才能がないこともある種の才能。自分の短所すらも長所ととらえる【野村克也『カリスマの言葉』第10回】

「天賦の才」という言葉があるように、才能とは生まれながら持っている能力のこと。英語では「gift(贈り物)」という単語でも表されます。つまり、生まれたあとの努力でどうこうできるものではないのです。

では、才能を持って生まれた者には、才能を持たざる者は勝つことができないのでしょうか? 現役時代に歴代2位の657本塁打、1988打点を叩き出すなど、数々の輝かしい記録を打ち立てた野球評論家・野村克也さんはそれを力強く否定してくれました。

【格言】 不器用な人間で つくづくよかった

わたしは不器用な人間である。しかし、不器用でつくづくよかったとも思っている。「打つために、失点を防ぐために、勝つためにはどうすればいいか」と、ひたすら考えるしかなかったからだ。

野球は確率のスポーツである。傾向と対策がハマれば、不器用な人間が器用な人間に勝つことができる。才能に乏しい自分が才能豊かな相手に挑む。それは、恵まれない人生になりそうだが、じつは逆だ。才能がないからこそ考え、工夫し、努力を重ねなければいけない。

それらはいつしか、勝利に近づく大きなプロセスになるのである。

【プロフィール】 野村克也(のむら・かつや) 1935年、京都府に生まれる。京都府立峰山高校を卒業し、1954年にテスト生として南海ホークスに入団。3年目の1956年からレギュラーに定着すると、現役生活27年間にわたり球界を代表する捕手として活躍。歴代2位の通算657本塁打、戦後初の三冠王などその強打で数々の記録を打ち立て、MVP5回、首位打者1回、本塁打王9回、打点王7回など、タイトルを多数獲得。また、1970年の南海でのプレイングマネージャー就任以降、延べ4球団で監督を歴任。ヤクルトでは「ID野球」で黄金期を築き、楽天では球団初のクライマックスシリーズ出場を果たすなど輝かしい功績を残した。現在は野球評論家として活躍中。

Photo◎産経ビジュアル

*** 同じスポーツや勉強をしていても、要領の良し悪しは人によって大きく異なります。覚えが悪い、なかなか応用を利かせられないといったことを自覚すれば、自信を失ってしまうこともあるでしょう。

しかし、そういうことすらもある種の「才能」だととらえることもできます。要領が悪いからこそ、どうすれば要領のいい人間に追いつけるかと考える。そうすることで、要領がいい人間には気づき得なかった新たなメソッドを発見するということもあるかもしれません。「才能がなければ、工夫し努力を重ねる」。あれだけの名選手であり名監督であった野村克也さんの言葉には、やはり重みがあります。

■野村克也さん『カリスマの言葉』一覧はこちら nomura-ver1

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カリスマの言葉シリーズ#016『野村の悟り』

野村克也

セブン&アイ出版(2018)

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