いっさい手を抜かず全力で仕事に取り組んでいるはずなのに、いまいち評価されない人。傍目にはそれほど頑張っているようには見えないものの、なぜか高い評価を受ける人。その違いはどこにあるのでしょうか?

努力の方向を一歩間違えるだけで、あなたは “評価されない人間” に成り下がってしまいます。絶対にやってはいけないNG行動を4つご紹介しましょう。

1. 完璧主義ゆえ “最初の一歩” が遅すぎる

一点の妥協をも許さず最高を求め続ける。この完璧主義的性格が功を奏する場面ももちろんあります。細部にまで目を光らせることで小さなミスを未然に防げだり、自身のスキルアップに余念なく励めたり、など。しかし、臨床心理士であるアリス・ボーイズ博士は「完璧主義は諸刃の剣である」と注意を促しています

完璧主義者は、いかなる状況下でも最高最善の選択をしようと意欲を燃やす。たとえそのような必要がない場合でも、である。これが、意思決定の停滞を招きかねない。

(引用元:ハーバード・ビジネス・レビュー|完璧主義による自滅を防ぐ方法

物事がめまぐるしく進んでいくビジネスの世界では、熟考する時間的猶予さえ与えられない場面にたびたび直面します。あるいは、“正直どちらでもいい” ことの選択を求められるようなシーンだってあります。そんなとき、毎回「ちょっと待って。じっくり考えるから……」と言っていたらどうでしょう。プラスの評価はおろか、“優柔不断で頼りない” 印象がついてしまうこと必至です

同時に、ボーイズ博士は次の点も指摘しています。

完璧主義者は、新しいことには完璧に準備して取り組みたいと考える。そのため、昇進や昇格の機会を逃しがちである。

(引用元:同上)

完璧を求める裏側には、“失敗を過度に恐れている” というネガティブな心理が潜んでいるに違いありません。いつも出足が鈍くなってしまう人は、結局誰か(社内の人、あるいは同業他社)に先を越されてしまいます

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2. 些末な部分に時間をかけ、成果につながる仕事をしていない

社会全体の富の8割は、上位2割の人が保有している——どこかで聞いたことがある話かもしれません。これは、イタリアの経済学者ヴィルフレド・パレートが発見した法則であり、『パレートの法則』と呼ばれています

そして、この法則は、社会経済以外のさまざまな事例にも適用できることが知られています。普段の仕事に当てはめてみると、下記のようなことが言えます。

・仕事の成果の8割は、費やした時間全体のうちの2割の時間で生み出している。

(引用元:Consultant転職|コンサルタントが使う思考法(フレームワーク)・問題解決方法「パレートの法則(80:20の法則)」とは

この法則が示唆するのは、「“ある一部” が全体に大きな影響力を持っている」ということ。“富の分布” が均一ではないように、“時間と成果” も決して均一な関係を持っているわけではありません。効率よく成果をあげるためには、成果に大きなインパクトを与える重要な仕事は何なのかを理解し、そこに注力する必要があると、この法則は教えてくれています。逆に、そこの部分の理解が疎かであれば、たとえ多くの努力を払ったところで、ほんのわずかの成果しか得られないなんて事態にもなってしまうのです。

体裁にそこまでこだわる必要もないのに、デザインを凝りまくった資料を上司に提出する……上司が本当に求めているのは、外見ではなく中身のクオリティの高さです。些末なルーティンワークや事務作業を丁寧にやりすぎて、営業先の訪問件数を増やせない……会社が求めているのは、丁寧すぎる作業ではなく数字アップです。

使う時間量は仮に同じであったとしても、その配分を誤っただけで、成果にはつながりにくくなります。結果、“頑張っているけれども数字に出ない” 残念な人になってしまうのです

3. 数字を使って伝える習慣がない

ここまでは、成果を出せない人のNG行動をご紹介してきました。一方で、実際に成果は出せているにもかかわらず、正当な評価に結びつかないという人は、その “伝え方” に問題を抱えている可能性があります

“ビジネス数学の専門家” として活躍する深沢真太郎は、自分の成果や頑張りを伝えるうえで「数字」を使う重要性を以下のように述べています。

「すごく頑張りました」と言っただけでは、その頑張りは伝わるはずもありません。一方で、「前期は〇〇だったのに対し、今期は△△まで数字を伸ばすことができました」「残業を〇時間も削減した一方で、売り上げを△円増加させました」なんて伝え方ができたらどうでしょう。どちらのほうが、頑張りが正当に伝わるかは、一目瞭然ですよね。

(引用元:StudyHacker|文系理系なんて関係ない! すべての社会人に求められる「ビジネス数学」というリテラシー——“ビジネス数学の専門家” 深沢真太郎さんインタビュー【第1回】

努力や熱意など定性的な観点からの評価を大切にしている組織を除き、シビアなビジネスの世界では、売上や数字などを軸にした定量評価が基本です。上司(あるいは会社)としても、そのほうが測定可能性が高いため、評価システムを構築しやすいという事情もあります。

自分の頑張りや成果は、時に自分で主張していかなければなりません。その際に充分に伝えきれないと、本来は得られるはずだった評価も得られなくなってしまいます

4. そもそも仕事がデキそうに見えない

その人が持つ印象雰囲気も、じつは意外と侮れない要素です

現在マイクロソフトシンガポール シニアマネージャーを務める岡田兵吾氏はかつて、1年2ヶ月もの間「売上ゼロ」だったダメ営業マンだったのだそう。仕事でもまったく成果を出せず、結果として自信もどんどん失っていく……そんなマイナスのループに陥っていました。しかし、笑顔でポジティブに仕事を進めている “ふり” をしたところ、その後本当に仕事がうまく回り始めたのだそう

見た目から入って、仕事の中身が後から付いてくるということもある。もちろん、全てがそれほど単純にはいかないが、長い社会人生活で幾度となく訪れる「壁」を打破する手段の1つとして、実践してもらえたら嬉しい。

(中略)

もう一度言おう。「見かけの印象」を良くすることは、自分を変えるきっかけになる。中身も伴うことが大前提ではあるが、「人からどう見られているか」という意識から始まることもあるのだ。ちょっとした気遣いにより、仕事の「評価ボーナス」を手に入れることがきるなら、それは大きな価値があることだ。

(引用元:ダイヤモンド・オンライン|会社で評価されない人が気づくべき「印象の意外な決まり方」

確かに上司の立場になってみると、「仕事がデキそう」「周囲に貢献していそう」という印象がある部下に対して、誰もやったことのない新しい仕事や重要な仕事を任せたくなるものです(※本当に仕事がデキる、という側面もあるかもしれませんが……)。そこで実際に仕事をこなせれば、評価はさらに上がります。

明らかに評価されそうにないダメな印象を身にまとい続けていたら、いつまで経っても評価されません。「地位は人を作る」ということわざもある通り、“評価される人” になるためには、自分から「あ、この人はデキそうだな」という雰囲気を作るのが得策なのかもしれませんね

***
以上、「評価されない人」の残念な行動習慣をお伝えしました。逆に言えば、以下の4つを心がければ、「評価される人」に一歩近づける可能性があるということ。

1. 完璧主義を脱し、判断を迅速にする。
2. 各タスクの重要度を見極め、“成果につながる” 仕事を大切にする。
3. 数字を使って定量的に物事を伝える。
4. “デキる人” っぽい印象を作る。

ぜひ実践してみてください。

(参考)
引用元:ハーバード・ビジネス・レビュー|完璧主義による自滅を防ぐ方法
Consultant転職|コンサルタントが使う思考法(フレームワーク)・問題解決方法「パレートの法則(80:20の法則)」とは
StudyHacker|文系理系なんて関係ない! すべての社会人に求められる「ビジネス数学」というリテラシー——“ビジネス数学の専門家” 深沢真太郎さんインタビュー【第1回】
ダイヤモンド・オンライン|会社で評価されない人が気づくべき「印象の意外な決まり方」