Agressive management

部下が、後輩が、指示を聞いてくれない……。

そんな経験はないだろうか。
いい加減にしろ、怠け者め。ちゃんと仕事しろ。

悪態をつきたくなる気持ちもわかるが、ちょっと待った。
ひょっとして、あなたの指示が悪かった、ということはないだろうか。

いやいやそんなことはない。しっかり余裕を持って事前に指示を飛ばしたぞ。
そう思うかもしれないが、仕事を完璧に把握している側と、それを任される側では、理解度にかなりの差があるものなのだ。

今日は行動分析学の観点から、ほんとうに人を「動かせる」指示の出し方をお教えしよう。

badge_columns_1001711目標の立て方、間違ってませんか?

部下や後輩に指示を出すとき、必ず目標を提示するはずだ。

しかし、その目標の設定次第では「動かせない」指示になってしまう。
たとえば、進捗状況を報告しないメンバーがいたとき、ただただ「”ほうれんそう”をしっかりやれ!」と言うだけでは、何も改善しない。

まず、そのメンバーは「①連絡の方法がわからない」かもしれないから。
メールですればいいのか、チャットですればいいのか、GoogleドライブにレポートとしてUPすればいいのか。どれですればいいのかがわからない。

もしくは、「②連絡したつもりになっている」ことも考えられる。ミーティングの時にちらりと雑談で挟んだ「いや〜最近なかなか進まないんですよね〜」なんていう一言で連絡した気になっていることも考えられるのだ。

そう、それも全てあなたの「”ほうれんそう”をしっかりやれ!」という超あいま〜いな指示のせい。具体的な行動を指示しなければ、人を「動かせない」のだ。

Pair of girlfriends in cafe with tablet

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badge_columns_1001711人を動かすための”MORSの法則”

では、具体的にするにはどうしたらいいのか。
まず、何をすればいいのか、という具体的な「行動」を明示する必要がある。

「”ほうれんそう”をしっかりやれ!」というのは曖昧すぎて「行動」とは呼べない。「もっと仲間同士でコミュニケーションをとって」「指示されたことしっかりやって」なんていうのも「行動」ではない。曖昧すぎるからだ。

では、何が「行動」と呼べるのだろうか。
“MORSの法則”という言葉をご存知だろうか。「行動」の定義を簡潔に示したものだ。

・Measured(計測できる=数値化されている)
・Observable(観察できる=誰が見てもその行動だとわかる)
・Reliable(信頼できる=客観性があり、誰がやっても同じ行動になる)
・Specific(明確化されている=誰が何をどうするかが明確である)

(参考:石田淳|短期間で組織が変わる行動科学マネジメント)

そう、この4つの全ての条件を満たさなければ「行動」とは言えず、指示通り人が動かせなくても仕方ないのだ。

この条件にあてはめてみると、いかに「”ほうれんそう”をしっかりやれ!」という指示が曖昧かがよくわかる。

もう一度、MORSの法則に従ってどんな指示を出せばよかったのか考えてみよう。

badge_columns_1001711ここまで変わった「動かせる」指示

「”ほうれんそう”をしっかりやれ!」
ではなく、

「三日以内に次の企画案を、ドライブのフォルダ「◯◯」にレポートの形でUPしてくれ。もし間に合いそうにない場合には、社内メールアドレスに、その旨を連絡してほしい。」

の形にすればいいのだ。
三日以内、という数値化がなされ、誰が見てもその行動だとわかるし、客観的な指示を心がけている。さらに、何をどうすればいいのかも明確だ。

指示というのは、このようにして飛ばす必要がある。
ここまで具体的に指示を出せば、きっと人を「動かせる」はずだ。

参考
石田淳|短期間で組織が変わる行動科学マネジメント
石田淳, temoko|マンガでよくわかる教える技術


東京大学理科二類所属。県立浦和高等学校および駿台予備校出身。小さいころから自然や生き物に関心を持ち、高校時代に読んだ福岡伸一の「生物と無生物のあいだ」に刺激をうけ、分子生物学を志す。テニス歴6年。AKB48の大ファン。