Success. Young man has an idea

あなたは勉強するとき、どんな方法で勉強しているだろうか。

本や資料を「見て」?
裏紙やノートにひたすら「書いて」?
実際に自分で「音読して」?

いろいろな方法が考えられるが、今回ご紹介したいのは「絵」。何かを覚えたい時、それを視覚イメージ化してみるのだ。最近ではマインドマップを使った思考法が流行。自分の考えを可視化する、という方法が一般的なものになっている。

でも、複雑なマインドマップを面倒に感じている人も多いはずだ。今回は、手軽にできて、しかも科学的に効果がある方法をご紹介。「描いて」覚える新体験だ。

badge_columns_1001711イラストは「俯瞰」する能力を高める

広島大学教育学研究科の池田氏は、高校一年生を対象にしてこんな実験を行った。ある物語文章を読ませ、それについてただ読むグループと、頭の中のイメージを描きながら読んでもらうグループ。二つに分けたのちに、文章に関するテストを行う、というもの。

この実験中でイラスト化が強力な効果を発揮するのは「物語理解の問題」についてだった、と池田氏は語る。ストーリーの中の単語を穴埋めさせるような「逐語問題」ではあまり効果がなかったんだとか。

たしかにこの結果は納得できる。絵によって全体の流れをつかめても、細かい単語の丸暗記にはあまり効果がなさそうだ。

つまり、イラストやイメージがもつのは「全体の流れを捉える力」ということ。
全体を俯瞰し、ざっくりと理解するのには、イラストが最適なのだ。

筆者がおすすめするのは、勉強の始めに要素要素をイラスト化してみること。知識が身につき、細かい部分を覚える時になったら、あまり効果がない。そうではなく、その分野の勉強を開始する時にイラスト化をしてみるのだ。まずイラストの力で全体を把握してから勉強に取り掛かれて、大幅に効率がアップするはず。

Cute little girl drawing with paint

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badge_columns_1001711絵を「見る」だけじゃダメ!自分で「描く」効果とは

でも、絵心なんてないしな…全体を把握するだけなら、参考書の挿絵じゃダメなの?

そう思った方もいるだろう。

確かに、ただ絵をみるだけでも効果はあることは知られている。早稲田大学の石橋氏が行った研究によれば、ただの文章を読む課題と、挿絵の入っている文章を読む課題では、後者の方が記憶に残る率は高いことがわかっている。しかし、「挿絵を自分で描いた場合」では、遅延テスト、つまり文章を読んでしばらくたったあとでの記憶保持率が、圧倒的に高くなっているのだ。

自分でイラストを描けば、時間がたったあとでも思い出しやすくなる…ということ。

やはり何事も自分でやれば身になる、ということだろうか。

***

小さいころは絵が好きな人でも、大きくなってからは絵をめっきり描かなくなってしまった…なんてことはよくあるはずだ。

周りに見せるのが恥ずかしいから。絵が下手だから。いろいろと言い訳をつけて、自分で絵を描くことから逃げていないだろうか?

より質の高い勉強のために。久しぶりに絵を描いてみてはどうだろう。
きっとまた、絵が好きになるはずだ。

参考
石橋薫. “挿絵イラストの自己生成が文章内容の記憶再生に及ぼす効果に関する研究.” (2012).

池田智子. “高校生の文章記憶に及ぼすイメージ教示効果.” 広島大学教育学部紀要. 第一部, 心理学 40 (1992): 75-80.


東京大学理科二類所属。県立浦和高等学校および駿台予備校出身。小さいころから自然や生き物に関心を持ち、高校時代に読んだ福岡伸一の「生物と無生物のあいだ」に刺激をうけ、分子生物学を志す。テニス歴6年。AKB48の大ファン。