「時代遅れ上司・デキる上司」を分ける3つの言動。いまの若手は上司の背中を見るだけでは学べない

時代遅れな上司の言動01

「最近後輩ができたから、先輩らしくしっかり指導したい」
「部下が少しずつ増えてきたので、上司として威厳を保たなければ」

このように考えてあなたがしているいくつかの言動は、じつは時代遅れかもしれません。古い悪習から抜けられないままでは、部下・後輩への指導はいくら頑張ってもうまくいかないもの。

この記事では、時代遅れな上司の言動を3つ紹介するとともに、いまの時代に即したデキる上司になるための言動も提案していきます。

【時代遅れな言動1】部下を叱ってばかりいる

あなたは、“正しいこと” を指導したい一心で、部下のダメ出しばかりをしていないでしょうか? たとえば「昨日の企画書、ここを直してきて。あとはここもダメ。それからこの部分も修正しないと完璧な出来とは言えないね。どうしてできないの?」などと、部下を叱ってばかりいませんか?

精神科医で、300社以上(2019年4月時点)の企業顧問医を務める伊藤直氏によれば、「上司は嫌なことを言って嫌われるのが仕事だ」という考えは完全に時代遅れ。ハラスメントなどへの意識が希薄で、そのような上司像が普通の時代もあったが、いまは違うと断言します。叱るだけ叱って嫌われる――そんな上司はもう古いのです。

2019~2020年入社の新入社員を対象に、株式会社日本能率協会マネジメントセンターが実施したアンケート調査では、若手社員の多くが、叱られるよりもほめられるほうが頑張れると回答していました。

「自分はどのように指導されることで、成長していけると考えますか」との問いに対し、「できている点に目を向け、ほめてもらう」と回答した人の割合が64.8%。「できていない点に目を向け、指摘される」の35.2%を大きく引き離したのです。

とはいえ、部下をほめたくても、どうすればよいのかわからない人もいるでしょう。社会保険労務士の佐野浩之氏がすすめる、3つのポイントを紹介します。

  • 部下へ1日1回声をかける
    「調子はどう?」「うまく進んでる?」
    などのちょっとした声かけでも効果的。「上司は自分を見てくれているんだ」という安心感を部下にもたせることができるそうです。

  • 部下の行動を観察する
    部下の行動を観察し、1日1件、たった1行でもよいので「○○さん、資料作成が早いのでよい」などと書き留めることを佐野氏はすすめています。1分もかからないこの作業を1カ月も続ければ、ほめるべき望ましい行動が見えてきて、自然とほめ言葉が出てくるようになるそう。

  • 「仕事における」望ましい行動をほめる
    服装のように仕事と関係のないことや、「やる気があっていい」といった精神的なことをほめるのはNGだそう。「仕事における望ましい行動」を具体的にほめることが大切。たとえば、「取引先に不明点を質問したタイミングが適切でよかったよ」といった具合です。

正しいことを指導しているつもりが、ダメ出しばかりになっていた……もしあなたがそう気づいたのなら、1日1回でも部下をほめるところから始めてみてはいかがでしょうか。きっと、いま時の若い部下たちからの信頼を得られるはずです。

時代遅れな上司の言動02

【時代遅れな上司の言動2】部下に対して威圧感がある

PRコンサルタントで、ビジネスパーソン向けに人間関係スキルを説いた著書をもつリー・ウェイウェン氏は、上司の悪習のひとつとして「威圧感があること」を挙げています。いるだけでまわりが恐縮してしまい、職場の雰囲気がピリピリするような上司のことです。

人材育成研修を行なう株式会社ヒューマンテック代表の濱田秀彦氏も、威圧感を醸し出すような上司は、いまの若い部下たちからはすぐ見限られてしまうと指摘。「部下を動かすのが上司の仕事だから、わざわざ仲よくなる必要はない」という考え方は、もう時代遅れだと述べます。

濱田氏によると、部下に対してフランクな上司こそが、部下に好かれるのだそう。部下と対等な目線に立って会話できることが「相談しやすい環境づくり」につながり、結果的に職場運営のプラスになると言います。

そうは言っても、部下と気軽に雑談なんてできない……という人は、「何を話せばよいか」ではなく「何を聞けばよいか」を考えるとよいそうです。有効な方法として濱田氏がすすめるのは、「オープン質問」を活用するというもの。

濱田氏の解説を参考にしながら、会話の例を挙げてみます。

「前にやっていると言ってたトレーニングは、いまも続けているの?」

このように、答えがイエス、ノーで終わってしまう質問は「クローズ質問」といいます。相手に「はい」と言われてしまったら、会話は途切れてしまうもの。それを「オープン質問」に変えるとこうなります。

「最近、トレーニングの調子はどう?」

これなら「じつは最近トレーニングできていないんです」「どうして? なにかあったの?」と会話を続けられるそう。5W1H(いつ、どこで、誰が、何を、なぜ、どのように)を使えば、より自然にオープン質問ができるとのことです。

また濱田氏いわく、質問のなかで「教えを請う」ことも効果的だとのこと。「私も運動してみたいんだけど、どうしたらいいかな?」などと部下へ尋ねると、部下の自尊心を満たすことができるそうです。

優秀な上司を装いたいからと威圧的に振る舞う……そんな時代遅れな態度はやめて、質問を交えつつ部下とのフランクな会話を楽しんではいかがでしょうか。

時代遅れな上司の言動03

【時代遅れな言動3】部下への指示が的確でない

組織人事コンサルタントの麻野耕司氏は、昔ながらの「上司の背中を見て学べ」という指導方法は、ビジネススピードが速いいまの時代にはそぐわないと指摘しています。というのも、このやり方では部下が育つまでに時間がかかりすぎるから。「説明しなくても、見ればわかるだろう」という考え方は、もう捨てたほうがいいのです。

株式会社日本能率協会マネジメントセンターが実施した前出の調査によれば、部下は上司に対し「納得できる論理的な指導」を期待しているようです。また、転職支援サービスの「エン転職」が2019年に実施したアンケートでも、尊敬する上司の特徴として、第2位に「指示・指導が的確(53%)」が挙げられました。

では、どのような指示・指導が望ましいのでしょうか。『仕事が「速いリーダー」と「遅いリーダー」の習慣』著者で税理士の石川和男氏は、上司の指示の出し方によって部下の仕事スピードは変わると述べています。

部下を混乱させる、デキない上司の指示の例はこちら(以下、石川氏による例をアレンジしたもの)

「Aさん、請求書作成を今日中にお願いできる? あと、アンケートの集計がまだみたいだから、それも早急にね。100件ぐらいあった? それから来週の会議資料のたたき台を私に送っておいて。あとでチェックするから」

この指示のよくない点は、一度にたくさんの指示を出していること。石川氏は、一度に伝える指示は1~3つにして、部下が書き留められるようにすべきと述べています。また、優先順位をつけて話したり、こまめに質問して部下と目線をそろえたりすることが重要だそう。

これらの点をふまえて、先ほどの指示を言い換えると、以下のようになります。

「Aさん、請求書はどこまで作成できた? なるほど、そこまで進んでいるなら、あと1時間で終わりそうだね。それが終わったら、アンケート集計を18時までにやってください。100件くらいあって大変かもしれないけれど、手は足りそう?」

このように具体的に指示すれば、部下を納得させ、スピーディに仕事を進めさせることができるでしょう。部下からの信頼も得られるはずです。

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デキる上司の言動は時代によって変化しています。あなたも、令和の時代にふさわしい上司の言動にアップデートしてくださいね。

(参考)
東洋経済オンライン|職場の「嫌われ上司」が今すぐ変わる5つの方法 悩ませ部下を元気にする「タイプ別対処法」
JMAM 株式会社日本能率協会マネジメントセンター|【イマドキ若手社員の仕事に対する意識調査2020】自分のことを認めてくれる環境で、無理なく、無駄なく成長したい
日本最大級の人事ポータルHRpro|上司の褒め方ひとつで部下は8割残る?
東洋経済オンライン|「尊敬できない上司」にありがちな10の悪習 自分が将来なりたい「お手本」を見つけよう
プレジデントオンライン|いま最も好かれる上司は「フラミンゴ」だ
新R25|「背中を見て学べ」という上司が陥りがちな“錯覚”とは? 組織のプロ2人が解説
エン・ジャパン株式会社|1万人が回答!「上司と部下」意識調査―『エン転職』ユーザーアンケート―
リクナビNEXTジャーナル|デキるリーダーの「指示」の出し方

【ライタープロフィール】
西ひとみ
大学では教員養成課程に在籍。大学院では英語教育を専門に学んだ。小学校教員免許、中学・高校教員免許(英語)を取得済。高校教師、小中学生向け塾講師としての指導経験がある。よりよいコミュニケーション法や最新脳科学への関心が高く、日々情報収集に努めている。

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