仕事や学校での活動において、時間をかけて企画書を作成したにもかかわらず、あっさりとボツになってしまった……そんな経験はありませんか。なかなかつらいものがありますよね。
アイデアを実現させるには、企画内容さえ良ければ充分だ、ということはありません。そのアイデアについて企画書でどう表現するかにも注意しなければならないのです。そこで今回は、採用される企画書の書き方についてお伝えします。
企画書が採用されない理由
一生懸命考えた企画書が通らないのはいったいどうしてなのでしょうか。例えば、理由のひとつとして、そもそも企画の内容が練りきれていないことが考えられます。もしかすると、コンセプトや目指すゴールがはっきりしていないのかもしれませんね。また、コストがかかりすぎたりリスクが大きすぎたりするなど、アイデアを実行してもあまりメリットが得られないと思われる場合は、残念ながら周囲からの受けが悪く企画段階でボツとなってしまうでしょう。
このように、企画の内容が良くないから企画書が通らない、というのは納得しやすいですね。ですが企画書が通らないのには別の理由も考えられます。それは、企画した内容は良いものであるにもかかわらず、伝え方が十分でないという理由。この場合は本当にもったいないものです。
企画の提案者はどうしてその企画を実行するべきだと考えているのか、企画を実行すると相手にとってどんなメリットがあるのか、その企画は成功しそうだと言えるのか。企画段階でたとえこれらのことをきちんと検討してあったとしても、企画書における説明が不十分であれば、企画の意図はうまく伝わらないでしょう。
採用される企画書の特徴
その一方で、すぐに採用される企画書にはどのような特徴があるのでしょうか。2つ挙げてみます。
・企画のコンセプトが一貫して表現されている コンセプトとは、企画の軸となる考え方や思想のこと。企画書の全体を通してコンセプトが一貫して表現されていると、企画書を読んだ人は企画を実行する際の具体的なイメージを掴みやすくなります。「じゃあやってみるか」と決心することができるでしょう。採用されない企画書では、全体を通してその軸がぶれてしまっていることが多いものなのです。
・情報がきちんと整理されている 重要な項目は色を使い分けて示す、要所要所に図や写真を載せるなど、企画書では情報をきちんと整理することも大切です。黒文字だらけの企画書よりも、情報が整理され見やすく工夫された企画書のほうが、相手に与える印象は良くなり、採用に近づくことができるのです。
採用される企画書を書くコツ
では、私たちはどうすれば採用してもらえる企画書を書くことができるのでしょうか。具体的な方法をご紹介します。
1. 論理的な説明 いくら企画の内容が練られていたとしても、あるいは、色使いや図・写真の工夫によって企画書の見た目が良かったとしても、その企画に関して論理的な説明がなされていない場合は、採用されない可能性が高くなります。
企画内容の説得力を高めるためには、まず論理的に説明するためのデータを示しましょう。企画のニーズがどこにあるのかなど、企画がうまくいく根拠を具体的に説明することが必要です。ただし、集めてきたデータをそのまま示せば良いという訳ではありません。
例えば、あるアンケートがあったとしましょう。若者向けの企画を説明した企画書において、全年代を対象としたアンケート結果を用いたところで、説得力はあまりありませんよね。この場合は若者のみを対象としたアンケート結果を用いた方が企画の意図が伝わりやすいはず。相手に納得してもらうにはどのような情報を企画書に載せればよいか、よく検討するべきなのです。
2. 心を動かす「一言」 最後の一押しに、企画書を読む相手の心を動かすような一言を企画書に付け足してみてください。
例えば、「この企画が実現すれば市場に大きな変化をもたらすことができます。私たちの手で成し遂げませんか」と行動を促してみる言葉を付け足すのはいかがでしょうか。ちょっと大げさに聞こえるかもしれませんが、企画に対する意気込みは伝わるでしょう。
企画内容の説明が論理的に正しくても、相手の共感を得られなければ企画は採用されません。最初に論理的な説明をしてきたぶん、最後に自分の熱を込めたメッセージを加えることで、企画の本気度を伝えることができます。熱い一言によって、相手の決心を引き出すことができますよ。
*** 内容をよく練り、しっかりと企画書を作り込むこと。これが採用される企画書の条件です。みなさんも、お伝えしたコツをぜひ実践してみてください。
(参考) PRESIDENT Online|企画書は“画像は左、説明は右”で構成する CNET Japan|“通る企画書”の書き方(1)--企画や提案書の本質を知る INSIGHT NOW! プロフェッショナル|説得力ある企画提案書の8つの構成要素