紙一枚でまとめる「トヨタ式」ドキュメント。無駄をなくして本質を伝える。

みなさんは、報告書や議事録などの書類づくりがはかどらない、苦労して作った企画書の提案が通らない、このような経験はありませんか?

今回は、そんな悩みを一気に解消する、画期的な書類作成法をご紹介します。

説得力のある書類をすばやくつくることができれば、仕事の大幅な効率アップにもなりますし、上司や取引先からの評価が上がるかもしれませんよ。

トヨタ式「紙1枚」とは

説得力のある書類作成方法、それは「トヨタ式 紙1枚の書類作成方法」です。トヨタでは、企画書も報告書も議事録も、どんなに複雑な案件の書類であっても、紙1枚にまとめるのだそうです。

あれもこれもと、伝えたいことを全て詰め込んでしまったり、念のため……と、本題とは直接関係のない表やグラフを並べてみたりした結果、いざ印刷してみたら資料が5枚になってしまった! ということはありませんか? 枚数が増えれば、ホチキスやクリップでの作業も必要になってしまいますし、何より読むのが大変になってしまいます。

それでは、相手に伝えるべき様々な情報を「紙1枚」にまとめるトヨタ式書類作成術とは、いったいどういうことなのでしょうか。まず大きな特徴からご紹介していきます。

1. ひと目で全体を見ることができる、一覧性を意識する 書類を紙1枚にまとめることで「ひと目で全体が見える」ようになります。たとえば、文章で説明された道案内よりも、目的地までの道のりがひと目でわかる地図の方が理解しやすいですよね。このように、ひと目で全体を見ることができるという一覧性を意識することで、相手に伝わりやすい書類になるはずです。

用紙の大きさについては、トヨタでは普段の業務ではA4サイズの用紙を使うことが多く、表やグラフが挿入された複雑な書類(企画書やスケジュール管理など)に関しては、より一覧性にすぐれたA3サイズを用いているようです。

2. 議題(テーマ)ごとに枠(フレーム)で囲む 議題をひとつずつに分け、それぞれをフレームで囲みます。フレームの中に重要かつ必要最低限の情報を入れることで、議論する内容がシンプルになり、資料を基にして会議を行う際などに話が脱線してしまうというリスクを減らすことができるでしょう。また、万が一、話が脱線したとしても、軌道修正がしやすいため、建設的な議論が行いやすいという利点もあります。

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どの「紙1枚」にも共通する5つのテーマ

このように、書類を紙1枚にまとめることで、相手に伝わりやすく、かつ議論しやすくなるというメリットがあります。では、伝えるべきたくさんの情報を、どのようにして紙1枚にまとめるのでしょうか?

トヨタ在籍中に「紙1枚」による書類作成術を究め、『トヨタで学んだ「紙1枚」にまとめる技術』を執筆した浅田すぐるさんは、以下のように述べています。

先輩や上司が作った何枚もの「1枚」を見ていくうちに、そこには共通する5つのテーマがあることに気づいた。①目的 ②現状 ③課題 ④対策 ⑤スケジュール の5つがそれだ。

(引用元:浅田すぐる著(2015),『トヨタで学んだ「紙1枚」にまとめる技術』,サンマーク出版.)

それでは、いよいよ紙1枚にまとめる手順をご紹介します。まず、5つのフレームをつくってください。次に、5つのテーマ「1.目的 2.現状 3.課題 4.対策 5.スケジュール」に沿って内容を埋め、書類を作成していきます。

たとえば、売上目標達成会議の書類をつくることになったら、

1.目的:売上目標の達成 2.現状:目標額の70% 3.課題:30%の売上確保 4.対策:大型案件を追いかけつつ、小規模案件の契約を積み重ねる 5.スケジュール:1カ月以内に顧客へのヒアリング→3カ月以内の契約を目指す

と記載してみましょう。ここでは会議用書類を例にして説明しましたが、5つのテーマを明確にすることで、報告書も企画書もこのやり方でつくることができます。

*** 「紙1枚」にまとめる書類作成術を、明日からの仕事にぜひ活かしてみてくださいね。

(参考) 浅田すぐる著(2015),『トヨタで学んだ「紙1枚」にまとめる技術』,サンマーク出版. Nikkei BPnet|ビジネス文書に才能は不要 3つのルールを守れば必ず伝わる Bizpow|トヨタで学んだ「紙1枚!」にまとめる技術』要約まとめ 美女読書|トヨタ流「紙1枚」にまとめる技術で仕事の効率アップしよう! PRESIDENT Online|トヨタ式報告書は「7ステップ」をA3用紙1枚 ミクスOnline|紙1枚にまとめるというシンプルな方法を実行している人、していない人

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