お笑いコンビNONSTYLEの井上裕介さんは、持ち前の「スーパーポジティブ」な性格や言動が話題を呼び、今や書籍やグッズが発売されるほどに注目を集めています。

実は、そんな井上さんの姿勢は、単純にポジティブシンキングであるだけではなく、自己啓発本の世界的ベストセラー『7つの習慣』において重要とされる、「インサイドアウト」の考え方を実践しているものだと言えるんです。

「インサイドアウト」とは

スティーヴン・R・コヴィー氏が『7つの習慣』の中で提唱しているインサイド・アウトという原則は、簡単に言うと、自分自身の内面(インサイド)を最初に変えることによってはじめて、自分の外部=他人や環境に変化を与えることができるというものです。

内面とは、一般的に言われる「性格」という意味もありますが、ここでは、「パラダイム」というものを変えることが一番大きな変化を私達にもたらすと考えられます。

パラダイムというのは、私達一人ひとりが知らないうちに作り上げている物の見方。「色眼鏡で見る」という慣用句がありますが、言ってしまえば、人は誰しもそれぞれの「色眼鏡」をかけて世界を見ています。人は生きていく中で様々な経験をしてそれぞれに学び、それぞれに解釈して、世界を理解しているのです。

例えば、「体育」という教科が好きな人もいれば嫌いな人もいます。好きな人は、きっと運動神経が良かったり、運動が好きだったりする人でしょう。嫌いな人はその逆で、運動が苦手だったり、嫌な経験があったりするのではないでしょうか。私達は「体育」というもの自体に意味があると考えてしまいがちですが、本当は私達が意味を与えているのであり、そしてその意味は人によって違うのです。

このようにして、自分が世界を自分の「色眼鏡」を通して知覚しているということを自覚し、違う見方があるのではないかと考え、その見方で物事を見直してみようというのが、この「インサイドアウト」なのです。

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井上さんの考え方に学ぶ「インサイドアウト」

井上さんの考え方は、この「インサイドアウト」の重要さを教えてくれるものです。

井上さんは、「嫌い」や「キモイ」といった暴言でいじられることが多く、TwitterなどのSNSでも、毎日のように一般人から誹謗中傷が書き込まれています。普通なら心が折れてしまいそうな心無い言葉も、井上さんは捉え方を変えることでポジティブな姿勢を崩さずにいることができるのです。

例えば、井上さんは、嫌われることを恐れる必要はないと言います。「好き」の反対は「嫌い」ではなく「無関心」であり、嫌われているということは、その相手が自分に興味をもってくれている証拠だというのです。

人の印象に残っている時点で、生きている意味がある。

[引用元:リクナビNEXTJOURNAL|NONSTYLE井上から学ぶ「ネガティブ→ポジティブへの転換力」]

と述べたうえで、自分のことを嫌っている人に対するスタンスを次のように語っています。

僕の理論では好きと嫌いは表裏一体できっかけがあれば裏返る。メンコと同じようで、ちょっとの力でひっくり返せる角度があります。その角度は人によって違う

[引用元:同上]

「人から嫌われる」という普通なら怖いと感じるようなことも、捉え方を変えることで希望を見出せるものに変えているのです。

また、Twitterで、2回告白して2回フられたので、恋愛が怖いと相談してきたフォロワーさんには、

「3回目で成功するかもって思えば楽しみですよ!!」

[引用元:Twitter|井上裕介]

と返したり、訪問販売の営業で断られてばかりで悩んでいるというビジネスマンには、自分も下積み時代に必死にチケットを売り歩いた経験を振り返りながら、

100人、200人に断られても、1000人目にめちゃくちゃいい出会いがあるかもしれない。そう思って飛び込み続けますね。営業の仕事って、名刺を武器に、セールスを目的に、どんなところにも飛び込んで行けますよね。例えば僕が、いきなり個人宅のチャイムを鳴らしたところで、単なる不審者です(笑)。そんなに出会いが得られる仕事って、他にない。素晴らしい仕事ですよ。

[引用元:リクナビNEXTJOURNAL|NON STYLE井上が教える、ビジネスで使える「ネガティブ→ポジティブ転換力」]

と解答したりしています。

どんな嫌な出来事や不利に思えることも、まさに捉え方次第で希望あるものに見えてくることがわかるのではないでしょうか。もちろん、井上さん自身のパラダイムがもとからこういったスタンスのものであったのか、それとも、インサイドアウトによってパラダイムを変え、こうしたスタンスになったのかはわかりません。しかし、この井上さんの考え方は、物事に対する普段のとらえ方が決してすべてではないのだということを、私達に教えてくれるのではないでしょうか。

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どんな小さいことからでも、自分を変えればインサイドアウトは可能

自分の物の見方とは、これまで生きてきた人生の中で蓄積され、形成されてきたものですから、いきなり変えようとしてみても難しいかもしれません。そこで、まずは自分の中で変えやすいところから変えてみるのも、インサイドアウトにつながります。

井上さんは、現状を変えたいと思うのなら、なんでもいいから失敗を恐れず行動に移すべきだと言います。性格を一朝一夕で変えようとするのは難しくても、自分がいいなと思う人の見た目や言動をほんの少し真似するだけなら、簡単に実行できます。目に見えるものが変わると、中身は変わっていなくても、「周りの視線」が変化するのです。

NONSTYLEは、2008年に漫才コンビの頂点を決めるM1グランプリで見事優勝しました。それにも関わらず、同年に準グランプリになったオードリーの方がキャラが濃かったためにNONSTYLEの影が薄くなってしまい、人気に差が出てしまったことを井上さんは悩んだのだそう。

その時に、井上さんは思い切って、オードリー春日さんの特徴的な髪型を真似して、前髪を左右非対称にしたのです。すると、その前髪がうざい、かっこつけているといじられるようになり、NONSTYLEとしての認知度も上がってきたそうです。また、いじられて笑ってもらえるようになったことで、自分が面白いのではないかと感じられるようになり、自信がついてお笑いを続けることができたと言います。

井上さんは、以前は「ブサイク芸人」ランキングに名を連ねていましたが、最近発売されたばかりの雑誌ViViでは、「イケメンお笑い芸人」ランキングの2位にランクインしています。小さなところでも、真似からでも気にせずに、自分を変えられるところから変えていけば、いつのまにか周りが変化してくれるのです。

自分を変えれば、周りも変わります。
ぜひ、井上さんの姿勢を見習って、自分の「インサイド」を変えていってみてくださいね。

参考・引用サイト
リクナビNEXTJOURNAL|NONSTYLE井上から学ぶ「ネガティブ→ポジティブへの転換力」
Twitter|井上裕介
リクナビNEXTJOURNAL|NON STYLE井上が教える、ビジネスで使える「ネガティブ→ポジティブ転換力」

参考文献
スティーブン・R・コヴィー著、フランクリン・コヴィー・ジャパン訳(2013),『完訳 7つの習慣 人格主義の回復』,キングベアー出版.