“能動的” に学べば楽しくなる&覚えやすい! 「疑問ノート」で勉強して感じた確かな効果

能動的に学べる「疑問ノート」01

「上司に促されて、興味がない分野を勉強している。まったく楽しくないし、内容もなかなか頭に入らない……」
「資格試験に合格する必要があり、知識をひたすら詰め込んでいるけど、覚えが悪い……」

そんな人は、受動的に学ぶ癖がついてしまっているかもしれません。上記のような悩みを解消するコツは「能動的に学ぶ」こと。それが可能になる「疑問ノート」という勉強ノート術をご紹介しましょう。

「能動的に学ぶ」とはどういうことか?

脳科学に基づいた学習指導を行なう医師の吉田たかよし氏は、「脳を能動的に使うこと」が「脳のスペックを拡張するための大原則」である、と説いています。

「脳のスペックを拡張する」とは、記憶力や思考力など、勉強で必要なさまざまな能力を高めるという意味。そして「脳を能動的に使う」ことは、自らの意思で能動的に考えることによって可能となるそうです。

その反対に、受動的な勉強を高い負荷で行なうと、脳の働きに悪影響を与えてしまうとのこと。受動的な勉強の例として吉田氏は、休憩をとらずに知識を詰め込む、考え方のパターンを丸暗記する、といった勉強を挙げています。

また、“やらされ感” のある勉強をしているときに感じがちな「嫌だ」という感情も、脳にとってはよくないようです。

東北大学加齢医学研究所教授の瀧靖之氏は、「嫌だという気持ちは、記憶をつかさどる海馬の活動を抑えてしまうと解説しています。その理由は、感情をつかさどる扁桃体と、その近くにある海馬が、密に連携して働くため。記憶の定着のためには、「好き」「楽しい」と感じつつ学ぶことが大切なのだそうです。

以上のことをふまえると、勉強能力を高めるカギは、楽しみながら能動的に勉強すること。もしあなたが参考書を何回読み返しても記憶に残らない……と悩んでいるのだとしたら、その理由は、嫌々ながら受動的に勉強しているからかもしれません。

能動的に学べる「疑問ノート」02

では、能動的に勉強するには、具体的にどうすればいいのでしょうか。

吉田氏がすすめるのは、「これはどういうことだろう?」「あ、そういうことか!」と意識的に考えること。問題を解いたあとで「どうやって答えを出したっけ?」と振り返ったり、寝る前に「ああ、こうだったな」と思考プロセスを思い出したりするのもいいそうです。

また瀧氏は、楽しみながら学ぶコツとして「これができるようになったら、こんなことができるようになる!」とイメージするとよいとしています。上司に言われてしぶしぶやっている勉強も、将来のポジティブなイメージをもてば、「好き、楽しい」と思いやすくなるのです。

楽しみながら能動的に勉強する――このイメージがつかめてきたでしょうか?

能動的に学べる「疑問ノート」03

能動的に学ぶには「疑問ノート」が役立つ

能動的な学びに役立つ方法として今回ご紹介したいのが、「疑問ノート」です。これは、東大医学部生の片山湧斗氏が、著書『東大生のノートから学ぶ 天才の思考回路をコピーする方法』で推奨しているノート術。勉強する内容に加えて、「疑問に思ったこと」と「自力で調べた答え」を、ノートに書いていきます。

そのメリットは、能動的に疑問をもつことで、調べたことや納得したことを忘れにくくなるというもの。特に、次のような「過去の知識と結びつける疑問」をもつことが重要だと、片山氏は著書のなかで解説しています。

  • 類似点や相違点を探す疑問
    例)「いままで勉強してきた内容で似ているものはないか?」
  • 根拠を求める疑問
    例)「なぜそう言えるのか?」
  • 自分の記憶を疑う疑問
    例)「前に勉強したあの知識はなんだったんだろう?」

記憶が定着しやすくなる「疑問ノート」。試さない手はありません!

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「疑問ノート」をつくりながら勉強してみた

筆者も、ちょうど「税金の仕組み」について勉強中だったので、片山氏が提唱する手順にのっとり、「疑問ノート」をつくってみることにしました。勉強で使用したテキストは、2級FP技能検定の対策本です。

まず、ノートの左ページにおいて、横幅が2:1になるよう縦線を引いて分割し、左側へ「勉強したこと」、右側へ「疑問に思ったこと」を書きます。筆者の場合、問題文・自分の回答・正誤を左側へ記載。右側には、過去に勉強したことも頭のなかで振り返りながら、疑問を書き出しました。

能動的に学べる「疑問ノート」05

こちらのノートを書く際、「上場株式の譲渡に係る譲渡所得は、総合課税の対象となるか?」という問題に対し、

「答えは『いいえ』だよな……」

→「たしか、総合課税ではなく申告分離課税だったはず。でも、申告分離課税について詳しく説明できない……」

→「総合課税と同じタイミングで勉強した気がするけど、両者の違いって何だっけ……?」

という具合に、考えていきました。単に「申告分離課税とは何?」とはせず、「総合課税と申告分離課税の違いは何?」と、疑問の立て方を工夫しています。

次に、先ほど書き出した疑問を、いままでに勉強してきたノートや参考書を使いながらなるべく自力で解決し、その過程をノートの右ページへ書きます。

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どうしても解決できない場合はいったん保留にして、わかる人に聞くとよいそうです。今回は自力で解決できたため、こちらの手順は割愛しました。

そして、できあがった「疑問ノート」がこちらです。

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「疑問ノート」で勉強したら、知識を確実に記憶できた!

「疑問ノート」を実践してみて感じたことや提案したいことを、以下にまとめます。

勉強内容に興味が湧いて、記憶が定着しやすくなる!

税金に関する分野が苦手なこともあり、これまでは、どちらかと言えば嫌々ながら勉強していた筆者。新しい知識を覚えるときも、機械的な丸暗記に頼りがち。それが原因だったのでしょう、好きな分野と比べて記憶が定着しづらいことが悩みでした。

ところが今回、「疑問をもつ」「自力で解消する」という手順を踏んで能動的に勉強してみると、不思議と勉強内容に興味が湧いてきて「もっと深く知りたいな」と思うように。「嫌だな……」という当初の感情は、いつのまにか消えていました。

さらに嬉しかったのが、数日後に復習したときに内容をほぼ完全に覚えていたこと。能動的に勉強することが、結果として記憶の定着に役立つことを、身をもって感じられたのです。

「疑問ノート」づくりは、問題演習とセットで行なうのがおすすめ

そして「疑問ノート」は、問題演習をするのとセットでつくることをおすすめしたいです。

というのも、「どうしてこの答えになるんだろう?」といった疑問を解消する過程で、正しい知識が確実に身につくから。

筆者はこれまで、解答と照らし合わせたらすぐ次の問題へ着手しがちだったのですが、知識が曖昧なままだったため、次に同じ問題を解いても間違えることが多々ありました。

しかし今回、正解した問題についても疑問がないか振り返り、もしあればきちんと解消してから次の問題へ進んだことで、確実な理解につなげられました。「たまたま正解した問題」をそのままにしがちな人は、たとえば「〇〇(過去に学んだ知識)との違いはなんだろう?」のような疑問をもてば、単に丸暗記するより理解が深まるのはもちろん、過去の勉強の復習にもなって一石二鳥ですよ。

***
理解が深まり記憶も定着する「疑問ノート」。楽しみながら勉強できるのも嬉しいポイントです。能動的に学ぶ方法のひとつとして、あなたの勉強にもぜひ取り入れてみてくださいね。

(参考)
大学受験パスナビ|[脳科学でハードルを突破!]吉田式“難関大合格脳”強化塾
NIKKEI STYLE|脳のパフォーマンス最大に 脳医学者お薦めの勉強法
THE21オンライン|脳の成長サイクルを促す鍵は、「趣味」を楽しむこと
片山湧斗 (2021), 『東大生のノートから学ぶ 天才の思考回路をコピーする方法』, 日本能率協会マネジメントセンター.
前田信弘 (2021), 『一発合格!マンガで攻略!FP技能士2級AFP 21-22年版』,株式会社ナツメ社.

【ライタープロフィール】
こばやしまほ
大学では法学部で憲法・法政策論を専攻。2級FP技能検定に合格するなど、資格勉強の経験も豊富。損害保険会社での勤務を通じ、正確かつ迅速な対応を数多く求められた経験から、思考法やタイムマネジメントなどの効率的な仕事術に大変関心が高く、日々情報収集に努めている。

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