試験を受ける予定がある、最新の知識を常にアップデートする必要があるなど、継続的な勉強が必要なあなた。毎回の勉強をどのような場所・時間で行っていますか?

もしあなたが、なかなか勉強に集中できないという悩みを持っているなら、それは「毎回、同じ環境下で勉強を行うこと」によって解決できるかもしれません

今年の8月に心理学検定を受けようと考えている筆者が、その効果を検証してみました。どんな環境なら勉強がはかどるのか日々試行錯誤している方、必見ですよ。

筆者が設定した勉強環境

勉強がはかどる環境は、ひとそれぞれ違うと思います。今回筆者が、「毎回同じ環境で勉強する」というポイントに着目したのは、勉強する環境を同じにしたほうがより習慣化しやすいと考えたから。そこで、筆者は、下記の条件の下、勉強に取り組んでみました。

【勉強の環境設定】
・内容:心理学検定の勉強
・期間:2018年2月~3月の平日
・場所:大学の図書館(固定)
・時間:朝10~12時(固定)

このようにして場所と時間を統一したのです。3月以降も勉強を継続していますが、現時点(4月)でどんな効果が得られたか、下記に詳しく書いていきたいと思います。

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勉強場所と時間を統一してみて分かった3つのメリット

勉強する場所と時間を毎回固定にしてみたところ、以下の3つのメリットを実感しました。

1. 勉強モードに入りやすい

勉強をするにあたって皆さんが最も悩むことは、いかに勉強を始めるかということではないでしょうか。一度集中してしまえば、あっという間に時間は過ぎてしまうもの。しかし、勉強にとりかかって集中するまでに苦労をするということがよくありますよね。

その点、勉強する場所と時間を統一しておけば、「その場所=勉強」というように、そこに行ったら勉強をするという習慣をつくることが期待できます

例えば、東大生に行ったある調査によると、半数以上が勉強場所を「図書館」に設定しており、図書館以外では勉強を行わないそう。理由は、「図書館=勉強」という習慣が成立し、自然と勉強に取り組めるようになること。また、もう一つの理由としては、同じ環境で勉強をすると記憶を想起しやすくなるということだそうです。場所が同じだと、前の日に勉強した内容をスムーズに思い出しやすく、すぐに勉強を始められるというわけですね。

筆者も図書館を利用し勉強を継続した結果、2週目くらいから、勉強モードに入りやすくなるという効果を実感しました。「図書館に行ったら勉強する」という習慣をつけるまではある程度の苦痛が伴いましたが、最初の1週間を乗り越えてしまえば、楽に始めることができました。また、たとえ1週間であっても「勉強を継続できた」ということが自分にとって大きな自信になり、そのあとも勉強を継続できそうだという期待へとつながりました。

2. 場所選びとスケジューリングのストレスが減る

勉強する場所と時間を固定したところ、場所選びとスケジューリングのストレスが減るというメリットがありました。

勉強する環境を頻繁に変えたほうが、新鮮な気持ちになれて良いという人もいるかもしれません。しかし、毎回勉強の場所を変えるということは、その回数の分だけ「選択」しなければならないということ。人は、意思決定の回数を重ねるほど前頭葉に負担がかかると言われているため、それだけで脳は疲弊していきます。

毎回の勉強場所と時間を決めておけば、そうした余計な脳疲労を軽減することが可能となるのです。その分のエネルギーを、勉強のために割り当てることができますよ。

3. 余計なことを気にせずに済む

3つ目のメリットは、勉強以外の余計なことを気にせずに済むということです。

例えば、初めて来たカフェで勉強をするとき、「席はどのくらいあるのだろう」「メニューはなにがあるのだろう」「閉店までに終わるように勉強しなくては」など、色々な情報を集めて、その都度考えることが必要となります。これらのことをひとつひとつ考え意思決定することは、前頭葉の疲労につながりますし、なによりなかなか勉強にとりかかれませんよね。

また、気が散りやすい人は特に、新しい環境へ行くと色々なことが気になってしまうでしょう。筆者もその一人ですが、「勉強は図書館でやる」と決めたところ、気が散ることなく勉強に集中することができるようになりました。また、脳に余計な選択をさせる必要もないので、勉強場所を毎回変えていた時と比較して、頭がすっきりした状態から勉強を始めることができました。

このように、時間と場所を統一することは、勉強に全集中力を傾けるため大いに有効なのです。

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勉強の場所と時間を決めるコツ

ここまで、勉強の時間・場所を統一して分かったメリットをお伝えしましたが、次は、勉強する場所と時間の決め方について解説していきたいと思います。

1. 自分が行きやすい場所にする

勉強を継続するためには、金銭的・距離的に通いやすい場所を設定することが大切です。もし遠い場所を選ばざるを得ないのなら、何かのついでに勉強を付随させましょう。例えば筆者は、家から遠い学校の図書館で勉強をしていましたが、授業や実習の前に必ず行っていました。

2. 勉強の目的に応じて時間を設定する

せっかく勉強するなら、最も効率のいい時間に勉強したいものですよね。そこで、脳の仕組みをうまく活用しましょう。科学的には、時間によって脳が活動的になる部位が異なるそうです。そのため、脳が活動的になる時間と部位に応じて、それに適した内容を勉強するようにすれば、勉強効果を増大させることが期待できますよ。

脳の仕組みを活用した時間ごとのおすすめの勉強法がこちらです。

【1】起床から3時間後……記憶(例:単語の暗記)

起床3時間後は、目覚めてからある程度時間がたっていて覚醒レベルがあがっていること、また、脳がまだ多くの情報に触れていないことから、情報をインプットしやすくなります。したがって、暗記ものに取り組みたいときには、この時間帯に勉強を行えば効果をより期待できるでしょう。筆者は朝7時に起床するため、10時から大学の図書館で暗記系の勉強を行っています。

【2】起床から4時間後……知的で創造的な作業(例:小論文、数学)

起床4時間後は、脳の活動量が最も上がる時間帯と言われています。そのため、考える作業や新しいアイディアを出す作業に向いています。何かについて考察をしたり、文章を書いたり、また、難しい数学の問題を解いたりするなど、能動的な勉強に取り組んでみてください。より成果を発揮できるでしょう。

【3】起床から7時間後……エネルギーが必要で細かくない作業(例:トランプ勉強法)

起床から7時間後(6時起床であれば午後1時)の午後一番の時間帯は、アドレナリンの分泌が最も上がる時間帯。この時間帯には、エネルギーは必要だけどそれほど細かくない作業が向いています。文字を追ったり、深く考えたり、といった細かく集中力が必要な作業よりも、感情や体の運動を使うような感覚的な勉強法を行ってみてはいかがでしょうか。

例えば、トランプのカードを活用して仲間と問題を出し合う「トランプ勉強法」なら、刺激的なゲーム感覚で楽しく勉強できておすすめですよ。(トランプ勉強法について詳しくはこちら→暗記にも計算力アップにも! “刺激” が脳を活性化、勉強効率が格段に上がる『トランプ勉強法』

以上が、時間ごとのおすすめの勉強法です。上記の通りに計画をたてられなくても、ぜひ、「自分にとって勉強が最もはかどる生体リズム」を意識しながら勉強時間を決めてみてください。

期間を決めて、記録をつける

勉強の時間と場所を決めたら、次のようなことにも注意してみてください。

・期間を決める

「〇月〇日までは、この時間と場所で頑張る」というように、期間設定をしてみましょう。期間的な目標を設定しなければ、いつまで頑張れば良いのか、気が遠くなってしまいます。

・勉強記録をつける

場所・時間・期間を決めたら、実践に移ります。そして、毎日の勉強内容を記録し自己分析をしてみましょう。一定の期間同じ条件下で勉強しながら、自分が感じたことを実験的に記録しておけば、自分がどんな環境で集中しやすいのか、自分の特徴が見えてくると思います。自分にとって最適な勉強環境が分かってくるはずです。

記録する内容は、例えば以下のように簡単でOKです。
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1.場所:大学の図書館
2.時間:10時~13時
3.内容:数学、日本史
4.感想:今日は数学を最初に解いてから勉強をスタートさせてみた。数学も日本史も集中力が続いた。
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こうした記録があれば、自分の勉強がどんな時にうまくいって、どんな時にうまくいかなかったのか、考察をすることも可能となります。もちろん、もっと詳細な記録をのこせば、より自己分析に役立つでしょう。

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勉強をはかどらせたいと考えている皆さん。時間と場所の統一で、勉強の効率化を追求してみてはいかがでしょうか?

(参考)
無藤隆・遠藤由美・玉瀬耕治・森敏昭著(2004),『心理学』,有斐閣.
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