毎日毎日、目が疲れる。目に休憩が必要なのはわかっていても、読書、パソコン、テレビと目を使うものはたくさん。毎日仕事や勉強をしていたら、目を休ませている暇なんてありませんよね。
私たちの日々の生活には、目に負担をかけるものが数多くあります。一方で、その負担を和らげるテクニックもまた、たくさんあるのです。そのなかでも今回取り上げるのは、目に負担をかけない照明の使い方。毎日の生活で実用化できる、いくつかの灯り術を紹介していきます。
読書や書類整理をするときの灯り術
暗いところで本を読むと目が悪くなるといいますよね。では、具体的にどれくらい明るければよいのでしょうか。注意しなければならないのが、暗すぎても明るすぎても目に負担がかかるということ。机の上の明るさと部屋全体の明るさとの差が3対1以下になるようにするのがよいそうです。勉強中や仕事中の手元の照らし過ぎはよくない、ということですね。
意外にも思えるかもしれませんが、紙などの照り返しにも注意が必要です。質の良い紙は、光を照り返します。気づかないうちに照り返しの眩しさで目に負担をかけているかもしれません。照り返しを軽減するためには、ライトスタンドの角度を変えてみてください。ライトスタンドを買う際には角度を変えられるものを選びましょう。
また、ライトスタンドを設置する時は、手の影ができないように利き手と逆の方に置くこと。つまり、右利きなら左斜め前に、左利きなら右斜め前に置くのがオススメです。
パソコンを使うときの灯り術
パソコンの使用による目の疲労は、誰しもが経験したことのあることだと思います。パソコンが原因の眼精疲労を軽減する方法をいくつか紹介しましょう。
まず、パソコンの画面は目線より下に置くこと。目線より高い位置に画面があると、目を大きく開くことになり、目が乾燥してしまいます。この際、画面を後ろ側に10~15度傾けると天井の光からの照り返しを防ぐことができて良いそうです。画面の明るさは、机と部屋の明るさの比と同じで、画面と周りの明るさの差が3対1に保たれるようにしてください。
また、パソコンでの作業中は、こまめにまばたきすることが大切です。まばたきは目の乾燥を防ぐ役割があるのにもかかわらず、画面を見ている時、私たちのまばたきの回数は減っています。意識してまばたきするようにしましょう。
また、アメリカの多くの眼科医が推奨する疲れ目対策法として「20-20-20」というものがあります。これは20分ごとに20フィート(約6メートル)先のものを最低20秒間見るというもの。これで目を休憩させることができます。休憩の際は、6メートル先の観葉植物を見る、などと自分で決めておくといいかもしれません。
家でテレビを見る時の灯り
よく、「テレビを見る時は、部屋を明るくしてテレビから離れてみてください」という注意書きを見ますよね。しかし私たちは、家でテレビ、特に映画を見る時、部屋を暗くして映画館気分を醸し出そうとすることがあります。やっと出た新作のDVD。この待望の新作を、映画館のような臨場感で楽しみたい。カーテンを閉め、電気を消し、テレビをつける……。
残念ながら、これは良くありません。テレビの画面と周りの明るさに差があると、目がその両方に対して調整を繰り返してしまい、目を疲労させてしまいます。映画館の場合は視野全体に大きなスクリーンが飛び込んでくるので、周囲が暗くても大丈夫なのだとか。
部屋を暗くして映画館気分を味わうなら、テレビの後ろに照明を設置しましょう。テレビの周りの壁が明るくなるので目の負担が軽減されるのです。ここでもう一工夫、ソファーの下に灯りを置いてみてください。目線の下の光にはリラックス効果があります。これで、目にも心にも優しい、小さなホームシアターの完成です。
これらの灯り術を使えば、きっと目の疲れから解放されるはず。是非、目に優しい毎日を過ごしてみてください。
(参考) News Medical|Does looking at a computer damage your eyes? Simplify the Internet Business|目が疲れないスマホとPCモニターの明るさ調節とディスプレイ設定方法 結城未来著(2006),『頭がよくなる照明術』,PHP研究所.