失敗で必要以上に落ち込む必要は無し! 今を強く生き抜くマインドを身につけよう。

毎日を生きていると、どうしようもなく辛い時や、立ち直れないほど打ちのめされることが、時としてあります。

筆者はわずか20年しか生きていませんが、それなりに色々なことを経験してきました。受験の失敗、失恋、人との死別。バイト先の上司から叱責されたり、友人に欠点を指摘されたり。そんな経験は、数え切れません。

より長く生きてきた社会人の方なら、その量は筆者の比ではないはずです。みなさんは、どうやって苦難を乗り越えてきましたか? 笑い話にして、他人に話す? スポーツをして気を晴らす? とにかく別のことに打ち込む? ひょっとすると、乗り越えられないままだよ、なんて人もいるかもしれませんね。

心理学の研究では「ある心構え」だけで、辛い経験や失敗を乗り越えられるのだといいます。今日は、そのためのマインドをご紹介しましょう。

 

苦難に意味を見出しましょう

 

どんなに辛いことがあっても、それによって自分の人生が好転したと考える人がいます。辛苦難を通して、自分の人生により意味を見出し、重要な成長を遂げられた。そんな風に考える人がいるのです。

私の人生に起こることは、理由は何であれ、また、どのようなことであれ、どれも天から与えられた贈り物だと思うようになりました。うれしい贈り物ばかりではありませんが、すべてに意味があると思うのです。今まで生きていて、たくさん苦しいことがありましたが、それらから私は多くのことを学びました。過去に戻ってもう一度体験したいとは思いませんが、今日、私が私らしくいられるのも、そうしたことのお陰なのです。楽しいこともあれば悲しいこともある、それが人生を豊かにするのです。

(引用:スーザン・ノーレン・ホークセマ,バーバラ・フレデリックソン,ジェフ・ロフタス,クリステル・ルッツ著,内田一成訳(2015),『ヒルガードの心理学 第16版』,金剛出版.)

これは愛する人を失った女性が語った言葉です。苦難に直面したら、このように考えることが大事なんだとか。事実、このように「心的外傷 = トラウマ」によって自分が成長できたと答えた人は、PTSD( =心的外傷後ストレス障害)にかかりにくかったんだとか。なにもこれは、精神的な部分だけではありません。

心臓発作の体験が価値観や人生観を変えて自分を成長させたと感じている男性は、再発作を起こす率も低かったという

(引用:同上)

バウアーらのHIV陽性患者を対象にした研究では、友人や恋人の死を経験し、AIDSに対して何らかの意味を見出した人たちは、より健康な免疫を維持し、AIDSによるその後2~3年の追跡調査時における死亡率も少なかったという。

(引用:同上)

このように、身体的な面にも、プラスの影響を及ぼしたというのです。これは、どんな教訓を見出した、とか、どんなことを学んだ、という内容は関係ないようです。何でもいいから、とにかく意味を見出す。そのことが大切だといいます。

しかし、そんなことが実際に可能なのでしょうか。

 

宗教的な意識が強い

 

今ご紹介したのは、いずれも海外の事例です。ここからある推論が考えつきます。「苦難=成長するための試練」だとする考え方は、宗教に大きく影響されるのではないでしょうか。

たとえば、キリスト教では「神様の与える試練には意味がある」とされています。多くの宗教では「試練」に類する概念が存在し、無意味な試練などない、人はそれを通して成長するのだ、と考えられています。

ここに、日本人との大きな差があります。日本にも仏教や神道が根付いてはいるものの、冠婚葬祭の一部を担う程度でしかありません。日常的な試練を「成長するために天が与えてくれたものだ」と考えることができる人は、少ないはずです。

一方で、日本には「和を以って貴しとなす」の考え方が根付いています。その場の雰囲気を敏感に感じ取り、他人様の迷惑にならないよう、自分で責任を取りなさい、と教えられて育つわけです。自分に苦難があるなら、それは自分の責任だ。そう考え、一人で背負いこんでしまう人が多いのかもしれません。それでは、苦難を乗り越えることはできませんね。

一体、日本人はどうすればいいのでしょうか。どうやって苦難に意味を見出し、成長を実感することができるのでしょうか。

 

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自分には、どんな変化があったか考えよう

 

実は、ほんの少し考え方を工夫するだけで良いのです。別に「苦難とは、天から与えられ賜うた試練なり」なんて考える必要はありません。

辛いことや苦しいことの前後で、自分にどんな変化があったかを考えましょう。

親しい人との死別であれば、その人のいない日常を生きなければなりません。事業で大失敗したのなら、何か打開策を打ち出さねばなりません。どちらにしろ、自分を変化させる必要があるのです。そして、その変化は成長に他なりません。苦しいこと、辛いこと、その経験を通して、自分の中でどんな変化があったかを考えましょう。そして、それが取りもなおさず「成長」なのだと実感してください。

そう考えた時、辛い経験も苦しい出来事にも意味を見出すことができます。成長のための糧なのだと感じられるはずです。

 

***

日本人には、心の拠り所となるほど浸透した宗教はないのかもしれません。しかし、自分自身を見つめ、冷静に毎日を生きるのならば、辛いことや苦しいことだって、乗り越えられます。

どんな経験も、自分を成長させるのだと心得ましょう。

 

参考 スーザン・ノーレン・ホークセマ,バーバラ・フレデリックソン,ジェフ・ロフタス,クリステル・ルッツ著,内田一成訳(2015),『ヒルガードの心理学 第16版』,金剛出版.

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