AIやFinTech(フィンテック)の普及に見られるように、テクノロジーを中心に世界は変わり始めています。例えば銀行は、その影響を受けている業界のひとつ。AI・デジタル技術の活用などによって、みずほFGでは全従業員7万9,000人のほぼ4分の1にあたる1万9,000人を2026年度までに削減すると発表し、三菱UFJFGも2023年度までに9,500人分の業務量を削減すると発表しました。
AIやブロックチェーン、webシステム、アプリケーションなど、全ての技術の大元にあるのがプログラミング。これからの時代、経営、営業、財務といった一見技術とは関係ない職種の人でも、こうした技術や製品に理解がなければ、業務をこなすのはますます難しくなっていくでしょう。こうした状況を前に、自分の仕事が奪われるという不安や、技術の進歩に取り残される心配から、プログラミングを学ぶ必要性を感じ始めている人は多いのではないでしょうか。
今回は、これから実際にプログラミング学習を始めたいと考えている人に向けて、筆者自身が利用してきたプログラミング独習サイトをご紹介していきたいと思います。いくつか紹介しますので、ご自身の好みにあったものを探してみてください。
まずはじめに。なぜプログラミングを学ぶのか?
IT関連の職種でない人でも、プログラミングを学ぶ必要があるのはなぜなのでしょうか? もう少し深く考えてみることにします。
それは従来までITとの関連がほとんどなかった産業にまで、ITやテクノロジーが入りこみはじめたからです。例をいくつか挙げてみましょう。
◇ 自動車+AI ⇒ 自動操縦車(テスラ、トヨタ、Google……) ◇ EC(電子商取引)+AI ⇒ マーケティング最適化(Amazon、楽天……) ◇ 音楽+AI ⇒ 自動作曲(YAMAHA……)
このように既存の産業にテクノロジーを組み合わせることによって、新たなビジネスが生まれます。そして、このような発想にはテクノロジーに関する知識が不可欠であり、知識のない人から画期的なアイデアは出にくいもの。政治にAIを取り入れよう。現金より仮想通貨を使おう。こうした提言が政治家や銀行員ではなく、技術者サイドから出てくるのも納得ができるでしょう。
こうした環境変化が起きているにもかかわらず、技術に対する理解が浅いままでいたら、技術を活用すれば見えるはずの解決策も見えなくなってしまいます。企業レベルでは、競合に差を付けられたり、商品が顧客から選ばれなくなったりするでしょう。働く人個人のレベルでは、テクノロジーに関する知識がある人に仕事が集まる一方で、知識のない人は閑職に追いやられ活躍の場を失うことになりかねません。
また、期待感が大きいのもIT・テクノロジー産業の特徴。行き場をなくした投資金がIT企業やベンチャーに流れ込んでいて、伸びている産業というただそれだけで、資金調達がしやすくなります。プログラミングを学び、ITベンチャーを起業する若者が増えている背景にはこういった事情があるのです。
筆者が利用したプログラミング独習サイト
こうした問題意識から、筆者もプログラミングを学びました。とはいえ、ほかにも学びたいことが多々ありますからプログラミングのためだけに学校に通う手間暇はかけられません。そこで、Webサービスを利用してプログラミングを独習したのです。
この経験から、筆者も実際に利用した、プログラミングを効率よく学べる独習サイトを、難易度別に3つご紹介します。ここで紹介するもの以外にも、人工知能について特化したAidemyや総合的に学べるUdacity、edXなどがあります。どれも基本的に無料コンテンツを用意しているので、比較した上でどのサービスを利用するかを決めるのがよいでしょう。
◇ Progate 月額 ¥980 難易度★☆☆ Progateはプログラミングの基礎専門で、全13コースが用意されています。私はウェブサイトを作るために必要なHTML/CSS、JavaScript、システムをつくるためのJava、データ管理のためのSQLをこのサイトで学びました。実際にコーディングを進めながら学習できるので、初心者でもつまずきにくく、入門書の不明部分をこのサイトで理解するということもありました。
◇ ドットインストール 月額 ¥980 難易度★★☆ 3分動画でマスターできる、初心者向けプログラミング学習サイトです。言語の基礎文法を学んだあとは、それを用いた簡単なゲームの作り方を紹介した動画もあります。また、レッスンの受講状況などが毎週メールで送られてくるので、モチベーション維持にもつながりやすいと思います。ただ、説明が軽く理解できないことが多々あったことから考えると、初心者よりは一歩進んだ段階で利用すると良いのかもしれません。
◇ Coursera 月額 $49 難易度★★★ 筆者がCourseraで修了したコースは“Programming Foundations with JavaScript, HTML and CSS”と“Java Programming: Arrays, Lists, and Structured Data”です。Courseraは基本的にアメリカの大学の教授が講師をするので、コンテンツのクオリティーは本当に高く、最終到達点も高いのが特徴。また難易度も高く、授業も英語であるため、本格的にプログラミングを勉強しようという人が利用するにはもってこいでしょう。
*** 最近はPythonやPerl、Rubyといった比較的簡単なプログラミング言語も多くなり、低額で独習できるサイトも増えてきました。これを機にぜひ皆さんもプログラミング学習を始めてみてくださいね。
(参考) @type|「世界が変わらないのはエンジニアのせいでもある」堀江貴文氏がフリーエンジニアに向けて放つ5つの提言 侍エンジニア塾|プログラミング勉強ならコレ!無料学習サイトおすすめランキング|Top5 Real Sound|人工知能は作曲家になり得るのか? AI作曲の可能性を実例から検証 日本経済新聞|三菱UFJ社長、人員・店舗の見直し「何も決まっていない」 日本経済新聞|みずほ、店舗2割削減へ 12%減益で1.9万人削減発表