「何を書けばいいかわからない」
会社の企画書からブログやFacebookの投稿に至るまで、そう嘆く人は多い。どうしてだろうか。
それは、書く準備をしていないからだ。
今日ご紹介するのは、「何を書けばいいかわからない」人のための一冊。
この本を読めば、その悩みは一挙に解決する。
(以下引用は本書より)
「書く」行為は全体の20%にすぎない
「書けない」と嘆く人の多くが、準備不足だ。そう筆者は語る。事実、この本の70%が、書く前の段階の「情報収集」について書かれている。
ラグビーを知らない人にラグビーの魅力をわかりやすく説明するにはざっと以下のようなプロセスを踏む必要があります。 ①ラグビーについて調べる ②実際にラグビーの試合を観る ③ラグビーの魅力を実感する(理解する) ④ラグビーを知らない人の気持ちを察する ⑤その人たちが理解できるように、わかりやすい文章を作る ここで注目したいのが、①~⑤のうち実際に書く作業の割合です。そう、書く作業は⑤だけなのです。均等割すると全体の20%。つまり、全体の80%(①~④)は、書く前のアクションなのです。
「書けない」という悩む人は、その他の80%にかける時間が圧倒的に足りていない。何もない状態でPCに向かっても、書き始められるわけがないのだ。
文章作成は「日常」から始まっている
ネタを集めればいいんだな。それならPCの前に座ってから調べ始めればいいじゃないか。そう思った人はいないだろうか?
この本は、その考えにはっきりNOを突きつける。普段からアンテナを張り、情報を能動的に取り入れる習慣をつけないと、ネタは集まってこないのだという。
お笑い芸人たちの軽妙なトークを聞きながら「よくもまあ、おもしろいエピソードが次から次へと出てくるものだ」と感心することがあります。 しかし、彼らは、たまたまおもしろいエピソードに遭遇しているわけではありません。日頃から「おもしろいエピソード」にアンテナを張っているおかげで、「おもしろいエピソード」(一般人が見逃しているネタ)に気づくことができるのです。
逆に、アンテナを張らなければ、身の回りに溢れる情報に気づくことができない。
これは「カラーバス」と呼ばれる方法にも通じる。カラーバスとは以前Study Hackerでも紹介したアイデア創出法。例えば、赤色を意識していると、赤いものが次々と目につくようになり、普段は気に留めていなくても、意外とたくさんの赤いものがあることに気付くだろう。このように、一つの物事に注目することで、今まで目に留まらなかったものや、考えつかなかった事実を発見できるというのがカラーBATHだ。
文章も、それと同じ。ネタが欲しければ、そのためのアンテナを張ればいいのだ。
*** この本では、文章作成のための「情報取集」に焦点があてられている。SNSの普及によって、私たちは「アウトプット偏重型」の人間になっているのかもしれない。しかし、アウトプットのためには、まずインプットが必要。そのことを肝に銘じる必要があることを教えてくれる一冊だ。
参考 山口拓朗著(2016),『何を書けばいいかわからない人のための「うまく」「はやく」書ける文章術』, 日本実業出版. StudyHacker|暗記効率をラクに高めるスーパーテクニック。「カラーBATH」と「マインドマップ」って?