学びを高速化する超重要「6つの要素」。Google、ハーバード大の一流脳トレーナーが提唱!

点と線で表現したニューロン。高速学習が身につく「FASTER」メソッド のイメージと文字。

どんな人でも高速学習が身につく「FASTER」をご存じでしょうか。Google、ナイキ、スペースX、ハーバード大学といった名だたる企業や大学のほか、ハリウッドの大物も顧客として抱える脳トレーナーのジム・クウィック氏が提唱するメソッドです。

クウィック氏は加速学習のほか、記憶力の改善や、脳の最適化といった分野で知られる世界的なエキスパート。今回は、そんなクウィック氏が “誰でも速く学習できる簡単な方法” として伝える「FASTER」メソッドを掘り下げていきます。

ジム・クウィック氏について

ジム・クウィック氏は子どもの頃、頭に負ったケガのせいで学習障害に陥っていたそうです。同氏の著書『LIMITLESS 超加速学習──人生を変える「学び方」の授業』(東洋経済新報社)には、「バカだ、頭が悪い」と自分を卑下する気持ちでいっぱいになっていた事実が記されています。

しかし、そんな逆境に苦しみながらクウィック氏は、さまざまな出会いと発見を繰り返し、独自の学習法を確立していきました。 その根底にあるのは次の発想です。

「リミット(制限や制約)を外す」

人は学習や経験を重ねて自分らしい思考を育んでいくと同時に、「私は〇〇が絶対に無理」などといった限度も学びます。しかしクウィック氏は、制限や制約を学べるなら、それらを手放すこともまた学べると考えます。

銀河系のようなニューロンのイメージ

「FASTER」とは

FASTER は “より速く” を意味する言葉ですが、「FASTER」メソッドの FASTERは、「Forget・Act・State・Teach・Enter・Review」の頭文字をとった言葉でもあります。この6つの要素が高速学習を実現させるのだとか。関連する知見、解釈を交えて順番に説明していきます。

▼【Forget:忘れる】

クウィック氏は「目の前のことに集中する場合、忘れたほうがいいことが3つある」と述べます。

  1. 「すでに知っていること」は忘れたほうがいい

    「〇〇について知っている」という感覚は、新しい知識や情報の吸収を阻むことがあるそうです。子どもの学びの吸収が早いのは、“知っていること” を入れるためのスペースに十分な空きがあるから。どんなときもビギナーズの精神で取り組むことが大切です。

  2. 「急ぎ・重要ではないこと」は忘れたほうがいい

    2009年8月24日に発表された米スタンフォード大学の研究では、マルチタスク度の高い学生より、マルチタスク度の低い学生が記憶テストでよい結果を出したそうです。急ぎでも重要でもないことを頭に留めていると、気持ちがあちこちに向いて「いま」に集中できません。いったん忘れることが非効率なマルチタスクの回避になるでしょう。

  3. 「自分の限界」は忘れたほうがいい

    「自分は学習能力が低い」「記憶力がよくない」といった先入観に執着すると、限界ばかりに気をとられ、可能性に目を向けなくなってしまいます。クウィック氏は人間の能力に上限はないと述べ、心を解放して「私はできる」と思うようアドバイスしています。まさに先述の「リミットを外す」ですね。

扉の向こうに光の世界。自分の限界という思い込みを打ち破るイメージ

▼【Act:行動する】

クウィック氏によれば、人間の脳は情報を吸収するよりも、創造するほうがずっと多くを学べるとのこと。受け身ではなく能動的に学ぶことで思考が活発化し、創造性が増すはずです。クウィック氏は、どうしたらもっと積極的に学べるか考えてほしいと述べます。

「教えてくれないから、わからない」ではなく「わからないが〇〇ではないだろうか? 〇〇氏ならヒントをくれるかもしれない。要点を絞って聞きに行こう」にする、といった具合です。

大学生が教授に質問している様子。能動的に学習している

▼【State:状態を整える】

ものすごくおもしろいと感じた本の内容はよく記憶に残るのに、退屈だと感じた本の内容はまったく記憶に残らない……。

クウィック氏によると、学習効率は学ぶ人の状態に依存しているのだそう。だから「嬉しい」「楽しい」「好奇心をそそられる」といった状態に整え学習するといいとのこと。

たとえば楽しい予定の直前に単語帳を見る、勉強を始める前に好きな音楽で気分を盛り上げる、勉強科目の選択を気分に合わせる、机や椅子、空調や光などに配慮して快適な学習環境にする、大好きなお茶を飲みながら勉強するなどはいかがでしょう。

明るい部屋で楽しく学ぶ若い世代の女性

▼【Teach:教える】

学習効率をグンと高めたいなら、誰かに教えるつもりで勉強するといいのだそう。「他者にどう説明するか」を意識して勉強することで、注意力や探求心が高まるからです。背景にある「他者に理解・納得・感心してもらいたい」といった欲求もあと押しするはず。

明治大学法学部教授の堀田秀吾氏も、56人の大学生を対象にしたワシントン大学セントルイス校の研究で、人に教えることを前提に学習したグループが好成績を残した結果を紹介し、「学ぶ」と「教える」は表裏一体との意見を述べています。

学んだ知識を友人あるいは同僚に教えている様子

▼【Enter:書き込む】

最もシンプルで強力なツールは「スケジュール帳」なのだとか。“予定する” とやり遂げられる確率が高まるからです。

スケジュール帳を活用するにあたり、レポートの提出日、勉強する科目や時間といった通常の予定も大切ですが、個人のパフォーマンスを向上させるためには、あまり書かれることがない「自己開発や人間的成長のための時間」を書くことが大切なのだそう。

読書でも、映画鑑賞でも、絵を描く、詩を書くでも、尊敬する人との対話でも、セミナーでもジョギングでもなんでもいいので、目の前の勉強以外の、自分の脳と体を鍛えるための予定を書き込みましょう。

いろいろと予定が書き込まれたスケジュール帳

▼【Review:復習する】

時間を空けて復習を繰り返すと、情報を保持する脳の力が高まり、記憶に残りやすくなるそうです。逆の例を挙げると、アメリカの1,300人あまりを対象にした2008年の研究では、学習の直後に行なった復習は、最も効果が見られなかったとのこと。

こうしたメカニズムを活用する方法として、クウィック氏は読書の前に少し時間をとり、前回の読書でインプットしたことを思い出すようアドバイスしています。それにより脳は復習した素材をより重要とみなし、かつ次に入ってくる情報にも備えるそうです。「学んだら、次回の勉強前に復習すべし」ですね。

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高速学習が身につく「FASTER」メソッドを紹介しました。ぜひご活用ください。

(参考)
ジム・クウィック著,三輪美矢子訳(2021),『LIMITLESS 超加速学習──人生を変える「学び方」の授業』,東洋経済新報社.
クーリエ・ジャポン|どんなことでも素早く習得する魔法の4ステップ「F.A.S.T.」
ベネッセ教育情報サイト|科学的な実証に基づいた「効率のよい勉強法」とは?
東洋経済オンライン|誰でも「高速学習」が身につく「FASTER」の法則
AFPBB News|「ながら」作業は非効率、米スタンフォード大学
CREA|絶対忘れない勉強法① 「誰かに教えるつもり」で

【ライタープロフィール】
STUDY HACKER 編集部
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