ストレスフリーの整理術 「ミニマリズム」を身につける3つのきほん

仕事が忙しいと、ついデスクの上や自宅が散らかってしまって、職場でも自宅でも休まらないこともしばしば。

効率良く仕事をするためにも、充実したプライベートを過ごすためにも、整理整頓することは大切なことです。しかし、整理整頓が苦手な人は多いでしょう。

そんな方々へ、より賢く効率的に仕事をこなし、ストレスフリーに日々を過ごすための整理整頓術、ミニマリズムについてお伝えしたいと思います。

ミニマリズムとは

そもそも「ミニマリズム(Minimalism)」という言葉はどこから来たのでしょうか?

芸術の分野で、形態や色彩を最小限度まで突き詰めようとした一連の態度のことを“最小限主義(Minimalism)”というようになったのです。そのMinimalismが、現代において別の形で現れたのが「断捨離」であり、それを実践する者のことを「ミニマリスト」と呼んだりします。

人によって捉え方が異なりますが、断捨離は、ただ持ち物を減らす、不要なものを片っ端から捨てるというよりも、いろいろなものが手に入るようになった現代社会の中で本当に欲しいものを見極める手段と言えるでしょう。

そして、その手段を通じて、その先に何があるのか、どうなりたいのかが大事になってくるのです。

ミニマリズムはなぜ必要か

ミニマリズムのメリットとして、精神的、肉体的余裕を生み出すことができる、集中しやすくなったり合理的に生きることができるようになるといったことが挙げられます。

また、自分の部屋やデスク上の私物の断捨離を行うことのメリットとしては、以下のようなものがあると考えられるでしょう。 ・物を探す手間が省ける 散らかっていると「あれはどこだっけ?」と探すこともしばしば。そんな浪費していた時間を自分のために有意義に使えるようになります。

・無駄遣いが減り、貯金が増える 何がいくつあるかを把握することができるので、無駄な買い物をしないようになります。よって、その分貯金をすることもできるでしょう。

・病気やけがのリスクが減る 整頓されていると掃除がしやすくなり、ダニ、埃、ストレスが溜まりにくかったり、視界に入るものがキレイだと集中力が散漫になりにくくなります。また、余計なストレスを抱えることがないので心身を休ませることもできるでしょう。

方法1:ときめくものだけ残す

では、どのようにミニマリズムを仕事に取り入れていけばいいのでしょうか?

片付けコンサルタントの近藤麻理恵さんによると、“片付け”は「ときめく人生への扉」、「自分と向き合う行為」、「心を整える行為」だそうです。

まずは理想のイメージを写真などで見つけてみると良いでしょう。ゴールをイメージできることによって、片付けも進めやすくなるのではなりますよ。

また、片付けをするときは、目につきやすい場所から始めることをおすすめします。デスクの上、箪笥の上、食器棚など、よく見える範囲が整えばその後の片付けに対するモチベーションもきっと上がるはずです。

そこで何よりも大事なのは、どんな部屋にしたいか、何を残したいか、どんなモノに「ときめき」を感じるか、常に思考を巡らせること。ここでいう「ときめき」とは、モノを触った時の自分の感覚を指しますが、近藤麻理恵さんいわく、ときめくものを触った時は「キュン」とするそうです。

ただし、全然ときめかないからという理由で、必要なものまで捨ててしまうことのないように気をつけましょう。

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方法2:通勤カバンの中身を最小限にせよ

カバンの中身は、“自分を映す鏡”だと表現されることがあります。

「あれも使いそう、これも使いそう」と何でも詰め込んでいると、気づけば相当の重さのバッグを日々持ち歩くことになります。そのせいもあって、肩こりに悩む人は多いのではないでしょうか?

そのような場合は、今一度、1日の行動パターンを振り返ってみましょう。きっと不必要なものも多く見つかるはずですよ。

例えば、財布は支払方法をクレジットカードに頼ればコンパクトな財布にまとまるでしょう。また、タブレット端末で代用できるのでパソコンは必要はありません。クラウド上で資料を管理していれば持ち運ぶ必要はなく、本も電子書籍で切り替えてみましょう。

このように、持ち物をコンパクトにするコツはたくさんあるのです。

方法3:1チャート 1メッセージ

次に、片付けではなく、プレゼン資料作成におけるミニマリズムについてお話します。

そもそもプレゼン資料を作成することの1番の目的は何でしょうか? クライアントの心を動かし、何らかの意義あるアクションを起こさせるためでしょう。そのため、プレゼンを受けた相手側が、具体的にはどんな行動をすれば問題解決に繋がるのかをわかりやすく提示したものでなければなりません。

そこでオススメなのが、大手外資系コンサルティング会社マッキンゼー・アンド・カンパニーの新入社員が新人研修で教わるメソッドです。

 結晶化された「これ!」というものが出てくるまで精査されたメッセージが1つと、関連があることが簡潔に説明されたチャートが1つ。このシンプルで強いメッセージになっているからこそ、クライアントを動かす力を持つわけです。

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思考を深めることで正しい問いや本質を見つけ、本当に伝えたいメッセージが明確になっている状態であればこそ、クライアントの目が輝くようなプレゼンができると言えます。

そのためには、言いたいことがたくさんあるようなスライドではなく、1つに絞られたメッセージがただ1つ、1枚のスライド上にあることが望ましいのです。これも1つのミニマリズムと言えるでしょう。

スライド内に余計なものを入れる余地を作らず、絞るに絞ったただ1つのメッセージを伝える。そのためには本当に必要なものを見極める訓練が必要になってきます。

では、思考を深めるという作業や必要なものを見極める作業はどうすればうまくできるようになるのでしょうか? そのカギを握るのは言語の能力である、と言われています。幅広いジャンルの書籍を読んでみたり、気になった単語はその都度調べてみたりすることで、使える日本語の幅が広がるだけでなく、思考を深めることもできるそうです。

*** 片付けは、人によって向き不向きがあると思います。 「今すぐに無理して物を減らさないと……」と焦るのではなく、その目的や展望を意識し、必要なものと不必要なものを見分ける力を身につけていきましょう。

あなたも今日からミニマリストになってみませんか?

(参考) 川畑のぶこ(2009),『断捨離のすすめ』―モノを捨てればうまくいく―,同文館出版. 近藤麻理恵(2010),『人生がときめく片づけの魔法』,サンマーク出版. 大嶋祥誉(2013),『マッキンゼー流仕事術』,SBクリエイティブ. The Art Story|Minimalism Movement, Artists and Major Works GIRLS Slism|ミニマリスト生活の良い面と見落とせないデメリット

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