みなさんは、いつもどんな場所で本を読んでいますか?
自宅でしょうか。それとも通勤通学途中の電車内でしょうか。他にもさまざまな場所があるかもしれませんね。
「想像力が鍛えられる」や「記憶力が上がる」、「ストレス解消になる」など、読書のメリットはたくさん挙げられます。そうは言っても、できればその効果を最大化できるような場所で行いたいもの。そこで今回は、読書について「場所」という視点から考えてみることにします。
私たちの脳の働きは、環境によって変わる
周囲を取り巻く環境が変われば、私たちの脳の働きも異なってきます。
例えば、脳と色との関係を考えてみましょう。部屋にあるライトを思い浮かべてみてください。株式会社グッドブックスによれば、そのライトの色が真っ白から少し青みを帯びた白である場合、脳細胞を活性化させる効果があるのだそう。またそれがオレンジ色をしているならば、私たちの精神を落ち着かせる効果が期待できるそうです。
また、「色」だけでなく「音」も脳に影響を与えることがあります。科学誌「Scientific Reports」で発表された研究によれば、人工的な音を聞いている時と比べ、自然音を聞いている時は脳が注意力を外に向けようとしてリラックスした状態になるのだそう。
このように、周囲の環境の変化によって私たちの脳が受け取る影響は変わります。読書をする際にも、その効果を高める適切な場所が存在するに違いありません。
読書するのにオススメの場所
では、どのような場所が読書に適しているのでしょうか。具体的な場所をいくつかご紹介します。
1.電車内 経済思想史家の水田洋氏は、「唐宋八大家」の1人である欧陽脩が文章を練るのに最適な場所として示した馬上、枕上、厠上の「三上」を、読書の場所としても最適であると伝えています。この3つの場所のうちの1つ「馬上」について、昔は馬が移動手段として用いられることもありましたが、現代では電車といった乗り物に置き換えることができるでしょう。
効果的な読書を行うためには、ただ本に書いてある文字を追うだけでなく、当然その内容について理解しながら読み進めなければなりませんよね。つまり集中力が必要不可欠です。適度な雑音があると集中力は高まるため、通勤や通学などで電車を利用する人は、乗車時間を読書に利用してみてはいかがでしょうか。
2.お風呂 近年はお風呂で読書をすることも流行りましたよね。流行ったとは言え、お風呂での読書は実際にどのような効果があるのでしょうか。ここでは、浸かるお湯の温度に着目してみました。
日本浴用剤工業会によれば、「微温浴」と呼ばれる約35度から38度のお湯に浸かる場合、副交感神経が働いて、脳がリラックスするようになるのだそう。そのため、読書により集中することができます。また、脳がリラックス状態になると独創的なアイディアを生み出しやすくなり、学習効果も高まるようです。ぬるめのお湯で半身浴を行いながら読書をすれば、肌もきれいになってさらにメリットを享受できますよ。
42度以上の「高温浴」になると、交感神経が刺激されて身体の新陳代謝が促されるほか、疲労物質である乳酸を減らす作用があるのだとか。しかし眠気を冷ます効果はあるものの、長時間読書をするには向いていない温度であるため、長湯は控えるようにしてください。
3.ブックカフェ ブックカフェは、いわゆるカフェと本屋が合体した店舗のこと。普通のカフェであれば、たとえお気に入りの本を持ち込んで長居をしたいと思っても、コーヒーたった一杯で何時間も粘る行為が店の営業の邪魔となってしまう可能性がありますよね。しかし、ブックカフェであればその心配がほとんどなく落ち着いて本を読むことができます。
また、ブックカフェなら、読書の好きな人が集まってくる可能性が高いはず。そういった人々と交流できれば、読んでいる本の解釈や自分の読書方法について、もしかすると新たな刺激を与えてくれるかもしれません。
*** みなさんもぜひ、読書に適した場所で本を読むようにしてみてください。そうでない場所で行うよりも、読書の効果を実感することができますよ。
(参考) ブックオフオンラインコラム|【読書は脳にいい影響を与える】 読書が脳に与える効果とは? 株式会社グッドブックス|読書に適したライトの色や明るさとは Forbes Japan|公園へ行くと癒される理由、「自然音と脳」の研究で明らかに DIAMOND online|書斎はなくとも読書はできる 通勤途上を最大限に活用する法 u-note|【お風呂好きは時短の達人】アイディア効果・高い学習効果が得られる「お風呂勉強法」 日本浴用剤工業会|入浴によって得られる作用 西日本ブックカフェ協会|ブックカフェとは