「試験本番に弱すぎる」人がすべき4つの対策。脳を冷静にさせるには “あれ” をしてはいけない

テスト本番で実力を発揮する方法01

資格試験を受験する当日、過度に緊張した結果「覚えたはずの頻出単語が思い出せない」「応用問題を前にして思考が働かない」といった状態に陥り、本来の実力を発揮できなかった経験はありませんか?

試験当日に実力を発揮するには、勉強を頑張るだけでなく、本番に強い自分になるための準備や心がけが必要です。そこで今回は、試験前の対策を2つと試験当日の対策を2つそれぞれ紹介します。

【試験前1】模擬試験を使って復習&当日の時間配分を考える

『マンガでわかる 現役東大生が実践していた! 東大を攻める7つの勉強習慣』の共著者であり、東大インカレサークル「東大まんがくらぶ」で自身の勉強法をわかりやすく紹介している古賀さくろう氏は模擬試験を最高の問題集だと考えて復習することが大切と説きます。なぜなら、模擬試験にはテスト本番でも出るような問題が出題されるからです。

古賀氏は受験生の頃、模擬試験専用のノートを作成して、解けるようになるまで週1回ほどのペースで復習していたそう。その際は、模擬試験で間違えた問題を左側のページに、解答する際は右側のページに書いていたと言います。そして、正解できたら該当ページに大きくバツ印をつけて達成感を味わっていたとのこと。

じつは、この復習ペースは脳科学的にも理にかなっていると言えます。脳神経外科医の築山節氏によると、弱点ばかりに目を向けていると「できない」「難しい」という印象が強くなり、意欲低下によって脳の覚醒度が落ちるのだとか。弱点に向き合うのが週1回であれば、脳の働きを抑えることなく適度なペースで苦手を克服できるのではないでしょうか?

同じく上述の書籍の共著者であるmosso(モッソ)氏は、模擬試験をもとに試験当日の時間配分を割り出して、徹底した当日のシミュレーションを行なっていたそう。

たとえば、東大の数学試験は後ろの設問になるほど難しくなる傾向があるので、1~2つめの大設問には少なめに、3~4つめの大設問には多めに時間を配分していたとのこと。また英語なら、時間のかからない暗記問題を先に解いて読解はあと回しにしたり、リスニングの問題文を事前に読んでおいたりするとよいことも発見できたそうです。社会人の資格試験などでも同様に、こうした傾向をつかむことができるでしょう。

見直しの時間を考慮しつつ、これらの時間配分を意識して模擬試験を解き直すと、よりいっそう自信がつきますよ。

テスト本番で実力を発揮する方法02

【試験前2】徹夜の勉強は絶対にしない

勉強・資格コンサルタントとして50冊以上の著書をもつ高島徹治氏は、記憶の観点から、長期的な勉強が必要な試験に合格したいなら徹夜は絶対に大損だと説きます。なぜなら、記憶の司令塔である脳の海馬は夜ほど活発に働くからです。

高島氏によれば、日中活動しているときの脳は身体を動かす指令を出しながら記憶を定着させている一方、睡眠中の脳は記憶の定着だけに専念しているそう。睡眠には、浅い眠りの「レム睡眠」と深い眠りの「ノンレム睡眠」があり、このうちレム睡眠に、記憶の定着を促す働きがあると言います。

しかし徹夜をするということは、脳が記憶の定着に専念する時間を奪うのと等しいと同氏は警告します。ノンレム睡眠とレム睡眠は、それぞれ70分・20分を目安にサイクルを形成しているとのこと。記憶を整理させるには睡眠時間を6時間以上確保して、レム睡眠が少なくとも4回来るようにするとよいそうですよ。

記憶に限らず、徹夜あるいは深夜遅くまで行なう勉強は、脳全体の機能にも悪影響を及ぼします。医学博士の三島和夫氏によれば、深夜に勉強する夜型生活が当たり前になると体内時計が遅い時間帯で固定されるため、早寝が難しくなるのだそう。つまり試験直前だけ睡眠をしっかりとろうと考えても、眠りにつけず、寝不足のまま当日になってしまう可能性があるのです。

また睡眠医学の第一人者である内村直尚氏いわく、寝不足の脳はほろ酔いのときと同じ状態。情報処理能力や注意力、判断力などが低下しミスをしやすくなると言います。脳のコンディションを整えておくという意味でも、普段から徹夜はしないように心がけましょう。

徹夜をよくしてしまう人や、仕事が終わってから勉強を始め、就寝する頃にはもう明け方……といった夜型の学習スタイルを続けてしまっている人は、早めにベッドに入り、起床時間を前倒しにして朝に勉強してみてはいかがでしょうか。学習事業を展開している森大輔氏によると、朝は1日で最も頭がさえ、集中力・やる気・思考力が高い「ゴールデンタイム」なのだそうです。睡眠をしっかりとって夜のうちに記憶を定着させているので、朝には脳へ新しい知識がどんどん入る状態になっているはずですよ。

テスト本番で実力を発揮する方法03

【試験当日1】いつもと違うことをせず、リラックス

試験当日は、いつも通りに過ごすリラックスのふたつを意識しましょう。

資格スクエア代表・弁護士の鬼頭政人氏は、脳を冷静な状態で試験にもっていくため、普段と違うことをしてはいけないと説きます。ただでさえ緊張して慌ててしまいやすい試験当日は、ルーティン化されている日常の行動が脳を落ち着かせてくれるはず。たとえば、毎朝犬の散歩をしているなら当日の朝も家族に任せず自分で散歩させるべきですし、朝食は軽めに済ませている人なら当日も軽めにするべきでしょう。

そして心理学ジャーナリストの佐々木正悟氏は「試験当日はリラックスすること、それだけでほかの人よりずっと有利な立場にいられる」と言います。リラックスするためにおすすめなのが、意図的に笑顔をつくること。

笑ったときに私たちの脳で分泌されるエンドルフィンには、脳を活性化させる働きがあり、集中力を高めてくれると脳科学者の中野信子氏は言います。また著書でエンドルフィンについて詳しく解説している医師の奥仲哲弥氏いわく、笑顔をつくるときは「ムフフ」というような小さなものでも効果的だそうですよ。

テスト本番で実力を発揮する方法04

【試験当日2】まずは簡単な問題を解いて、成功体験をつかむ

いざ試験本番に臨むときは、簡単に解けそうな問題から取りかかりましょう。序盤のうちに「解けた!」という成功体験をつかむためです。

心理学の観点で見ると、試験問題を1問目から順番に解いていくことは、場合によってはパフォーマンスを落とす原因になると、前出の佐々木氏は説きます。というのも、人間には成功すれば成功を信じ、失敗すれば失敗すると思い込む性質があるから。たとえば最初の数問が難しいと、「今年の試験は難易度が上がっている? 不安になってきた」と悪いほうへ思考が働いてしまい、そのあとの問題も思うように解けなくなる可能性があります。

そこで、簡単そうな問題から取りかかるのが吉だというわけです。具体的なやり方としては、実業家で経営コンサルティング業を手がけるレバレッジコンサルティング株式会社代表取締役社長の本田直之氏によるレバレッジ勉強法が参考になります。手順は次のとおりです。

  1. 最初の1~2分で試験全体を見る
  2. 難しい問題には印をつけてあと回しにする
  3. できる問題から解き始める
  4. できると思ったが迷った・自信がない問題は、解いたあとに印をつけておく

ここまで終わってようやく、難しい問題や自信がない問題に取りかかります。前出のmosso氏が暗記問題から解いて読解をあとに残していたのも、この法則に共通するところがありますね。

試験では空欄をつくりたくないと考えがちですが、最初から難しい問題に向き合うのは時間の浪費につながると佐々木氏は言います。また脳科学者の澤口俊之氏によれば、成功体験を得て報酬(=合格)を意識できると、思考力ややる気を高めるドーパミンが分泌されてパフォーマンスが高まるとのこと。試験当日に最高のパフォーマンスを発揮するためには、簡単な問題に触れて早めに成功体験を味わうことを重視しましょう。

***
模擬試験の活用法から、当日のメンタルコントロールまで、試験当日を最高の状態で迎える方法は数多くあります。テストでしっかり実力を発揮するためにも、ご紹介した4つをぜひ始めてみてください。

(参考)
東大まんがくらぶ (2020), 『マンガでわかる 現役東大生が実践していた! 東大を攻める7つの勉強習慣』, 講談社.
築山節 (2012), 『脳が冴える勉強法 覚醒を高め、思考を整える』, NHK出版.
高島徹治 (2012), 『寝る前1分記憶術』, ダイヤモンド社.
All About|「朝勉強」のススメ~朝は勉強のゴールデンタイム~
NIKKEI STYLE|夜型生活から脱却する効果的な方法
産経ニュース|睡眠不足は酩酊と同じ 「眠り」見直し、会社で仮眠も
東洋経済オンライン|試験当日、「受かる人」はこの3つを"しない"
佐々木正悟 (2008), 『脳と心を味方につける マインドハックス勉強法』, 日本実業出版社.
お金のキャンパス|脳科学者中野信子が語る! 第2回 投資に必要な脳育とは!?(後編)
週刊女性PRIME|黒柳徹子さんの元気の秘密は『快楽寿命』をのばす「一日一回の“エヘヘ”と“ムフフ”」
THE21オンライン|脳科学から見えてきた!やる気を高める4つの方法

【ライタープロフィール】
かのえ かな
大学では西洋史を専攻。社会人の資格勉強に関心があり、自身も一般用医薬品に関わる登録販売者試験に合格した。教養を高めるための学び直しにも意欲があり、ビジネス書、歴史書など毎月20冊以上読む。豊富な執筆経験を通じて得た読書法の知識を原動力に、多読習慣を続けている。

会社案内・運営事業

  • スタディーハッカー

    「STUDY SMART」をコンセプトに、学びをもっと合理的でクールなものにできるよう活動する教育ベンチャー。当サイトをはじめ、英語のパーソナルトレーニング「ENGLISH COMPANY」や、英語の自習型コーチングサービス「STRAIL」を運営。
    >> HPはこちら

  • english company

    就活や仕事で英語が必要な方に「わずか90日」という短期間で大幅な英語力アップを提供するサービス。プロのパーソナルトレーナーがマンツーマンで徹底サポートすることで「TOEIC900点突破」「TOEIC400点アップ」などの成果が続出。
    >> HPはこちら

  • strail

    ENGLISH COMPANYで培ったメソッドを生かして提供している自習型英語学習コンサルティングサービス。専門家による週1回のコンサルティングにより、英語学習の効果と生産性を最大化する。
    >> HPはこちら