好きなことを仕事にする、と聞くと、そう簡単にはいかないと感じる人が多いかもしれません。しかし、そう考える人が忘れがちなのは、現代の社会には、「好きなこと」と一言で言っても、その中身には数多くの選択肢があるということ。

今回は、25歳にしてハリウッドで活躍する新進気鋭のコンセプトアーティスト田島光二さんが今の職業に就くまでの軌跡を参考にしながら、「好きなことを仕事にする」ということについて考えます。

「好きなこと」の中に、自分が活躍できるジャンルを探す

コンセプトアーティストとは、CG映画に出てくるキャラクターの造形の元になるイラストを描いたり、その動きを考えたりする役割を担っているアーティストのことです。

田島さんは、これまでに『GODZILLA(ゴジラ)』『進撃の巨人』『寄生獣』などの作品を手がけてきました。現在は、数々のハリウッド映画を手がけるイギリスのVFX制作会社「Double Negative Visual Effects」のシンガポール支社に在籍。ティム・バートン監督の最新作にデザイナーとして参加されています。

田島さんは、小さい頃は漫画家を目指していました。それは、自分が好きな「絵」の仕事として知っていたのが漫画家だけだったから。しかし、実際真剣に進路を考える時期になると、「絵を仕事にしたい」という思いは変わらないものの、進むジャンルについては曖昧なままだったそうです。

そんな時に偶然「3DCG」というジャンルを知り、ピンときたのだと言います。CGのジャンルはまだ歴史が浅く、この分野なら世界一になれるのでは、と感じたのだそう。

自分のやりたいことをやろう、好きなことをしようと考えた時。そんなに現実は甘くないと諦めてしまう前に、自分の好きなことの中には、活躍しうるジャンルとしてどのような選択肢があるのか、掘り下げて検討してみましょう。きっと、自分に合ったものが見つかるはずです。

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いつまでもめざし続けられる目標を決め、その目標のための小目標を積み上げる

「3DCGの分野で世界一になる」という壮大な目標。普通なら、大きすぎる目標を掲げると、逆にやる気を喪失してしまうものですよね。しかし田島さんは、その大きな目標を達成するためのステップとして、小さい目標を段階的に設置しました。大きな目標の存在は、自分が小さな目標をクリアし前に進むための原動力となったのです。

学生の時には、「世界一になる」という目標より手前に「ハリウッド作品に携わる」という目標。そしてその更に手前に、ハリウッド作品に携わるために実現すべき小さな目標を設定しました。その中には、例えば、「学校の課題を頑張る」というような、現実的で具体的な目標も。

身近なものでもすべて世界一につながっているという意識を持って、いつでもクオリティの高いものを作るよう心掛けながら、小さな目標を着々と実現していったのです。

いつまでも目指し続けられる大きな目標を設定し、その目標を達成するための小さい目標によって階段を積み上げていく。これは、振付師の夏まゆみさんも「階段の法則」と呼び、夢の実現に必要なものだと指摘しています。

自分が目指す場所に到達するために、とても重要な過程なのですね。

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逃げ道をなくす

田島さんは、親にお金を出してもらって専門学校に行くのだから、専門学校に通う2年間の間でハリウッドで活躍できるようになる、ということを目標にしました。そして限られた時間をすべてCGに費やすため、大好きだった映画や漫画、ゲーム、すべてを禁止してCGの勉強や制作に打ち込んだのです。

また、作品ができたら人に見せることも心がけていたそうです。公の場に作品を出すと批判やダメだしがあるものですが、どんなにダメだしされてヘコんでも、必ず、

『自分の作品が認められないのは努力が足りないからだ』

(引用元:CGトラッキング|本気度が凄い!Kouji Tajima(田島光二)氏がハリウッド進出の夢を叶える為に、実践した学生時代の勉強法がぱない。

と思うようにしてきたと言います。

できないことを周りのせいにすることはいくらでもできます。しかし田島さんは、良い作品は必ず認められると信じて、自分の逃げ道、言い訳の道をなくしていこうとしたのです。

期限を設けて自分を追い込んだり、周りのせいという逃げ道を断つためにも自分の実力を公の場で公開したりする。そうした姿勢が、田島さんを世界で活躍アーティストへと導いていったのではないでしょうか。

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田島さんのように、好きなことという大きなくくりの中に、自分のできることを見つけた例は、ほかの方にも見られます。例えば、現在多くのアーティストに楽曲を提供しているヒャダインさん。自分のやりたいことをして名をあげたいと考えた時に、音楽に関わる仕事がしたいと感じたそうですが、歌が下手だからシンガーソングライターは無理なので、作曲家をめざすと決めて行動を始めたのだと言います。

なりたいもののために、自分の将来につながる可能性を探し出す。1つ1つの小さな目標を達成するという努力を惜しまない。大きな目標のために全力で取り組む姿勢を、ぜひ見習っていきたいですね。

参考サイト
CGトラッキング|本気度が凄い!Kouji Tajima(田島光二)氏がハリウッド進出の夢を叶える為に、実践した学生時代の勉強法がぱない。
リクナビ進学|「3DCGで世界一に」「ハリウッド映画の制作をしたい」強い思いと行動力が成功のカギ!
Kouji Tajima 田島光二Twitter|@Kouji_Tajima
wikipedia|コンセプトアート
withnews|ヒャダイン「高校時代は暗黒でした」 人間関係に悩んだ末の転機
参考書籍
夏まゆみ著(2014),『エースと呼ばれる人は何をしているのか』,サンマーク出版.