本当に頭のいい人が「勉強のノート」に書いている4つのこと。ノートは “3分割” が最強だ!

本当に頭のいい人が「勉強のノート」に書いていること4つ01

「セミナーのノートを見返しても、何が重要だったのか結局わからない……」
「本を読んだあとはいつも頭のなかがごちゃごちゃで、うまく内容を整理できない」

こうした状況に悩んでいる人は、理解力が低いわけではなく、ただノートをとるコツをつかめていないだけかも。

そこで今回は、東大生をはじめとする「頭のいい人」たちがノートに書いていることを4つご紹介します。効果的なノート術を覚えて、勉強の効率をアップさせましょう。

【1】本当に頭のいい人は、勉強ノートに「記号」を書いている

世界記憶力選手権で日本人初のグランドマスターとなった池田義博氏は、記号を使ってノートをとると、勉強内容を記憶するのに役立つと述べます。

記号が役立つ理由は、意外にも “感情” にあるのだとか。池田氏いわく、ノートに記号をつけるときは感情をともなった意思が働くため、次のふたつの理由で記憶に残りやすくなるそうです。

第一に、感情が、記憶をつかさどる「海馬」を刺激するから。感情に反応する「扁桃体」と海馬は隣り合っていて、なんらかの感情が動くと海馬も刺激され、記憶が強化されるそう。楽しく遊んだ記憶や仕事で大失敗した記憶などをいつまでも忘れにくい理由は、感情がともなっているからなのですね。

第二の理由は、エピソード記憶が生成されるから。エピソード記憶とは、簡単に言えば思い出のこと。日本神経科学学会による『脳科学辞典』では、「個人が経験した出来事に関する記憶」と説明されています。

たとえば「このワードは講義で何度も出てきているから、メモするときに◎マークをつけておこう」のように、記号をつける際は自分なりの考えや動機があるはず。この、自分の意思で工夫したという出来事(エピソード)が海馬を刺激するため、強く記憶に残るのだと池田氏は言います。

そこで筆者も、上記の効果を得るべく、ノートに記号を書きながら勉強してみました。テーマは小学校教員の葛原祥太氏が提唱する「けテぶれ」という勉強法について。「計画」「テスト」「分析」「練習」を活用し、学習力を高めるというものです。

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キーワードに線を引いたり、具体例のところに☆マークをつけたりすると、「なるほど」「へぇ、そうなんだ!」といった感情や、「ここは重要だからよく覚えよう」「この記号を書いておこう」などの意思が働くのを、たしかに実感できました。

そして、ノートをあらためて見返したとき、そのときの感情と一緒に、勉強したことをうまく思い出せたのです。

記号をつける際は「具体例には☆マーク」のように、自分なりのルールを設定しておくと、動機が明確になるため、エピソードとして記憶により残しやすいと感じました。これまで文字ばかりのノートをとっていた人は、ぜひ記号を書き加えるようにしてはいかがでしょうか。

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【2】本当に頭のいい人は、勉強ノートに「補足情報」を書いている

偏差値35から東大に合格し、株式会社カルぺ・ディエム代表として教育事業を運営する西岡壱誠氏によれば、東大生たちのノートには「補足情報」が書かれているそう。

補足情報とは、「どういう意味なのか」「なぜこれが重要なポイントなのか」といった “理解を助けるような情報” のこと。これを書き込む理由は、あとでノートを見直したときに、わかりにくいところや難しいところを簡単に理解できるようにするためです。

西岡氏はこの作業を「ツッコミを入れる」作業と表現し、効率よく記憶するための工夫のひとつだと解説しています。

西岡氏いわく、東大生はノートに矢印を引いて、補足情報を追記しているとのこと。筆者も、仕事で必要な音声収録の知識を学ぶため、テキストを読みつつ情報を補足しながらノートをとってみました。

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ノートには普段よりも余白を多めにとり、テキストを読みながらポイントをメモして、苦手で理解しづらいところの情報や気づいたことを補足しました。補足情報には矢印と丸でマークをつけています。

これまではノートを見返しても、どれもこれも大事な気がして、重点的に勉強すべき箇所はどこなのかすぐにはわかりませんでした。しかし補足情報を追記してみると、矢印へ自然と注目するようになったので、的確な復習に役立ったと感じています。

また、ノートをとるときにも「どう解釈できるか」「なぜ重要か」を考えるようになり、前述したエピソード記憶の効果も相まって、勉強内容を忘れにくくなりました。何も考えずに “ただ書く” のではなく “考えながら書く” ことが大切なのです。

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【3】本当に頭のいい人は、勉強ノートに「まとめ」を書いている

『東大生のノートから学ぶ 天才の思考回路をコピーする方法』著者で、働きながら東大に合格した経験をもつ片山湧斗氏は、東大生は勉強ノートに「要約(まとめ)」を書いていると述べます。彼らは「つまりどういうことか」をとらえる力が高いのだそう。

片山氏いわく、そもそも要約は、内容をしっかり頭に入れておかないと書けないもの。「勉強したら要約する」というのを前提に勉強を進めれば、自然と「内容をしっかり理解する」ことに意識が向くそうです。そうして最後に要約することで、「今回の勉強で重要なのは、これだったんだ」と内容を整理できるのだと言います。

その効果を確かめるべく、筆者も谷崎潤一郎の長編小説『痴人の愛』の内容や執筆背景について勉強したあと、まとめを書いてみました。その様子が以下のとおり。

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勉強中は、とにかくノートをとることだけに必死になりがち。でも、まとめを書くことを前提に勉強すると、「ここが大事だな」「これとこれが関係しているんだ」と頭のなかをうまく整理できました。自分の言葉で要約したので、勉強したことを確実に記憶できた実感もあります。

また、理解が不十分なところを簡単に特定できるというメリットも感じました。「言葉にできない」ということは「理解が足りない」証拠。そういう箇所は、重点的にテキストをおさらいし、どうにかまとめました。要約を習慣にすれば、苦手も減らせそうです。ノートをとってもなかなか成果が出ない人は、ぜひ試してみてくださいね。

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【4】本当に頭のいい人は、勉強ノートに「仕切り」を書いている

経営コンサルタントで『頭がいい人はなぜ、方眼ノートを使うのか?』著者の高橋政史氏によれば、東大生や大企業社員たちは、ノートに3つの仕切りをつくる「黄金の3分割」を活用しているそう。

そのメリットは、思考を論理的に整理できるうえ、あとから振り返ったときひとめで内容を理解できること。

高橋氏は、黄金の3分割が活用されている勉強ノートの例として、「コーネル式ノート」を挙げます。アメリカのコーネル大学で考案されたもので、ノートの片ページを次の3つのスペースに分けます。

右側→「ノート」:授業や参考書などのメモをとる
左側→「キュー」:キーワードや疑問点、補足事項などを書く。cueとは “手がかり” の意味
下部→「サマリー」まとめを書く

(※詳しい配置は次の画像で紹介)

「キュー」に補足情報を書く、「サマリー」にまとめを書く……というわけですから、まさに前述のノート術を総合したようなものと言えますね。「ノート」欄に記号を使いながらメモをとればいっそう効果的なはず。

実際に、筆者もコーネル式ノートで勉強をしてみました。その内容は、普段から勉強している和歌について、論文を読んでノートをつくるというもの。

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限られたスペースを無駄に消費しないよう略語や図を使いながら工夫して書き込んだ結果、どこが本当に重要なポイントかを考えながら勉強することになり、いつも以上に勉強へ集中できました

これまでは、ノートを見返しても「どうしてこの結論になったんだっけ?」と困ることもありました。しかしコーネル式ノートへ、メモ・補足・まとめを一緒に書いたことで、そのときの自分の感情や考えたことがすぐによみがえってきて、勉強した内容をしっかりと思い出せたのです。

無秩序なノートを書きがちな人は、ぜひノートを3分割して勉強を進めてみてください。

***
ノートをとるときのちょっとした意識や工夫で、学習の質は大きく変わります。あなたも一度、ノートのとり方を見直してみてはいかがでしょうか。

(参考)
東洋経済オンライン|年を取っても記憶力がいい人と低下する人の差
脳科学辞典|エピソード記憶
中日新聞|「自己学習力」高めるには 「けテぶれ」ノート学習広がる
ダイヤモンド・オンライン|「東大生のノートは美しい」はウソ!? 「矢印を活用する」東大式ノート術とは?
logmi Biz|東大生は「これってつまりどういうことか」を捉える力がすごい 入試問題からわかる、頭をよくするために必要なこと
スタディサプリ|コーネル式ノートのとり方って?成績アップの秘訣はここにあった!
ダイヤモンド・オンライン|頭がよくなるノートのとり方、教えます!
Cornell University Learning Strategies Center|The Cornell Note Taking System

【ライタープロフィール】
藤真 唯
大学では日本古典文学を専攻。現在も古典文学や近代文学を読み勉強中。効率のよい学び方にも関心が高く、日々情報収集に努めている。ライターとしては、仕事術・コミュニケーション術に関する執筆経験が豊富。丁寧なリサーチに基づいてわかりやすく伝えることを得意とする。

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