今期もこんなに頑張ったのに、また昇進を逃した……。今度〇〇さんが昇格すると聞いたけど、どうしてあの人なんだろう。どう考えても自分のほうが能力は上じゃないか……。

人一倍頑張っているし、成果も出しているはずなのに、出世できない。もしこのようなことで悩んでいるのであれば、あなたのその頑張りはただの自己満足で終わっているのかもしれません。

頑張っているはずなのに出世できないのはなぜなのでしょう。そして、自分より成果が劣っているように見える人が出世していくのはどうしてでしょうか出世を目指す人がおさえておくべき大切なことを探ります。

頑張っているのに出世できないワケ

仕事でミスなどしないし、納期だって遅れたこともない。成績だっていつも上位。朝はチームで一番に出社して、チームの仕事のスケジュールもばっちり把握している。ミスした同僚がいれば、すかさず修正してあげている……。周囲にこんなに頑張っている人がいたら、出世しないわけがない、と思いますよね。でも、努力の甲斐なく出世できないのだとしたら、それはどこかに原因があります。

心理カウンセラーで企業向けの研修や講演なども手掛ける神田裕子氏は、優秀なのに出世できない理由のひとつとして「完璧主義」を挙げています。

完璧主義な人は、自分が仕事を完璧にこなせるあまり、周囲のメンバーや部下に対しても自分と同様の完璧さを求めてしまうことがあります。すると、仕事を完璧にこなせない人がいたとき、その人の欠点ばかりが目につき、苛立ったり叱責したりしてしまうでしょう。

仕事が完璧な優秀なはずの人物が出世できないのは、完璧主義すぎるがゆえにチームを率いる立場にはふさわしくない、と人事や上層部から判断されてしまっているからなのです。

もちろん、仕事の質は高いにこしたことはありません。ですが、出世するとは、複数の部下を持ちチーム全体をマネジメントする立場に就くということです。それと同時に、組織全体の士気を高めて仕事のクオリティを上げていかなくてはなりません。

仮に、完璧主義で優越感に溢れた人が出世したとしましょう。自分と同じ仕事観を押し付け、部下に求めるレベルが高くなりすぎると、部下やメンバーはついていけませんよね。このことに気がつかないでいる人ほど、「自分は頑張っているのに出世できない」と思い込んでしまうのです。

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自分より頑張っていないように見える人が出世する理由

出世する人の特徴について、人材育成・組織開発支援を手掛けるFeelWorks代表取締役の前川孝雄氏が興味深いことを言っています。

出世する人の特徴は、まず「仕事ができない」ということだ。若い頃、仕事ができる有能な人材がたくさんいたが、こういう人は以外にも出世しない。むしろ「大丈夫かな」と心配になった人たちのほうが次々と要職に就いていたりする。

あらためて彼らの立ち居振る舞いを考察してみると、「仕事ができない」というより、「できない」ことをさらけ出しているようである。自分はできないので、人にやってもらうしかなく、それを自覚するゆえか愛想がよく、まわりも思わず手を貸したくなるのである。

(引用元:前川孝雄の”はたらく論”|■出世するのは「できない人」、出世しないのは「できる人」

上で見てきたような完璧主義の人とは、まったく異なるタイプの人物像ですよね。このタイプの人には、「自分はこんなに有能だ」という自意識はありません。周囲の人の力を借りながら一緒に仕事を成し遂げています。「仕事は皆で協力してやるものだ」と認識しているのです。

コミュニケーション総合研究所代表理事の松橋良紀氏も、頑張っていないように見えて出世する人のことを「なんだかんだうまくいく人」と表現し、次のように分析しています。

「なんだかんだうまくいく人」は、仕事の成功を、「自分の実力」だけで生み出せたとは考えず、周りに感謝しています。
「今回、MVPを獲れたのは、チームのおかげです。みなさんのフォローがあったからです」
「課長になれたのは、チームのみんなと、よく指導してくれた部長のおかげです」
このように、事あるごとに感謝の言葉を口にします。
周りの人は今後も気持ちよく協力してくれます。

(引用元:リクナビNEXTジャーナル|なんだかんだ「うまくいく人」が知っている3つの法則

前川氏や松橋氏の分析からは、「それほど頑張っているようには見えない人がするっと出世してしまうのは人を巻き込むのが上手だから」、ということがわかります。出世するには、周囲のメンバーとの関わり方が鍵になると言えそうです。

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周囲を巻き込みながら仕事をするコツ

人一倍頑張っているのに出世できない人と、頑張っていないように見えるのに出世してしまう人の違いは、「周囲を巻き込む力」にあるのだとわかりました。では、周囲をうまく巻き込みながら仕事をするには、どうしたらいいのでしょうか。ポイントは、コミュニケーションの取り方にあります。

・オープンに話せること

コミュニケーションを頻繁に取れること、話しかけやすい雰囲気をまとうことが大切です。成果を出そうとして脇目もふらずに仕事をしているうち、「仕事はできるけど、何を考えているかわからない人だ」と言われるようになってしまったら、出世どころではありませんから。

・周囲の意見を取り入れ、考えを柔軟に変える

例えばあなたが会議で、「この商品は○○向けに売り出すべきだ。徹底的にリサーチしたから間違いない」と主張したとして、「いえ、別の観点からは△△向けに売り出してみるのもいいかもしれません」と言われたとしましょう。ここで頑なになってしまうと、「私のリサーチに間違いはないはずです」と主張し、話の流れを断ち切ることになります。

自分の意見を主張することはもちろんですが、時に軌道修正することはもっと大切なこと。組織全体、仕事全体が良い方向に進むためには柔軟な姿勢を持つべきです。

・マイナスな発言はプラスな言い方に変える

「自分は他人よりも頑張っている」と思う人ほど、人の失敗や欠点を指摘したくなるでしょう。しかし、それは良くありません。正しいことを言っているようではあっても、組織の中では浮いた人になってしまいます。

プリンシプル・コンサルティング・グループ代表取締役で、これまでに多くの経営人材を支援してきた秋山進氏は、ミスや欠点を指摘したいときは、次のように言い換えると良いと言います。

「○○の問題がある」を、「○○には、もう少し改善できる余地がある」に。

「○○の原因はだれだれだ」ではなく、「○○の際には、予期せぬ状況の変化があったため、現場の対応だけでは解決できない状況にあったと思われるのですが、これからは…」

といったように、問題から機会へ、ミクロからマクロへ、過去から未来へ、視点と言い方を変えるだけでも周りの受け止め方はずいぶん違う。

(引用元:DIAMOND online|成果がないのに出世する人、仕事はできるのに没落する人の違い

コミュニケーションにちょっとした工夫をするだけで、周囲との関わり方は変えることができます。自分の仕事に協力してくれる人が増え、仕事のクオリティが上がり、信頼が得られることで、出世という結果までもがついてくるのです。

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出世したいと願うなら、仕事に対する頑張りは当然必要です。しかし、自分の仕事の成果ばかりを追い求めて視野が狭くなってしまっては、出世は遠のいてしまいます。周囲を巻き込みながら仕事を進めることを心がけましょう。

(参考)
東洋経済ONLINE|「優秀なのに出世しない人」の不幸グセ4選
前川孝雄の”はたらく論”|■出世するのは「できない人」、出世しないのは「できる人」
“未来を変える”プロジェクト|仕事はできるのに、上司に嫌われる人の残念な特徴
DIAMOND online|成果がないのに出世する人、仕事はできるのに没落する人の違い
リクナビNEXTジャーナル|なんだかんだ「うまくいく人」が知っている3つの法則
東洋経済ONLINE|「永遠に出世しない人」の話し方、7大NGは?