「単調な毎日」が脳に危険すぎるワケ。まずは “憧れの上司” をランチに誘いなさい。

毎日同じような勉強や仕事の繰り返し。ただエネルギーが吸い取られていくだけで、正直楽しくない……。

このような日々を送っていたら、誰だって刺激が欲しくなりますよね。何らかの刺激があれば気持ちにメリハリがつき、自然とやる気も出てくるもの。いつもの勉強や仕事に取り組みやすくなるはずです。

そこで今回は、退屈な毎日を抜け出し刺激を受ける簡単な方法についてお伝えします。

刺激がないことのデメリット

毎日が単調であることには、ただ「つまらない」ということ以上のデメリットがあります。

フロリダ州立大学の研究者であるJoseph Grzywacz氏が、約5,000人の成人を対象とした調査結果に基づき指摘したところによると、職場で刺激がなく労働者が退屈だと感じる状況にある場合、彼らの脳の認知機能が低下する可能性があるのだそう。

この調査では、新しくスキルを習得したり新しい課題に取り組んだりするような複雑な仕事をすると、脳の認知機能が維持されることが明らかになりました。つまり、いつも同じ仕事をしているだけだと、脳に刺激のない状態が続き、脳はそのまま衰えてしまうということ。

もし今みなさんが日々退屈な状態をずっと放置しているならば、知らず知らずのうちに自分の脳に悪影響を与えてしまっているかもしれませんよ。

単調な毎日でも刺激を得る方法

では、私たちはどのようにすれば、退屈な毎日の中でも刺激を受けることができるのでしょうか。具体的な方法を3つご紹介します。

1. モチベーション・パートナーと話す

モチベーションを切り口としたコンサルティングを行う株式会社リンクアンドモチベーションの代表取締役会長、小笹芳央氏は、自分を心機一転させるような刺激を得るには「モチベーション・パートナー」と話をするとよいと伝えています。これは同社の社員も日頃から実践している取り組みなのだと言います。

モチベーション・パートナーとは、「この人と話していると元気がもらえる」と感じるような人のこと。そういう人を普段から探しておき、近くに数人いると良いのだそう。

ランチや休憩などを利用して、職場の憧れている上司や、行動力や知見に溢れた先輩などと話をしてみてください。自分が経験したことのない話を聞くだけでも良い刺激になり、きっと新たな知見を得られるはずです。自分の働き方・考え方にプラスになる情報だってあるかもしれません。

2. 新しいことを始める

医学博士である米山公啓氏によれば、脳を刺激するためには「新しい経験・変化を与えること」が肝心なのだそう。そのために有効なのが、視覚や聴覚、嗅覚、味覚、触覚といった五感をフルに用いた体験をすること。

例えば、仕事の休憩時間に、まだ一度も入ったことのない定食屋に入ってみてはいかがでしょうか。また通勤時に、毎日少しずつ違う道を歩いてみるのはどうでしょう。このようにすれば五感を刺激することは簡単です。仕事は同じことの繰り返しであっても、日常に新しい体験を取り入れ、脳を刺激することができるはずです。

また仕事においては、普段業務を共にしない人と話をしてみたり、新たなプロジェクトに自分から関わってみたりすると良いでしょう。きっと日々の単調さが緩和されますよ。

3. 意思決定の回数を増やす

単調な毎日では、決められたことを繰り返すばかりで、自分で何かを考えて決定することは少ないかもしれません。ですが、日々への満足度を高めるためには自己決定する回数を増やしたほうが良いでしょう。

神戸大学社会システムイノベーションセンターの西村和雄特命教授と同志社大学経済学研究家の八木匡教授が、国内2万人に対し実施されたアンケート調査結果を分析しました。それによると、所得や学歴よりも進路に関する「自己決定」が、自身の幸福感を高めるのに強い影響を与えていることが明らかになったのだそう。

日々の生活のなかでは、進路を決定するシーンはさほど多くありませんが、それ以外でも自己決定を行う場面はたくさんあるものです。今日の仕事はどういう順で行うか仕事をしながらどの飲み物を飲もうかどんな音楽を聴いてリフレッシュしようか。こういったことを考えるだけでも、自分で意思決定をする機会を増やすことはできます。

自ら判断したことであれば、「いつもと同じように」物事に取り組む場合に比べて、より責任と誇りを持ちやすくなるでしょう。それが達成感や自尊心につながり、モチベーションの向上が期待できるのです。

新しいことに取り組めば、心地よい緊張感が得られ仕事が楽しくなる

単調な日々の仕事に刺激を取り入れることがいかに大切であるか、よくわかる例を紹介しましょう。伊勢丹ホールディングス元社長・大西洋氏が語ったお話です。

百貨店業界の場合、若手のうちは店頭での接客を楽しめても、中間管理職になると事務やマネジメントの仕事が増え、雑務ばかりで仕事がつまらなく退屈になりがちなのだそう。

そのような時に大切なこととして大西氏が勧めるのが、積極的に現場に立ち刺激を得ること。新人に戻ったような気持ちで現場に立ち客と接すれば、仕事の面白さを改めて実感できるだけでなく客のニーズまで見えてくるのだと言います。

このようにして知り得た客のニーズをもとにして立ち上げた婦人靴のオリジナルブランドは、良くても数千足と言われる婦人靴業界では異例の3万足近いヒットとなったそうです(数値は2013年、大西社長(当時)インタビュー時のもの)。

大西氏は次のように語っています。

「いつも新しいことに取り組むからこそ、心地よい緊張感をもって働けるし、お客様にも期待を超える感動を提供できる。1人ひとりがそれぞれの仕事のレベルにおいて、少しでも新しいことを取り入れていけるかどうかが、組織全体の仕事の楽しさ、そして強さを左右するのではないでしょうか」

(引用元:PHP Online衆知|[仕事を楽しむ]異質なものを受け入れて積極的に変化を求める

また大西氏は、自分とは異なる考え方を持つさまざまな人と会って思考の枠を広げることも加えて重要だと述べています。そうすれば「仕事が退屈だ」といった悩みについても多角的に見ることができるようになるのだそう。退屈な毎日を打破するには、やはり様々な知見に触れ刺激を得ることが大切なのですね。

*** 筆者自身も、大学と自宅の往復ばかりで退屈な日々を変えるため、新しいことにチャレンジしたことがあります。大学で商品開発や出版のプロジェクトに関わったり、海外研修に参加したりした結果、人脈が増えただけでなく考え方が柔軟になり、よい刺激になりました。自分から新たなことに飛び込んでみた結果、日々の充実感が増し、普段の学業にも精が出ました。

みなさんも、退屈だと感じた時は、ここでお伝えした方法を試し、自分の外に目を向けてみてください。刺激が得られ、活き活きした日々が送れるはずです。

(参考) 神戸大学|所得や学歴より「自己決定」が幸福度を上げる 2万人を調査 日経BP社|モチベーションを創る技術|【15】モチベーションコントロールの鍵は「刺激」 PRESIDENT Online|単調な日々を変えたかったら【1】 PRESIDENT Online|「脳が突然回り出す」環境スイッチ&おつまみ PHP Online衆知|[仕事を楽しむ]異質なものを受け入れて積極的に変化を求める Dairy Mail Online|A boring job clearly CAN make you brain dead: Lack of simulation ‘affects memory and connection later in life’

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