みなさんは、何かを学ぶことは好きですか?
学生であれば「学校の勉強はあまり好きじゃない」、また社会人であれば「社会人になってもまだ学ぶ必要があるのか」と思われる方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、急速に変化する現代社会において進むべき道を見つけるためには、自ら学び、得た知識をもってして道を切り開いていく必要があります。たとえ、学んだことが結果に繋がらなかったとしても必ず自分の糧となり、その知識が活かされる日が来るでしょう。
「忙しくて時間がない」などと理由を付けて学ぶことを避けている方へ、自ら学ぶ姿勢を持つための「パーソナルマスタリー」についてお伝えしたいと思います。
社会人になると「学ぶ」環境は自動的に用意されない
「グローバル ヒューマン キャピタル トレンド2015」によると、回答者の85%が学習を「重要」または「極めて重要」と評価しているのだとか。しかし、それにも関わらず、多くの企業が学習という課題に取り組む準備ができていないといわれています。
競争社会の波に乗り遅れないようにするには、世の中を見渡して変化の兆候をいち早く察知し対応できなければなりませんよね。
私たちが暮らす世界では、心理学者ハワード・ガードナーの言う「サーチライト・インテリジェンス」がますます必要になっている。すなわち、点在する人やアイデアの間に、他者には見えないつながりを見出す能力だ。次に来るものを予測して、新たな未来で成功するためには、十分な情報に基づく視点がより重要になる。
(引用元:DIAMOND ハーバード・ビジネス・レビュー|探索・把握・共有… 最高のリーダーが実践する3つの学習プロセス)
ビジネスにおいてリーダーになるためには、こういった能力を身につける必要があると言われています。これは、リーダーではなくても社会人として身につけておきたいもの。そのために、“パーソナルマスタリー”を認識することが有効なのです。
「パーソナルマスタリー」とは?
「パーソナルマスタリー」は「自己マスタリー」とも呼ばれ、知識やスキルの習得に限らず、心の成長も必要とされます。
個人が自己の将来像と現状との落差を見すえ、積極的に学ぶようになる過程のこと。米国の経営学者 P.センゲは、これを「学習する組織」にとって不可欠な条件の1つとした。「マスタリー」は英語で「熟達」を意味する。
(引用元:コトバンク|自己マスタリー)
アメリカの経営学者であり、最も優れた経営書の1つであると評価された「最強組織の法則—新時代のチームワークとは何か」を著したピーター・センゲ氏は「パーソナルマスタリー」についてこのように述べています。
この緊張こそが将来像と現状との落差を埋めようとする努力を促すものであり、その努力の過程で心は成長し、人生を受け身ではなく創造的に生きられるようになる
(引用元:コトバンク|自己マスタリー)
自分の理想と現実の差があるのはよくあることなので、決して悲観視していてはいけません。諦めずに学び続けていれば、たとえほんのわずかであっても理想に近づくことができます。「塵も積もれば山となる」ということわざもありますから、いずれは理想を達成できるかもしれません。
3つの「S」によって学ぶ
では、具体的にはどのように学べば良いのでしょうか? それには、3つの“S”に沿った学習が役に立ちます。
1.Seek(探索) 探索し、新しい物事を発見することで最新の情報を把握することができます。その際に注意したいのは、自分の考えや意思決定の基盤となる情報源を定期的に見直すこと。そうすれば、現在の自分の視点における盲点を明らかにし、さらに新たな視点を得ることが可能になります。
2.Sense(把握) 探索で得た情報を自分なりに解釈し、利用しましょう。情報と自分の考えや経験、感覚を擦り合わせて、意味を見出していきます。これをノートに書き留めるなど、記録として残すことで学ぶことを概念化してしまうのです。
3.Share(共有) 概念化した情報や知識を交換し合いましょう。そこで得た重要な発見やアイデアから集団的に学ぶことを繰り返していくのです。直接会って話しても良いですし、SNSで発信する形でも良いでしょう。このように妥当性のある情報を発信することで、集団内の敬意と信頼が構築されていきます。
語学やパソコンスキルなどはもちろん、料理やスポーツといった趣味でも構いません。自ら学ぶことに意味があり、また違う分野から得られるアイデアもたくさんあるでしょう。
ジャンルに関係なく、さまざまなことを学び、常に成長し続けることを心がけてみてはいかがですか?
なお、「社会人の勉強におすすめなのはコレだ! 勉強方法&勉強場所まとめ」では、社会人がどう勉強すればよいのか具体的な情報をまとめています。こちらもご参照ください。
(参考) DIAMOND ハーバード・ビジネス・レビュー|探索・把握・共有… 最高のリーダーが実践する3つの学習プロセス Deloitte|グローバル ヒューマン キャピタル トレンド2015 PRESIDENT Online|「プラットホーム力」で、目指すはタモリポジション コトバンク|自己マスタリー