「で? 要するに何が言いたいの?」 「うんうん、で、結論は?」 「……その話、オチはなんなの?」
こんな風に話を遮られた経験はありませんか? イラッとするのはもちろん、自分の話に価値がないのでは、と悲しくなりますね。
今回は、頭が良い人の話し方を徹底解説。「話が長いよ」と言われないための方法論をご紹介します。
1, 結論から先に話す
大前提となるのが「結論から話す」ことです。よく聞きますが、これがなかなか難しい。それは、人間が「過程」を大切にする生き物だからです。
例えば、あなたがスポーツ大会で優勝した場合を考えましょう。後から振り返った時に、真っ先に思い浮かぶのは、仲間と一緒の練習や、辛いトレーニングの風景のはず。結果は一瞬ですが、過程は長く続くもの。記憶や印象に強く残るのは、どうしても過程の方なんですね。
話をする際も同じです。結論を言うとすぐ終わってしまいますが、プロセスはないがしろにしたくない。だから、過程や手順をアピールしたくなるのです。
しかし、聞き手の視点に立つとどうでしょうか。話し手が大事にしてきた過程よりも、知りたいのは結論のほう。過程なんかには興味がないから、聞く気が失せます。すると、話そのものがどうでもよくなるんです。
結論を最後に持ってくる話し方は、聞いている人が飽き飽きしてしまいます。(中略)説明の最後に結論を持ってきてしまうと、聞いている人は疲れ、集中力がなくなっているので、聞き逃してしまいます。
(引用元:HappyLifeStyle|結論から話をすると、説明が分かりやすくなる。)
具体的な例を見てみましょう。あるセミナーに参加した時、主催者から質問がありました。それにあなたは答える必要があります。
主催者:「今日はどうしてこのセミナーにいらしたのですか?」 あなた:「はい、弊社では最近、売上の減少が顕著なんです。原因を細かく分析した結果、営業の人たちの数字がどうも下がっている。これって、営業の人たちのポテンシャルが低いっていうより、そもそも営業のイロハを知らないからなんじゃないか、という結論に至りました。そこで今日はこのセミナーで営業の基本を体系的に学びたいのです。」
ちょっとわかりにくいですね。それでは、結論を最初に持ってきましょう。
主催者:「今日はどうしてこのセミナーにいらしたのですか?」 あなた:「はい、営業の基本を体系的に学びたいからです。というのも、弊社では最近、売上の減少が顕著なんです。原因を細かく分析した結果、営業の人たちの数字がどうも下がっている。これって、営業の人たちのポテンシャルが低いっていうより、そもそも営業のイロハを知らないからなんじゃないか、という結論に至りました。」
どうですか? 中身は一切変えていません。本当に、結論の位置を移動させただけです。わかりやすさは一目瞭然ですね。みなさんも意識してみてください。きっと、相手の聞く姿勢も変わるはずですよ。
2, 補足説明はなくす
話の「補足説明」は無くしましょう。自分が「物足りないな」と感じる程度で話を切り上げるのです。それは、相手の時間を無駄にしないためです。
話の本質は「相手に情報を伝える」ところにあります。同僚との世間話でも、上司への報告でも同じ。相手に情報を伝え、相手から情報を受け取る。会話はこの作業の繰り返しなのです。
その時、一番気をつけるべきなのが「相手の時間を無駄にしないこと」。ビジネスの場なら、一層強く意識する必要があります。社会で活躍する人、稼いでいる人ほど、この意識が強いんだとか。
フリーのアナウンサーであり、スピーチコンサルタントとして活躍する「話し方のプロ」三橋泰介氏は、「稼ぐ人」と話す時のコツを次のように解説しています。
一番大切なのは、「相手の時間をムダにしない」ということです。 世の中で「稼ぐ人」といわれている成功者、ビジネスの実力者は、たいていの人が「時間」に対する意識の高い人です。 「自分の稼ぎを“時間給”に換算すると、極めて高額になる」 「時間を有効に使う者が、ビジネスを制する」 彼ら彼女らは、自分の時間をムダにすること、されることを極端に嫌うのです。
(引用元:日経Bizアカデミー|第2回【話し方の原則1】本質を捉え、簡潔に伝える「要約力」 - 現役アナウンサーが教える「稼ぐ人」の話し方)
これは、別に「稼ぐ人」と話す時だけに言えることではありません。社会に出て働く人なら皆同じ。話す際には、相手の時間を意識すべきなのです。
そのために、補足説明を無くしましょう。話の本質は「相手に情報を伝える」ことなのです。相手が補足説明なしで理解できれば、それでOK。もし理解できなければ必ず質問をしてくるはずです。その時に説明を付け加えればよいのです。
どうしても伝えたい補足説明があれば、最後に少しだけ付け加えるようにして、長くならないようにします。結論だけ話してしまって、聞いている人はわかるのだろうかと不安になるかもしれませんが、もし不安になったり興味が湧けば、後から補足説明を求められます。そのときに話せば良いのです。
(引用元:マイナビ 学生の窓口|できる人の話は短い! 相手に伝えたいことを伝える上手な話し方)
*** 実はこの記事も、「結論を先に」「補足説明を省略」というルールに則って書いてみました。実際に試すとわかるのですが「言いたいこと」がスマートに伝わり、発信する側の省エネルギーにもつながります。
みなさんも、ぜひお試しあれ。
(参考) HappyLifeStyle|結論から話をすると、説明が分かりやすくなる。 日経Bizアカデミー|第2回【話し方の原則1】本質を捉え、簡潔に伝える「要約力」 - 現役アナウンサーが教える「稼ぐ人」の話し方 マイナビ 学生の窓口|できる人の話は短い! 相手に伝えたいことを伝える上手な話し方