」:基本のテクニック

イー・プレゼン代表で、プレゼンコンシェルジュの天野暢子氏は、プレゼンテーションをはじめる際に以下4つを聞き手に伝えておくと、安心して聴いてもらえると話します。

1.全体の流れ 2.所要時間 3.話のポイント 4.最後に質問を受け付けること

4つ目は聴衆のみならず、話し手が発表の途中に質問を投げかけられ、中断されないという安心にもつながるとのこと。これらは「話しはじめ」の基本として心得ておくと良いでしょう。

「話しはじめ」:ひと工夫のテクニック

タレントからエグゼクティブビジネスマンまで「表情・話しかた・動作」などを指導する中井信之氏は、プレゼンテーションの本題に入る前のひと工夫として、次のような「前振り」をすすめています。

1.所要時間が長ければ→「リラックスして聴いてほしい2.複雑で分かりにくい可能性があれば→「分からなくなったらその時点で質問をしてほしい3.話の構成上含まれる細やかなことがあれば→「詳細は聞き流しても問題はない

ちなみに、たまたま3番目は前項の内容と相反しますが、あくまでも中井氏が重視しているのは、いかに最初の時点で聞き手の興味を引きつけ、それを維持できるかということ。プレゼンを途中で遮られるのが苦手ならば「最後に何でも質問してください!」と伝えていいのです。なぜならば、大切なのは、「前振り」によって聞き手に「安心して聴ける、心地よく聴ける、聴きやすそう」と感じてもらうことだから。

また、同氏はもうひとつ興味深いテクニックを説いています。プレゼンテーションでは、聞き手がその内容を気にかけることが重要なので、「サスペンド(保留)を仕掛ける」といいのだそう。たとえば、「試作段階なので正式な商品名はまだ決まっていません。いいアイデアがあればぜひご教示いただきたい」「このプロジェクト名は、なかなか良いものがなく、まだ考え中です。みなさんの知恵をお貸しいただくと助かります」といった仕掛けです。

冒頭から保留事項を投げかけられると、聞き手はついついそれが気になってしまうわけです。「聞き手をプロジェクトに巻き込んでしまう」ともいえますね。

プレゼンテーション前に準備しておくこと

なお、プレゼンテーション当日に、話しはじめる以前の段階でつまづいてしまわぬよう、準備を万端にしておくことも大切です。プレゼンコンシェルジュ・天野氏のアドバイスを参考にまとめました。

1.目的と対象を明確に

プレゼンテーションの目的は「商品を買ってもらうこと」か「まずは興味を持ってもらうこと」か、相手が求めているのは「安さ」か「品質」か、その相手は会社でどういう役割をもつ人物かなど、目的と対象をはっきりさせておく。

2.プレゼン環境の確認

必要な設備がない、想定していた環境と違うなどで、十分に伝えられなかったという事態が起こらないよう、プレゼンテーションを行う環境を確認しておく。会議室か、階段教室か、ホールか、広さ、配置、パソコンやプロジェクタの使用有無、電源、延長コード、スクリーンの広さ、ホワイトボードなど、あらゆること。

3.慌てても見やすい台本の準備

慌てたときでも自分がすぐ理解できるような台本をつくっておく。一行を短くして、要点が分かりやすいよう改行し、強調したいところは文字の前を余白にするなど工夫する。どんな状況でも、ライブで冷静に読み進めることを求められる、テレビ用の原稿が横書きであることから、横書きでつくることがおすすめ(読みやすい)。

4.本番に近い状況でリハーサル

プレゼンテーション本番と同じ時間をしっかり計り、可能な限り聞き手の人数なども本番に近い状況でリハーサルを行う。その際、リハーサルに聞き手として協力してくれた人に、「具体的だったか」「矛盾はないか」「分かりやすかったか」などを評価してもらう。

*** プレゼンコンシェルジュの天野氏は、プレゼンテーション当日の服装は、「その会社に受験に行くつもりで選ぶ」ことが、印象の良い服装の選び方だと伝えています。ぜひ、専門家のアドバイスをヒントに、話しはじめから聞き手を引きつけるようなプレゼンテーションを行ってくださいね。

(参考) 日立ソリューションズ|心を動かすプレゼンテーション術 ~発表編~ 説得力のあるプレゼンテーションスキルを身につける・CHAPTER 1 プレゼンテーション発表に関する意識調査 Forbes JAPAN(フォーブス ジャパン)|「前振り」のひと工夫で、相手はあなたの話を聞くはずだ Study hacker|良いプレゼンは “つかみ” がうまい。聞き手の興味を惹きつける “つかみ” 4つのテクニック

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