あなたは自分が好きですか? 日本人の『自己肯定感』が低い理由。

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この前、人から「自己肯定感が低そうな顔をしている」と言われました。何となく煽られている気配を感じたので自己肯定感について調べてみると、教育の現場でのトレンドワードの一つになっているようでした。なので、自己肯定感というテーマで記事を書きます。別に「後ろ向きな自分はダメだ」みたいな自己否定を促す記事ではありません。会社での競争や受験期に自我をゆさぶられまくる方々の一助となれば幸いです。

badge_columns_1001711自己肯定感とは?

心理学用語のself-esteemを翻訳したもので、東京都教職員研修センターによれば「自分に対する評価を行う際に、自分のよさを肯定的に認める感情」だそうです。某作品でいうところの「僕はここにいていいんだ!」という気持ちと大体同じものと捉えることもできます。

高校生の心と体の健康に関する調査(2011)http://www1.odn.ne.jp/youth-study/reserch/ では、米国・中国と比べたとき日本の高校生の自己評価の低さが指摘されています。「私は価値のある人間だと思う」「自分を肯定的に評価する方」「私は自分に満足する方」「自分が優秀だと思う」という項目で「全くそうだ」を選択した高校生は日本ではいずれも10%以下、中国で20〜40%、米国で40〜50%強と各国でかなり差が出ています。 そもそも「全くそうだ」と言い切るかたちを避けるの日本人の習性であるということを鑑みても、それでも軒並み10%以下であるという数字には意味があるように思われます。

badge_columns_1001711日本人の自己肯定感が低い理由は?

何も筆者だけに限らず、世界的に見ても日本人の自己肯定感が低いということが分かりました。それは日本特有の文化と関係があるようです。 日本は「謙遜を美徳とする」文化です。良いことがあって周囲から褒められても、胸を張って「ありがとう!」とはなかなか言えません。ついつい「いやいや、たいしたことありません」「今回は偶然です」などと答えてしまいます。

その自分の発言は耳から自分の脳へと入ってきます。小さな頃からこれを何十回と繰り返しているうちに、自己肯定感が低い民族になってしまったのかもしれません。

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badge_columns_1001711自己肯定感と受験生

学生時代で最も自己肯定感が下がるとき。それは受験期ではないでしょうか。 模試の成績、受験校のランク付け、家族からの暖かなプレッシャーなど、周囲からの評価がひときわ気になる環境が構築されます。気にしないのも気に過ぎるのも問題で、中庸が良いと昔の人が言っているにもかかわらず様々な問題が自然発生します。特に受験期は、偏差値60の学校を目指していていざ60を超えたら次は63の学校が志望校に。やっとの思いで63に届いたら次は65の学校が第一志望に、と、目標自体がどんどん上がっていきがちなため、いつまでも満足は生まれません。その結果、自己肯定感が低下しがちなのです。

自己肯定感が極度に低下し認知の歪みがおこると、「失敗すれば周囲の人間関係をすべて失うのでは?」という疑念に駆られ、褒められないと自分を維持できない状態になります。「周りから価値を認められないと、ここに存在することすら許されないではないか」とまで考えだしたら、明らかに行き過ぎです。 この状態は極端な例ですが、極度な自己肯定感の低下は、こういった状況まで生み出します。そんな状態を防ぐための対処法の一つを以下に述べていきます。

badge_columns_1001711いろんな「場」を持つこと

最近小学校の授業補助に入った母から聞いた話ですが、家業の手伝い(特に農作業とか体を動かす系)をしている子は成績に関係なく自己肯定感が強い傾向にあるそうです。つまり自分を評価する場が複数あれば、「会社の評価」「模試の結果」といった、一つの世界での評価に縛られる必要がなくなるのです。 スポーツや習いごとなど、勉強や仕事とリンクしていない「場」を持つことで、自己肯定感の乱高下を防げるのではないかということです。

最初に述べた「自己肯定感の低さは文化によるもの」という考えもあり、最近の育児書には「子供を褒めて育てよう」ということがたくさん書かれています。これも言い換えれば、小さなうちから自己肯定感を伸ばしていく試みです。

自己肯定感の高い子供は、自分に自信があり、何事にも挑戦していく強い心を持っています。

引用元:こそだてハック 幼少期の接し方が大事!自己肯定感の高い子に育てる5つの方法

子育て中の親が本当にこれを実践したら、10年後20年後の日本人は自己肯定感がむしろ高くなっているのかもしれません。しかし、赤ちゃんからやり直すことができない私たちは、自分で自己肯定感を高める必要があります。それには上で述べたように様々な場=評価の場を持つことに加え、「苦手なことは切り捨てる」「得意なことを探して徹底的に伸ばす」などがあります。

もし自分の自己肯定感が低いと思ったら、それは自分自身の実力に因るものではなく文化や育てられ方のせい、と理解して、自己肯定感を高める努力をしてみてください。自己肯定感が高い方が色々なことにチャレンジしたり、失敗からの立ち直りが早かったりと、成果を出しやすくなるようですよ。

参考: Dreamer 大人になっても低い「自己肯定感」を飛躍的に高める5つの方法 こそだてハック 幼少期の接し方が大事!自己肯定感の高い子に育てる5つの方法 It Mama 日本人が外国人と比べると圧倒的に「自己肯定感」が低い理由


東京大学文科三類から地域文化研究学科アジア科へ進学。マレーシア農村研究で卒論を書いている。

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