あなたは普段、腕時計をつけていますか?
昨今はスマホやパソコンの画面で時間が確認できるため、腕時計を付けない主義の人も増えていますが、腕時計には“時間を見るだけ”ではないさまざまなメリットもあるのです。
4人に1人が腕時計を持っていない
株式会社マーシュが2014年に行った腕時計に関するアンケート調査によると、4人に1人は腕時計を持っていないそうです。そして、腕時計を持っていない、もしくは着用頻度が低いと答えた人の半数が、その理由として「携帯・スマホを持っているから」と答えています。
しかし、大事な商談で時間を確認するとき、カバンからゴソゴソとスマホを出して時間をチェックしていたら、どんな印象を与えるでしょうか。ビジネスのシーンでは、「スマホで時間確認」は未だマナー違反のなのです。
実際にマイナビニュースがビジネスマンに行った「初対面で相手のどこをチェックしますか?」というアンケートでは、1位が服装など身だしなみ、5位に時計やカバンなどの持ちもの、という結果が出ています。時計はこの両方に含まれるものであると同時に、つけていないというだけで時間にルーズな印象さえ与えかねません。
実際に「時計が嫌い」と答えた人の多くは「時計をつけていると腕が重い」「違和感がある」と答えていますが、ビジネスマンとしての第一印象が下がってしまうとなると、そうも言っていられなくなりますね。
時計が苦手な原因の対処法を早速検討してみましょう。
腕時計の不快感は、工夫次第で取り除ける
時計をつけたくない、という人の中には「時計がわずらわしい」という人もいます。汗をかいてバンドがムレてしまったり、重たくて手首がこるように感じたりと、腕時計による不快感はいくつか挙げられます。
これらは、席に着く時は時計をはずして置時計代わりにしたり、はずしてティッシュなどで文字盤裏をぬぐうことでだいぶ解消されます。
さらに、腕時計はカバンの取っ手などに巻いておくことができるので、走る時はカバンにつけるたり机の上に卓上時計のように置いておりたり。色々な用途が考えられます。
また素材的には、細めの革ベルトやスポーツウォッチが、ムレが軽減される素材を使っていたり、軽量なものが多いのでおすすめです。
また、人によっては服の袖で腕時計が隠れてしまい、時間確認のために腕を返したり、袖をまくったりするのが面倒という人もいるかもしれません。その場合は文字盤を手首の内側に来るようにして腕時計を装着することで解決することができます。内側に文字盤があると、手首を軽く曲げるだけで時間確認ができるので、動作がスムーズになります。
また、キーボードを打つ時に邪魔だと感じる人は、時計をはずしてパソコンの横に置いておくことで、先ほども述べたような、締切までの残り時間を確認する時計として活用することができます。
アナログ表記の多い腕時計こそ、現代社会に向いている
他の機器で時間を確認する場合、一番不便を感じるのは急いでいる時。たとえば電車に遅れそうで走っている時、スマホで確認しなければいけないとなると、カバンからスマホを取り出したり、ロック画面を解除するためホームボタンを押したりする必要があります。腕時計なら、その手間はありません。
さらに、多くの電子機器は、デジタル表示を採用しています。デジタル表示は現在時刻を確認するためには非常に役立ちますが、自分が間に合わなければならない時間までの残り時間を一瞬で把握することができません。 アナログの腕時計なら、見ただけで残り時間を確認することができます。
現代社会において、私達は常になんらかの締切に追われているものです。現在時刻の確認よりも、「あと残り何分!」と一瞬で、感覚で感じられるアナログの時計は、それだけで価値があるのではないでしょうか?
自分の中にリズムを作る
最後に1つおすすめしたいのが、“手巻き腕時計”です。これは、何日かに一度自分でねじをまいてあげないと止まってしまうというものです。電池交換が不要であること、着けていると愛着が湧きやすいところが魅力です。そして何より、自分の中でリズムを作ることができるような習慣を身に着けると、生活にメリハリがつけやすくなるというのがメリットです。
漫画『宇宙兄弟』で主人公の六太が宇宙に行く仲間のせりかさんに自分の手巻き式腕時計を渡すという場面があります。この手巻き時計は二日に一度自分で巻かないと止まってしまうため、せりかさんは宇宙でもきっちりとこの腕時計のねじを巻き、気持ちを切り替えていきます。
以前、あるNHKのテレビ番組『プロフェッショナル』で俳優の渡辺謙さんがブロードウェーでミュージカルの稽古に励む様子が紹介されました。その際、渡辺さんが奥さんと離れて一人暮らしをしていても欠かさない習慣としておっしゃっていたのが、「生花を部屋に飾ること」でした。花を飾ると、ちょうど一週間ほどで毎回交換することになる、その周期が、生活に区切りやリズムを与えてくれるというのです。
「二日に一度、静かな気持になって時計のねじを巻くこと」をあなたの生活のリズムとして取り入れても良いですね。
*** 腕時計を着けていることは、自分の時間確認に便利なだけでなく、周囲に時間管理がしっかりしている人であるという印象を与えることにも効果的です。また、何も何十万もする高級時計である必要はありませんが、身だしなみの一部である時計はしっかりとしたものをつけていることによって、あなたの第一印象まで上げてくれます。 今年度、ぜひ久々に時計デビューしませんか?
参考サイト 株式会社マーシュ|自主調査ダウンロード|ミニリサーチ 腕時計に関するアンケート Syohbido|時計の選び方 マイナビニュースキャリア|初対面の相手、顔以外でどこを見る?
参考書籍 小山宙哉|講談社|2014|宇宙兄弟23巻