「恋人がいる受験生は受験に失敗する」 これは、世間でよくいわれている受験に関するウワサです。みなさんも一度は聞いたことがあるのではないでしょうか。確かに、恋愛に夢中になっていたら、勉強に集中することは難しいですよね。
しかしながら、真面目に恋人と勉強すれば、いつもよりも集中して勉強できる可能性があるのです。そして、この可能性はカップルや学生だけのものではありません。勉強ではなく仕事であっても、恋人ではなくただ好きな人というだけであっても、一緒にやるというだけで、いつもよりも効率を高めることができるのです。
今回は、意中の相手や恋人と勉強することについて考えてみたいと思います。
ただ一緒にいるだけで集中力アップ
好きな人と一緒にいると顔が赤くなったり、ドキドキしたりすることがありますよね。また、無意識に目をそらしてしまったり、何度も咳払いをしてしまったり、思ってもいない言葉が口をついたりもします。
これらは全て、脳内物質のドーパミンの働きによるもの。ドーパミンは快の感情をつかさどる脳内物質で、分泌されることによって爽快感が得られ、運動機能が刺激されます。集中力を高める働きを持っているので、好きな人といるだけで集中しやすい状況を作れるのです。
ただし、過剰に放出されてしまうと意識していない行動をしてしまったり、ときに幻聴や幻覚などの症状が現れたりすることがあるので、すぐに勉強を始めるようにしましょう。そうすれば、いつもよりも集中して勉強することができるはずです。
“見られている”と意識することが力になる
好きな人の前では、いいところを見せたいからとちょっと見栄を張ることはありますよね。そして、そんなちょっとした見栄は私たちの成果に良い影響を及ぼします。好きな人に見られていると思うことでパフォーマンスが向上するのです。
この現象は“ホーソン効果”と呼ばれ、私たちは「人から見られている」と感じることによって、生産性が高まることが心理学の調査によって証明されています。
シカゴの近郊のホーソンの工場で、作業環境が生産性にどう影響するかを測定するテストが実施されました。照明が工場での作業に対してどのように影響するかを計測したのです。（中略）作業効率が向上した原因を分析した結果、「工場の幹部や同僚の関心を集める中で実験したため、作業者が注目されているという意識で生産性を高めた」という結論に達しました。
（引用元：All About｜民間療法で病気が「治る」、本当の理由）
実験における上司のように、注目している人が自分にとって重要な人であればあるほど、その効果は高まります。また、注目している人が自分の憧れである場合は、その人に近づくように自分が変わることもあるのだそう。
好きな人と同じ学校に進学したいという思いは叶わないとよくいわれてますが、むしろ叶いやすいのかもしれません。
すぐに勉強を始めることが大切
一度会話を始めてしまったりすると、気がついた時には数時間が経っていた、なんてことが起こりかねません。ドーパミンの働きを利用するためだけでなく、この問題を回避するためにも、すぐに勉強を始めることが大切です。
物事をやり始めると、やる気と集中力を制御するホルモン・TRH（甲状腺刺激放出ホルモン）が脳内で分泌され、勉強に集中できるようになります。つまりTRHが分泌されるとやる気や集中力が増していくのです。
ひとたび勉強を始めれば、ドーパミンの効果と合わさって、より集中することができるはず。好きな人と一緒にいながらも勉強に没頭するというのは少しもったいない気もしますが、せっかくの効果を利用しない方がもったいないですよ。
＊＊＊ 恋愛というと“勉強の邪魔”というイメージが付きまといますが、メリットも少なからず存在します。何より、勉強というモノト－ンな記憶でも、好きな人と一緒ならきっと色鮮やかな思い出に変わるはずです。 ぜひ、勉強も恋愛もバランス良く楽しんでくださいね。
（参考） All About｜民間療法で病気が「治る」、本当の理由 カカオ健康チョコレート｜熱愛中に恋人を見てドキドキすると、前頭葉の領域が活性化することを解明 マイナビウーマン｜恋は病気と同じ「脳内の化学物質ドーパミン、セロトニンなどのバランスが崩れまくる！」 healthクリック｜集中力は誰もが持つビッグパワー(2) healthクリック｜集中力とやる気の関係 The Simple Dollar｜The Hawthorne Effect and You
