「良い聞き役になるにはどうすればいいのだろう……」 こんな悩みを持ったこともある人は多いのではないでしょうか。
例えば私はどんな問いかけにもすぐに「はい」と言って肯定してしまう癖があり、人をイライラさせてしまうことがありました。他にも自分としては聞いているつもりが、相手には聞いていないと思われ、話を聞かない人というレッテルを張られたことも……。
このように「話を聞く」ことは、とても大切です。ビジネスパーソンであれば、話を聞くことで新たなニーズに気づくことができますし、取引先との何気ない会話からビジネスチャンスが生まれるかもしれません。
そこで今回は“人の話を受け止める”ことに注目します。 聞き上手になって毎日のコミュニケーションをもっと実りあるものにしていきましょう。
相づち:うなずきのタイミングや合いの手はどんなものが適切か
相づちは、うなずいたり首を傾げたりする動作によるコミュニケーションと、「そうなんだ」「すごい」などの言葉によるコミュニケーションで構成されます。【1. 動作によるコミュニケーション】と【2. 言葉によるコミュニケーション】を順に見ていきましょう。
【1. 動作によるコミュニケーション】 エッセイストの臼井由姫氏は、相づちについて次のように説明しています。
「相づち」とは、相手の話にうなずいて調子を合わせること。「うなずき」は相づちの基本です。うなずき方のポイントは、相手の話すスピードに合わせてうなずく。それだけで相手は「息が合っている」「相性がよい」などと感じます。
(引用:Nikkei Style|好かれる聞き上手の「相づち」テクニックはこれだ)
では、どうすれば「うなずき」を相手の話すスピードに合わせられるのでしょう。
目安は句読点のタイミングでうなずくことです。句読点のタイミングでうなずけば、話の腰を折るような反応にもなりませんし、話の切れ間ごとに「あなたの話をちゃんと聞いていますよ」というシグナルを相手に伝えることができます。
例えば、プレゼンを聞くときは、以下のようにうなずいてみましょう。 「こちらの図をご覧ください。(うなずき)この図は~を示し、(うなずき)この数値から~のようなことが分かります。(うなずき)よって次回の商品ではこの~を」
【2. 言語によるコミュニケーション】 うなずきに加え、適度な返答はより話を盛り上げます。話を理解できていることも伝わりますし、会話をより意味のあるものにできるはずです。
まずは大原則として短い返答を心がけましょう。目的は論点がずれないようにすること。長い返答はその分情報量が多くなってしまうので、本筋とは離れた方向に話が進んでしまう可能性があるのです。
具体的な例でいうと、次のような「確認」の相づちがあります。 「それって〇〇〇いうことですか?」 「なるほど、つまりは〇〇〇ですよね?」 確認した内容があっていれば相手は理解されていると感じ、ずれていれば話の流れを修正できます。
目線:相手の目に合わせる以外に向けるべき箇所はないのか
相づちの際に目線はどこに置くのが良いのでしょうか。基本は相手の目をきちんと見ること。目線を合わせないと、相手は「自信がないのかな?」「あまり話したくないのかな?」と余計な心配をしてしまいます。特に相手が外国人の場合、日本人同士で話すとき以上に相手の目を見ることは大切になってきます。
とはいえ、あまりにも目をしっかりと見すぎると相手に圧力がかかることもあるので注意が必要です。そこで眉間や口元など、顔のほかの部位を見てみましょう。圧力を感じさせず、相手の話をしっかりと聞いている印象になりますよ。さらに目線を1か所に絞らず、右目→眉間→左目と目線を移しながら話を聞く上級テクニックもおすすめです。
メモ:メモはなんのために取るべきなのか
“人を話を受け止める”際にはできるだけ細かいこともメモしておくべきです。多くの成功した経営者、科学者はメモ魔が多いことが知られています。では我々は、人の話を聞くときに何を考え、どのようにしてメモを取るべきでしょうか。メモを取ることには、大きく2つの目的があります。
1. 外部化し、いつでも内容を参照できる 話の内容を忘れないための外部記憶装置の役割です。 「メモは取っても見返さないから、メモを取る意味はない」と言う人もいますが、取ったメモはいつ必要になるかわかりませんよね。「話を聞いた」ことの意味を最大化する為にメモは必要不可欠です。
2. 構造化し、論点を把握しやすくする・質問しやすくなる 自分の理解を助けるという役割です。 相手の話を図で書いてみたり、ポイントを書き込むことで分かりやすくなるのです。これによって質問がしやすくなる効果もあります。疑問点を書いておいたり、◯で囲っておくのもいいでしょう。
具体的なメモ取りの方法については以下のコラムを参考にしてみて下さいね。 Study Hacker|アイデアが形になる。ビジネスですぐに使える “メモ” の技術。
*** 今回は印象を上げる話の聞き方と題し、“人の話を受け止める”ことに注目しました。 お伝えした「相づち」、「目線」、「メモ」のテクニックを取り入れることで、その「話」を最大限にいかすことができるでしょう。
(参考) All About|目で殺す!技術 マイナビウーマン|簡単に聞き上手になれる、うなずき簡単テクニック! All About|上手な話し方の基本とコツ4つ Nikkei Style|好かれる聞き上手の「相づち」テクニックはこれだ Study Hacker|アイデアが形になる。ビジネスですぐに使える “メモ” の技術。