いつも “余裕に見える” 人が普段こっそりやっている4つのこと。

余裕に見える人の4つの習慣01

いつも時間に追われ、焦っている皆さん、「いつでも “余裕たっぷりに見える” 人」が、こっそりやっていることを知りたくありませんか? 実は驚くほど単純なことばかりなんです。さっそく説明しましょう。

1.ToDoリストに所要時間を書く

数多くのビジネス書を世に送り出しながら、マーケティングに特化した企業向けコンサルティングなどを行い、関西学院大学では准教授として教鞭をとる理央周氏は、仕事を効率よくすすめる達人。

同氏は、所要時間を入れず「やるべきこと」しか書いていないToDoリストは不十分だといいます。その理由は、所要時間を書くことにより、仕事全体のボリューム感を把握でき、予備的な時間の確保にもつながり、突発的に入ってくる仕事にも対応できるようになるから。

それに、たとえば「資料のチェック(30分)」と書いておくだけで、締め切り効果が生まれるので集中力も高まります。また、あとで実際にかかった時間と照らし合わせることにより、「こんな簡単なことに、ずいぶんと時間を消耗していた」などと気づけるので、ダラダラと時間を消費しないようにする意識も備わるわけです。

いつも “余裕に見える” 人は、ToDoリストに書いた所要時間内にどんどん仕事を片づけ、就業時間終了間近には余裕しゃくしゃくと談笑していることでしょう。

余裕に見える人の特徴01

2.フライングスタートを切る

放送におけるフライングスタートとは、視聴率を上げる目的で、テレビ番組やラジオ番組の開始時間をピッタリ00分、30分からではなく、若干早い58分や27分などから番組を開始すること。いつも “余裕に見える” 人は、これを仕事にも活用しています。

習慣化コンサルタントの古川武士氏によれば、「脳は新たな行動に取りかかるときに、膨大なエネルギーを使う」のだとか。そのため、休憩する前に、少しだけ次の作業に手をつけておくと、サッと作業に戻れるそう。

この現象は、旧ソビエト連邦の心理学者ブルーマ・ツァイガルニク氏が「未完了課題についての記憶は、完了課題についての記憶に比べて、想起されやすい」という事実を実験的に示した、「ツァイガルニク効果」にも通じます。

ひと区切りついて休憩したあなたが、自分のデスクに戻り、次のタスクをすすめる速度と、同じように休憩した、いつも “余裕に見える” 人の速度が違うのは、こうしたことが理由です。その人は休憩前に、ちょこっと次のタスクに手をつけていたに違いありません。

余裕に見える人の特徴02

3.体系的に「やらなくていいこと」を排除

古川武士氏は、売上げの8割は全顧客の2割が生み出しているという「パレートの法則」を挙げ、すべてに力を注ぐのが「完璧主義」20%に集中するのが「最善主義」だと話します。いつも “余裕に見える”人は、もちろん後者のほうです。

完璧主義は、「やるべきこと」も、できたら理想的な「やったほうがいいこと」も、一緒くたにしてしまいがち。古川武士氏は、完璧主義だと「しないこと」を決められないので、目の前のことに片っ端から手をつけてしまうと説明します。そんな状態では、どんなに時間があっても足りません。

その点、最善主義のいつも “余裕に見える” 人は、「このタスクをしないと、どれくらいのダメージがあるか」と考え、常にタスクの重要性を判別しています。そうして、「やるべきこと」だけに絞るための取捨選択を、常に行っているのです。

その際に役立つのは、“経営の神様”ピーター・ドラッカー教授が説いた「体系的廃棄」。自分に、こう問うわけです。(ドラッカー教授より経営コンサルティングを直伝されてきた、数少ない日本人のひとり、国永秀男氏のコラムより)

(1)「もしも、これをやっていなかったとして、今からこれと同じことを、もう一度始めますか?」
(2)「もしも、これを、やめたとしたら、何が起こりますか?」―――

(引用元:日本経営合理化協会|社長の命題 ドラッカー流経営の実践 | 第2号「概念その1 体系的廃棄」

いつも “余裕に見える” 人は、この問いかけの繰り返しで、“NO”や“何も起こらない“の答えを生んだ「やらなくていいこと」を常に排除しています。

余裕に見える人の特徴03

4.必要なものだけを周囲に置く

作業療法士の菅原洋平氏は、「目の前の仕事に集中すべきとき、他の情報が目に入る環境は、脳のエネルギーを無駄遣いすることにつながる」といいます。

たとえば仕事をしている机の上に、付箋だらけのPC、いま行っている仕事の書類と、ToDoリスト、スマートフォンに、「〇〇さんに〇〇の件連絡」といった直後に行うことの簡単なメモ、企画書をつくる前に読むべき本と、小腹が空いたときに備えたお菓子などが置かれていたらどうでしょう。

わたしたちが何かを見て、それを認識するとき、両目はチームワークを発揮し、眼球運動を行い、ピントを調節して、重要な部分に注目し、不必要な部分を排除し、形や空間を捉え、見たものを記憶し、図形を構成するといった「視知覚認知機能」が働きます。これだけの機能が、先述した雑多なものに使われていたら、目も脳も疲れてしまうのは当然です。

とはいえ、机の上をピカピカにして仕事をすればいい、というものでもありません。

理央周氏は、「仕事に没頭しているときに必要な道具、書類などが見当たらないと、集中力が一気に途切れてしまう」と注意を促します。したがって、「片づけなければいけない」ではなく、「不要なモノを置いてはいけない」なのだとか。

だからこそ、いつも “余裕に見える” 人は、いま集中したい仕事の邪魔になるものは、引き出しにしまう、一か所に整理しておく、バッグにしまう、PCのモニターの後ろに置き、見えないようにしてしまいます。もちろん、いま必要なものは、その場にスタンバイさせておくわけです。

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「いつも “余裕に見える” 人が普段こっそりやっている4つのこと」をご紹介しました。こちらの記事『「いつも時間がない人」の残念すぎる行動習慣。タイムマネジメントは “この4つ” を押さえなさい。』には、その真逆となる行動習慣を紹介しています。ぜひ、あわせてご覧くださいね!

(※記事中の人物の肩書は記事公開当時のものです)

(参考)
ダ・ヴィンチニュース|所要時間のないToDoリストなんて意味がない! 仕事の速い人と遅い人の違いとは?
THE21オンライン|仕事の「取捨選択」で効率アップ!
NIKKEI STYLE|WOMAN SMART|1秒で、脳を「すぐやる」モードに変えるコツ
認知機能の見える化プロジェクト | 認知機能とは | 視覚認知機能
日本経営合理化協会|社長の命題 ドラッカー流経営の実践 | 第2号「概念その1 体系的廃棄」
Wikipedia|ツァイガルニク効果
Wikipedia|フライングスタート (放送)

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