脳にだって働き方改革が必要だ! ミスの原因「脳疲労」を解消する “心地いい” 休息法。

「うっかりミス」「度忘れ」「勘違い」の改善に必要なのは、集中しようと躍起になることではなく、脳に心地よくしてもらうことです。エラーの原因と、効果的な脳の休息法について説明します。

「うっかりミス」などの原因となるもの

意図せず目的から逸脱した行動をとることを「ヒューマンエラー」といい、その種類は以下の3つに分類されます。

・スリップ「目的や計画は正しくても実行段階で間違う」 ・ラプス「実行自体を忘れてしまった」 ・ミステイク「正しく実行できたが認識が違っていた」

「うっかりミス」はスリップ、「度忘れ」はラプス、「勘違い」はミステイクといったところでしょうか。2004年の『消防活動における安全管理に係る検討会報告書・第2部 安全管理の心理学的分析』では、「集中力の限界を超えた状態で、当事者の精神性に訴えたり、処罰したりしてもエラーの再発を防止することはできない」としています。

そして、そのヒューマンエラーの原因といわれているのが、集中力やワーキングメモリ等の低下です。さらにその原因となるのが、脳の老化や「脳疲労」なのです。

脳疲労とは?

「多くの病気は脳疲労からの発症」とBOOCS理論で仮定する、BOOCSクリニック福岡では、脳の処理能力を上回る「情報」が入り情報過多になると、脳の機能は破綻すると説明しています。そうして脳の働きが低下した状態が「脳疲労」なのだそう。情報処理で手いっぱいの知能(大脳新皮質)が、本能(大脳辺縁系)を無視し続け、それに間脳が戸惑っているような状況です。

同クリニックによれば、すぐ目覚める、寝つきが悪い、疲れやすい、イライラ、集中できない、自己嫌悪になってしまうなどの症状があれば、脳疲労の心配があるそう。

脳のパフォーマンスが低下して、イライラしたり倦怠感を覚えたりすると仕事の効率が落ち、さらに疲労の蓄積で認知機能が低下すると、ますます脳を酷使しようとするので悪循環に陥ってしまうと、脳科学者の杉浦理砂氏も話しています。

脳の老化や脳疲労による「もの忘れ」の若年化

『脳の老化を99%遅らせる方法』の著者で、おくむらメモリークリニック院長の奥村歩氏は、「もの忘れが増えた」「脳のパフォーマンスが落ちた」と感じたら、脳が老化を始めているといいます。同クリニックの「もの忘れ外来」には30代の方も来院するそう。

杉浦氏も、「もの忘れ外来」の若年化について言及しており、昨今の情報過多でマルチタスクが増加し、脳疲労が溜まりやすくなっていると話しています。同氏によれば、20代、30代のもの忘れの多くは、脳疲労によるものなのだとか。

そのため、杉浦氏がディレクターを務める脳トレーニングジム「ブレインフィットネス」では、脳を休めるためにマインドフルネスやヨガ、ブレインエクササイズ、睡眠指導、食事指導などを行っているそうです。

脳をもてなす休息法

ミスが続くときは早く仕事を切り上げ脳を休ませたほうが、結果的には早く仕事を片づけられると分かりました。もちろん、脳疲労の解消はリラックスできる時間を増やし、睡眠をしっかりとることですが、こちらでは、筆者が効果を感じている、脳をもてなす休息法を3つご紹介します。

1:夜の散歩

脳が疲労すると前頭前野の血流が低下し、光を遮断して目を閉じ安静にすると、前頭前野の血流が増加するそう。人間は情報の80%を視覚から得るといいます。また、以前より、前頭前野の血流は運動で増加することが認められています。

そうしたことから、脳が疲れているときは“暗さ”で視界からあまり余分な情報が入ってこない「夜散歩」がおすすめです。人通りが多く安全な道を選んで、日が暮れたばかりの比較的早い時間の夜散歩で、脳の疲れを癒してください。仕事のあと、気の向くまま少し遠回りして帰るだけでも脳疲労が和らぎますよ。

2:噛みしめ読書

意外にも、脳の疲れには読書がおすすめです。実際に、イギリス・サセックス大学による以前の研究では、読書がストレス軽減に役立つと明らかになりました。ただし、速読や、義務感で読む本は禁止です。

ビジネス本でもフィクションでもノンフィクションでも童話でも絵本でも、読みたい本がある場合のみ、順不同でも乱読でも精読でも、読みたいところだけを、好きなようにのんびり読んでみてください。飽きたら本を閉じ眠れるよう、就寝前に読むといいですよ。

ちなみに、脳のワーキングメモリは前頭葉(前頭前野がある領域)の働きと関連すると分かっており、「文字」から情景や絵を思い浮かべる「イメージング」は、ワーキングメモリを鍛えるそう。1行読んではイメージし、1行読んではイメージし、どんどん空想が広がったら、そのまま膨らませましょう。脳を楽しませ、ワーキングメモリも鍛えてしまいましょう!

3:大好物を楽しむ

脳疲労を解消するために、月に何度かはダイエットや節約など「ねばならない・してはいけない」を忘れて、好きなものを(好きな店で)思いっきり食べましょう

BOOCS理論では、脳疲労の解消法として「自分が自分自身に対して無理強いしない・心地よいことを行う」などが提唱されています。これは、「大脳新皮質」という自分(意識)が、「大脳辺縁系」というもうひとりの自分(本能)を、抑圧・無視することをやめる行為なのだとか。

なお、この方法は「どこで何を食べようかな?」とワクワクできるのも大きな利点です。その気分がワーキングメモリの働きに関係する脳の領域「ACC(脳の前部帯状回/前帯状皮質)」を活性化してくれますよ。

*** 脳をもてなす休息法とは、もうひとりの自分(大脳辺縁系=情動の中心)を心地よくしてあげることです。ぜひ、もうひとりの自分を大切にして、仕事のパフォーマンスを高めてくださいね。

(参考) 総務省消防庁(2004),「第2部 安全管理の心理学的分析」,消防活動における安全管理に係る検討会報告書,消防活動における安全管理に係る検討会. 征矢英昭,檀一平太(2009),「運動で頭スッキリ. −短時間の中強度運動が認知機能を向上させる脳内基盤を解明−」,筑波大学大学院人間総合科学研究科,(独)農研機構・食品総合研究所,プレスリリース. 幻冬舎plus|ど忘れ、うっかりミスは脳老化の最初のサイン<脳の老化を99%遅らせる方法>奥村歩 ハッケン!リクナビ派遣|脳トレジム「ブレインフィットネス®」で聞いてみた!20代、30代の「何だっけ?」の原因と解消法 BOOCSクリニック福岡|脳疲労とは BOOCSクリニック福岡|脳疲労を解消すればやせられる HEALTH PRESS|脳疲労を溜めないように、休ませる方法を学ぶ プレジデントオンライン|3分で改善! 脳の疲労解消でパフォーマンスを上げる Study hacker|疲れがたまりすぎる前に。1日 “数分” でできる疲労回復習慣を取り入れよう。 Study hacker|脳の「ワーキングメモリ」を鍛えるコツは、“楽しいこと” を考えることだ! Telegraph|Reading 'can help reduce stress'

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