「散らかりすぎの机」は脳に最悪。あなたが “まず捨てるべき” 5つのもの

散かった仕事机から捨てるべきもの01

積み重なった書類、モニターを囲うように貼られたふせん、ペン立ていっぱいの文房具など――オフィスでも家でも、つい散らかりがちなのが「仕事机」ですよね。

仕事机を散らかしたままにしておくと、生産性集中力、さらには周囲からの評価などにも悪影響を及ぼすことが、実際の調査研究でわかっています。

それらのデメリットに迫りつつ、いざ整理整頓をする際に「まず捨てるべき5つのもの」を紹介していきましょう。

散らかりすぎの仕事机は最悪……これだけの根拠

仕事をする環境が片づいていないことの第一のデメリットは、単純に「探し物に時間がかかる」ことです。これは多くの方が想像できるでしょう。大手文房具用品メーカーのコクヨが1,031人を対象に実施した調査によれば、1日の中で紙の書類を探す時間は平均約20分なのだそう。1年に換算すると80時間にものぼります。

しかし、探し物によって失われる時間はそれだけではありません。カリフォルニア大学アーバイン校教授のグローリア・マーク氏が行なった研究により、探し物等で作業を一度中断してしまうと、もとの集中力を取り戻すまで平均23分15秒もかかることがわかっています。つまり、物を探すという行動そのものが時間の無駄になるだけでなく、それに付随して作業効率の低下も引き起こしてしまうということ。

また、散らかった環境が間接的に与える悪影響もあります。プリンストン大学神経科学研究所のステファニー・マクメインズ氏らによるMRIを用いた調査によれば、乱雑な環境下では注意力が分散し、集中力も低下してしまうのだとか。

加えて、周囲からの評価が下がることを示唆した研究結果もあります。ミシガン大学で心理学を研究するテレンス・ホーガン氏らが行なった実験では、被験者を「整理整頓された研究室」または「散らかった研究室」に案内し、その研究室の持ち主である研究者の特徴を推測させました。その結果、後者(※研究室が散らかっている)の研究者のほうが、不誠実・神経質といった評価を下される傾向にあったとのこと。

散らかった環境は、私たちから時間・生産性・注意力・集中力を奪うだけでなく、他者からの評価さえも下げてしまうのです。

散かった仕事机から捨てるべきもの02

まずは “この3つ” を捨てて

「自分のためにも整理整頓を始めよう」と思い立ったら、まず取りかかるべきは「物を捨てる」こと。不要なものを捨て、必要なものだけを残すことで、散らかった環境が片づくのはもちろん、その後の整理整頓も簡単になるでしょう。

『新・片づけ術 断捨離』などの著書を持つやましたひでこ氏は、物をすべて机の上に出して並べ、現状を把握したうえで、以下の物を順番に捨てていくことをすすめています。

【1】明らかに必要のないもの

まず捨てるべきは、明らかに必要のないガラクタたち。インクの切れたペンや、どこかでもらったノベルティなど、「なぜ残していた?」というものが見つかるはず。作業環境を圧迫しているガラクタたちをどんどん捨てていきましょう。

【2】いまの自分に必要のないもの

次に捨てるべきは、いまの自分に必要のないもの。やました氏は、「まだ使えるか、使えないか」ではなく、「いまの自分にとって必要か、必要ではないか」で判断するべきだと述べます。たとえば、買ったはいいものの全然使っていないPC関連用品など。思いきってばっさりと捨ててしまいましょう。

【3】持っていて違和感のあるもの

「これってなんか……」と違和感を覚えるものも、捨てる対象です。たとえば、昔は気に入っていたものの趣味が変わって使わなくなった文房具、プレゼントでもらったが自分の好みには合わない置き物、使いづらいデスク用品など。持っていて違和感や不快感があるものは、思いきって捨ててしまいましょう。必要になれば、違うものをまた買えばいいのです。

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たまりがちな「書類」と「名刺」もこうすれば片づく

基本的には上記3つの観点から捨てていけばいいのですが、「とはいえ……」と残してしまいがちなのが人間というもの。特に仕事机にたまりがちなのが、「書類」と「名刺」ではないでしょうか。どうすればこれらを捨てられるか、もう少し詳しく探っていきましょう。

【4】書類はトヨタ式「赤札活動」で

書類こそ、「いつかまた読み返すかも……」と思って残してしまうものの代名詞ですよね。そんなときに役立つのが、トヨタで実践されている「赤札活動」です。トヨタでは、現場のリーダーが定期的に、使わないものや使えないものに赤札を貼り、期限が来たら捨ててしまうのだそう。

これを応用して、「もらった日付」と「捨てる日付」をふせん等に書き、書類に貼りつけていきましょう。「捨てる日付」は、1ヶ月や半年後など、自分が「この期間内に使わなかったら、もう一生使わないだろう」と思う日付で大丈夫。こうすることで、「いつかまた読み返すかも……」の「いつか」が可視化され、捨てる際の根拠になってくれます。

【5】名刺は「全捨て」を基本に

名刺もたまりがちですよね。『スッキリ捨てる 持ち物ダイエット』などの著書で知られる、捨活(すてかつ)アドバイザーの岡田敏子氏は、そんな名刺の「全捨て」を推奨しています。とはいえ、「いつか連絡をとるかも……」という不安はなかなか拭えませんから、実行に移しづらいかもしれません。

そこで岡田氏は、名刺を交換したその日のうちに「今日はありがとうございました」などとメールをしておいて、送信リストにアドレスを残しておくことを提案しています。もし、こういったメールを送ることすら億劫なのであれば、その相手は「あなたにとって重要な人ではない」と岡田氏は述べます。そんな人の名刺を残しておいたところで、使う機会は十中八九来ないのです。

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物を捨てて仕事机を整理整頓したあとも、それを維持することが大切。収納インテリアアドバイザーの大橋わか氏は、「入ってくるものと出ていくものの量をイコールにすること」が整理整頓の基本だと述べています。

本記事では、捨てるべき5つのものを紹介しました。あなたの生産性や集中力のためにも、まずは「捨てる」ことから始めていきませんか?

文 / 谷口亮祐

(参考)
PR TIMES|書類を探す時間は“1年で約80時間”
Fast Company|Worker, Interrupted: The Cost of Task Switching
ハーバード・ビジネス・レビュー|デスクが散らかっていると集中力も生産性も低下する
ScienceDirectDoes|Does your messy office make your mind look cluttered? Office appearance and perceivers' judgments about the owner's personality
THE21オンライン|「8割捨てる」ことで仕事はスイスイ回り出す!
プレジデントオンライン|探し物で使う年間150時間は、どうしたら減らせるか
エイ出版社|仕事の効率が劇的にUP! 名刺もデスクも「捨てて」整理せよ【捨活】
はたラボ|探す時間を短縮して仕事の生産性もアップ!「ラベリング」と「モノの起点終点」を考えて、デスクを整理整頓しよう

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