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よく世間では「ピアノを弾くと頭がよくなる」というフレーズを耳にします。
実際東大生100人に対するアンケートでは、幼少期に通っていた塾の中で半数以上の52人がピアノを挙げ、そろばんや習字、水泳などの他の習い事の中で群を抜いて人気でした。とはいえ、高収入の家庭が多い東大生の幼少期の習い事として、ハイカルチャーであるピアノが選択されただけである可能性も否定できず、ものはそう単純ではなさそうです。

果たして本当にピアノを弾くことと頭の良し悪しは関係あるのでしょうか。

ピアノを弾くと頭がよくなる?

楽譜を見て音を理解し、弾くべき音階を指先に命令し、押された鍵盤が奏でる音を耳で聴いてそれが合っているかどうか確認する。ピアノを弾くときにはこのような作業が行われているのですが、この「理解→実行→確認」というプロセスが人間の脳のはたらきに大きく寄与しています。
後述しますが、ピアノという高次的な作業におけるこれらの一連の行為は、脳の発達に多大な影響を及ぼしているということが言えるでしょう。

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ワーキングメモリが発達する

ワーキングメモリとは、情報を一時的に保存しつつ活用し、結論を導くのに用いられる記憶の機能の一部なのですが、ピアノを弾いている人はこのワーキングメモリが他の人よりも発達していることがわかっています。
というのも、楽譜を見ながらピアノを弾く場合、「音符を見て音をイメージしてピアノを弾き、それが正しいかどうか耳で確認しながらも目は先の音符を見て脳内では既に音のイメージが始まっている」という一連のプロセスがなされるためです。

ピアノを弾く、ということは、脳の機能をフルに使った良いトレーニングになるのは間違いありません。

多様な分野の記憶が鍛えられる

ピアノを弾くと必ず最後には暗譜という作業が待っていますが、この暗譜が実は人間の様々な記憶機能に刺激を与えています。暗譜とは音の記憶でもあり、指の動きつまり運動の記憶でもあるし、楽譜という写真記憶も関係があります。
これほど多岐に渡る記憶の分野を同時に鍛えられる作業はなかなか存在しません。

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年齢に関係なく楽しく続けられる

ピアノの良いといころはなんといっても楽しく続けられるという点でしょう。勉強というとあまり楽しいイメージがわかないかもしれませんが、ピアノならば趣味として楽しく取り組め、副作用として脳のトレーニングにもなります。
また加齢とともに趣味も変化しますが、ピアノに関しては幼稚園児から高齢者まで一貫して趣味であり続けます。継続性が高いことも利点として挙げられます。

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ピアノは、小さいころから弾いている人もいれば、大人になってから弾いてみたいなぁと思って始める人もいます。今回注目して欲しいのは大人の方です。年齢を言い訳にやらないのではなく、少しでも興味があればぜひ触れてみてください。
最近は、「おとなから始めるピアノ教室」も盛況。年齢に関係なくできる上、多大な恩恵が受けられるので、これを機に始めてみてはいかがでしょうか。

<参考>
Bugos, Jennifer (2007), “Individualized piano instruction enhances executive functioning and working memory in older adults,” Aging Ment Health, pp. 464-471.
PTNA|今こそ音楽を 第3章〜脳科学の観点から〜


東京大学文科三類所属。磐田南高校卒業。4歳からサッカーとピアノを始める。大学ではスペイン語を学んでいる。三島由紀夫とMr.Childrenをこよなく愛する。将来はスペインに住んで日がな一日レアルマドリードの試合を見て天寿を全うしたい。