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学生時代、友達と一緒に勉強したことはあるだろう。その時を思い出してほしい。集中できただろうか。それとも、集中できなかっただろうか。環境が選べない職場とは異なり、勉強では個室に籠もりっきりになって一人で自習することも、逆に大勢で勉強会を開くことも可能だ。
他人がいると気が散る。でも質問がしたい。少しくらいザワついていた方が集中できる。いやいや、一人じゃないと無理だ、など、いろいろな意見があると思うが、結局のところ、どうなのか。

今日は、他人の視線と作業効率の関係を実験により検証した研究をご紹介。「他人がいると集中できるのか、できないのか」、この永久の課題に、Study Hackerなりの答えを出したいと思う。

先に部屋にいた人は視線を気にしがち?

東京電機大の野中氏は、密室で二人一組になり、タイピングと校正作業という単純作業を用いて、他者の存在が作業効率にどう影響するかを調査した。まず、一人が先に部屋にいてその後別の一人が部屋に入ってきた時、二人の集中度を検証。すると、先にいた人は、タイピング作業では正確性が向上したものの、校正作業ではミスが倍増した。
この結果に関して野中氏は「パソコンの場合、視線を避けようと画面に集中した結果ミスタイプが減ったものの、校正の場合視線を避ける方法がなく、結果ミスが増えたのではないか」と分析している。一方で、後から来た人は特に集中度に変わりはなかった。全く気楽なものだ。

いずれにせよ、先にいた人は後から来た人の視線を気にしてしまうということらしい。図書館や自習室、カフェでも、いきなり隣の席に座られると、集中が乱れることがあるかもしれない。しかし、視線さえ避けてしまえばこっちのもの。没頭して高い集中を得られるのだ。

逆に、あなたが後から勉強場所に行く場合は注意が必要だ。カフェや図書館にいく時、先にいた人のことを考えているだろうか。どっかりと椅子に座り、ガタガタと音をたてて準備する。そんなことはないだろうか。
先にいた人があなたのせいで集中できなくなる。これは科学的にも証明されていることなのだ。ぜひ気をつけてほしい。

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視界に他人が入らなければオーケー?

野中氏の実験は、これ以外にも他人との距離、向き、位置についても及んでいる。
しかし意外にも、他人との距離はあまり影響を及ぼさないそうだ。他人との距離を160cmから100cmまで変化させた時。「近く感じた」「離れてほしいと思った」という印象面での変化はあったものの、実際の作業効率には影響を及ぼさなかったそう。
一方で変化があったのは他人の位置。他人が自分の目の前にいるか、横・後ろに座っているか。これは大きく影響した。他人が後ろに座っている時の方が、目の前や横に座っている時よりもタイプミスが減ったのだ。

こちらも、野中氏に言わせれば、「近くにいると感じなかった、視線を感じなかったから」だそうだ。やはり集中力に関係してくるのは、『他人の視線』ということになるだろうか。

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視線が気にならないようにすれば複数人でもオーケー!

この研究から、一つのことがわかる。それは、大勢で勉強する時に集中が乱れるのは、他人の視線が原因ということだ。基本的には、勉強は一人でした方がいいだろう。

しかし、他人の視線が気にならないような工夫を取り入れれば、友人と勉強することだって可能だ。たとえば自習室や図書館では別の席をとって勉強し、ランチは一緒に食べて質問をする、といった風に。ひとりで勉強する時の利点、そして大勢で勉強する時の利点。どちらも上手に取り入れて、自分にとってより効率的な勉強スタイルを手に入れたいものだ。

参考
野中敬生, & 伊藤俊介. (2012). 5006 他者と居合わせる状況における作業効率に関する研究. 日本建築学会関東支部研究報告集, 82, 277-280.


東京大学理科二類所属。県立浦和高等学校および駿台予備校出身。小さいころから自然や生き物に関心を持ち、高校時代に読んだ福岡伸一の「生物と無生物のあいだ」に刺激をうけ、分子生物学を志す。テニス歴6年。AKB48の大ファン。